最近、まるでカフェのように居心地よく、街の文化や情報をもとめて人が集ってくるインディペンデントな本屋が増えています。
そこで!素敵な街の本屋を訪ねて歩く〈素敵な街の本屋さんinせとうち〉を勝手にシリーズ化。
香川県の『なタ書』に続いてご紹介するのは、広島県の平和記念公園すぐそばにある本と器の店『READAN DEAT(リーダン ディート)』です。
旅の目的になる本屋『READAN DEAT』
世界中から観光客が訪れる広島市の世界遺産『原爆ドーム』や『平和記念公園』から徒歩約6~7分。
ショッピングモールが立ち並ぶ広島市中心街までも路面電車で3駅。
そんな広島の文化発信地ともいえる場所に、本と器の店『READAN DEAT』はあります。
広島のインディペンデント書店といえば一番に名前のあがる本屋さんで、全国紙でもたびたび取り上げられている注目の本屋です。
路面に面したビルの2階。窓から温かい光が差し込む店内で静かに出迎えてくれるのは、眼鏡がよく似合う店主の清政(セイマサ)さん。
東京の会社に勤務していた30歳の時、東日本大震災や地元広島にあったお気に入りの書店の閉店をきっかけに本屋を始めると決意。
東京の書店で2年の修業経験を積んだのち、広島のこの地にREADAN DEATをオープンしました。
扱う本のジャンルはさまざま
棚に並ぶのは、アート本や写真集、カルチャー誌のほか、日々の暮らしによりそった食やライフスタイル本など、ジャンルはさまざま。
けれどいわゆる“ベストセラー”的な本はなく、清政さんが選んだ「賞味期限のない本」だけが並びます。
写真は画家と詩人の兄弟ふたりによる画詩集『いのちの花、希望のうた』(ナナロク社)。
私、久々に本を読んで涙を流しました。
こんなにも美しい本に出合えるのは、確かなフィルターで選びぬかれた本だけが置かれているからこそ。
クリエイターが個人的に発信するZINEやリトルプレスもたくさん置かれています。
ネットの時代に、少ない部数で、しかも紙でアーカイブするZINEやリトルプレスは、出合ったことこそが奇跡のようなもの。
そんなとっておきの一冊との出合いは、まさに旅の醍醐味といえるでしょう。
本と一緒に器も並べて
もともと器が好きで、本屋を始めると決めたとき器を扱うことも決めていたという清政さん。
店内には注目している陶芸家や作家の器、店を始めるようになって興味を深めたという民藝の器が並びます。
こちらは、清政さんが今、最も注目している作家のひとり、只木芳明さんの木工作品。
「緻密に削り出された薄く艶やかな」カトラリーたちは、惚れ惚れするほどの凛々しさです。
店内に特別に設けられたギャラリースペースでは、こうした器をはじめ、写真やイラストなどの作品展示や作家を招いてのトークイベントなどさまざまな催しが行われます。
取材した11月は、イラストレーターの個展が開かれていました。
最近ではそうした催しを目指して、県外から訪れるお客さんも増えているそう。
(催し物の情報は、公式サイトやFacebookで発信されているのでぜひチェックしてみてくださいね)
一期一会の出会いを求めて
築60年以上というレトロなビルにフランスアンティークの什器がしっくり馴染み、まるでヨーロッパにある店に迷い込んだかのような店内。
そんな非日常の空間で出合った一冊は、きっとあなたの旅の思い出になるはず。
深まりゆく季節。
こんな素敵な本屋を目的地にする、カルチャーな旅のプランをたててみてはいかがでしょうか?
READAN DEAT(リーダンディート)
住所/広島県広島市中区本川町2-6-10 和田ビル203
最寄り駅/広島電鉄 本川町電停 徒歩1分
電話/082-961-4545
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜日
http://readan-deat.com
瀬戸内Finderフォトライター イソナガアキコ
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この記事を取材したフォトライター
イソナガ アキコ
約10年のWEBディレクター業ののち、2014年よりフリーライター。 撮影を含む仕事も増える中、カメラ熱も上昇中。 2019年、インディペンデントな本屋さんを応援する「あいだproject」を創立。 本や本屋を起点にしたイベントをあれこれ妄想しては実行中。 URL/https://isonaga.wixsite.com/aidapress
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