海外ビジターが徳島県西部を楽しむ拠点
江戸時代中期より阿波藍の集散地として大いに栄えた歴史を持つ脇町。徳島県西部の観光名所として名高い『うだつの町並み』は、当時の面影を残す見事な商家がいくつも残されており、国が指定する重要伝統的建造物群保存地区としても知られています。
その『うだつの町並み』から少し歩いたところにあるのが、大きな門構えが印象的な『のどけや本館』です。2014年7月にオープン以来、海外からのビジターが徳島県西部の“にし阿波”地域を楽しむ拠点としても利用。現在でも全体の約7割強が外国人ツーリストという知る人ぞ知るゲストハウスです。
玄関を入るとソファが置いてある広いロビー。そうなんです! ここは旅館だった建物をリノベーションして運営されているゲストハウス。オーナーは世界25ヵ国でライブツアー経験のあるミュージシャンとプロ漫画家の柴田夫妻です。
「海外に出たからこそ、古き良き日本の魅力が、いっそうわかるようになりました」と語るのはご主人の柴田義帆さん。ゲストハウスを運営する傍ら、各地に点在する空き家の活用で地域を元気にする『一般社団法人ハンモサーフィン』の代表理事としても活動しています。
日本旅館と古民家の良さを生かした部屋が魅力
もともと日本旅館だった建物の良さを生かした『のどけや本館』。畳に布団というトラディショナルな宿泊スタイルは、海外からのビジターはもちろん、若い日本人バックパッカーたちからも人気を集めているとか。素泊まりで2,300円からというリーズナブルな価格も利用者に嬉しいポイントの一つです。
こちらも元は和室ですが、複数のベッドが入ったドミトリーとなっています。いずれに宿泊しても、キッチン・トイレ・シャワーは共同のため、ゲスト同士が譲り合って使用してほしいとのこと。長期滞在する方のために、洗濯機や物干しスペースなども設置されています。
また、2015年8月には『うだつの町並み』の中心部に別館『うだつゲストハウスのどけや』がオープン。築100年の古民家を改装した別館は一棟貸しとなっており、素晴らしい空間を独占することができます。もっとも混み合うシーズンである10月には、ヨーロッパやアジア各国からの問い合わせが多かったそう。
さまざまな可能性が生まれるゲストハウス
「旅といえば一期一会のイメージがありますが、ここで出会った人たち同士から、新しいつながりが生まれる場になればと思っています」と柴田さん。別館『うだつゲストハウスのどけや』の1階は、DIYでカウンターなどをリノベーションしたコミュニケーションスペース。今は『うだつの町並み』の旧西條邸で営業中の『ワタル珈琲』も最初はここからスタートしたとか。
おでん屋さんや焼き鳥屋さん、バーとして活用されており、地元の人たちもふらりと訪れる貴重なナイトスポットとなっています。
さまざまな国籍のゲストが宿泊する『のどけや本館』でも、共有スペースに人が集まれば、そこから小さな国際交流がスタート。最初はぎこちなかったコミュニケーションも時間が経つにつれ、どんどん笑顔が増えていきます。海外の有名ミュージシャンのツアーメンバーも長期滞在していたそうですよ。
「ここにしかないものを生かすためには、ここになかったゲストハウスをつくっていく必要があると思いました」。大阪でのライブハウスの経営や豊富な海外経験から、人が楽しく集う場所の重要性を知り尽くしている柴田さん。世界中からさまざまな分野のクリエイターやビジネスパーソンが訪れるゲストハウスになりつつあるのも、オーナーのホスピタリティーによるところが大きいのかもしれません。
『うだつの町並み』の散策や徳島県西部を旅行する際、ぜひ一度は泊まってみてほしいゲストハウスです。
ゲストハウスのどけや
住所/徳島県美馬市脇町大字脇町117-1
チェックイン14:00 チェックアウト11:00
電話/080-6286-8101
宿泊/1泊2,300円~
http://www.nodokeya.com
予約サイト https://www.airbnb.jp/rooms/3314115
瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志
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この記事を取材したフォトライター
重藤 貴志
徳島で暮らしているインタヴュアー/ライター/コピーライターです。屋号は“Signature”。新聞広告をはじめ、書籍や雑誌、ウェブサイトなど、幅広い媒体で仕事をしています。生まれ育ちは東京ですが、縁あって徳島に移り住みました。県外出身者の視点から見た徳島の魅力を中心に、瀬戸内のさまざまな情報を紹介していきます。 Twitter https://twitter.com/Siqoqtaq
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