明石市で400年続く『魚の棚(うおんたな)商店街』
JRまたは山陽電鉄明石駅から南へ徒歩3分。『魚の棚(うおんたな)商店街』の歴史は古く、およそ400年前、明石城築城の頃に、城下町で魚商人が軒先に大きな木板を並べ、魚を陳列して商った様子が『魚の棚』の由来だとか。
今でも全長350mのアーケードには、明石沖でとれた鮮魚や海産物を扱う店などが約110店、毎日賑わっています。
煮物、焼き物、なんでもあります!
朝10時。どの店先にも美味しそうなお惣菜がズラリ。うおんたな名物といえば、ツヤツヤのタコの柔らか煮に焼きあなごでしょ、あっ、イカナゴのくぎ煮もあります。
他にも天ぷら、コロッケ、かまぼこ……、見ているだけでお腹がすいてきますね。
明石っ子の思い出の味『三ツ星蒲鉾』
大きなタコの立体看板が目印の『三ツ星蒲鉾』は、戦後から続く老舗のてんぷら屋さん。
ちなみに西日本では、魚の練りものを揚げた『さつま揚げ』を『てんぷら』と呼びます。
穴子の一本巻きやタコ磯巻き、季節の野菜天など、珍しいてんぷらがいっぱい。
中でも地元の人に長年愛されているのが『手造り上平天』。
普通のてんぷらより少し薄めで、ほんのり甘〜い。地元では子どもの頃からおやつに食べている懐かしの味だとか。
たしかにこの薄さが食べやすい。魚の旨味と甘さが後を引き、2〜3枚ぺろっといけそう(笑)。
県外のお客さんには、明石タコがごろごろ入ったタコ蒲鉾が人気です。
鮮魚を買うなら『魚利商店』の『昼網』を狙え
「鮮魚を買うならお昼頃が狙い目」と教えてくれたのは、『魚利商店』の大将大東利道さん。
もちろん朝一番の魚も新鮮なのですが、12時を過ぎると『昼網』の魚が入ってくるのです。
昼網とは、昼に市場へ揚がった魚のセリに、小売店が直接参加できる全国でも珍しいスタイル。
仲卸を通さず、水揚げしたばかりの新鮮な魚が店頭に並びます。
何が入るかは、その日のお楽しみ。ワクワクしながら待つのも、魚の棚ならではですね。
ふるふるの誘惑、『よし川』の玉子焼
お腹がすいたので、明石名物玉子焼(明石焼)のお店へ入りましょうか。
『よし川』は、魚の棚商店街で一番古い玉子焼店。戦後まもなくはじまり、2代目が今も変わらぬ味を守っています。
注文ができるまで、玉子焼を焼く様子を見物します。
最初はびっくりするくらいシャバシャバの生地だけど……、だんだん固まって……、器用にお箸で形を整えたら完成!
その間、わずか5分ほど。時間が勝負の職人技です。
いざ実食! 運ばれてくる板の上で、早くもふるふる揺れています。
とにかく柔らかい! 食感はほぼ茶碗蒸し(笑)。
だから、出汁につけるのもコツがいります。出汁につけて3秒もすると、とろけて箸から逃げてしまう。そこをスルスルっとすすると、口中になんとも上品な出汁の香り。
逃げる玉子焼を箸で追いかけながら、一つ、また一つ。箸が止まりません。
よし川のこだわりは、なんといっても出汁です。
玉子焼には昆布、出汁には昆布とかつおのダブル使い。特に昆布は「もったいないと思うくらいたっぷり使う」のが秘訣だとか。
そして主役の地タコ。近年量が減り、値上がりしているそうですが、「やっぱり明石ダコじゃないと」と女将の今村知佐さん(写真中央)。舌の肥えた明石っ子に愛される老舗、「一度覚えた舌はごまかせないもんね」と明るく笑います。
ちなみに明石ダコを使ったたこめしも絶品なので、セットでどうぞ。
気づけば両手に買い物袋がいっぱい。
目でも舌でも楽しませてくれる魚の棚商店街。鮮魚を買うなら保冷バッグをお忘れなく。
魚の棚商店街(魚の棚商店街事務所)
住所/兵庫県明石市本町1丁目1-16 魚の駅2F
電話/078-911-9666
営業時間や定休日はお店によって異なるので、HPでご確認下さい。
http://www.uonotana.or.jp
最寄り駅/JR明石駅、山陽電鉄明石駅
JR明石駅までのアクセスはコチラ
瀬戸内Finder編集部
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