貴重な体験を“にし阿波”地域で。印刷工場に宿泊しよう!/PLAY & WORKS AD LIV(徳島県美馬市)

『PLAY & WORKS AD LIV』は印刷工場?

2018年3月に国連食糧農業機関(FAO)から『にし阿波の傾斜地農耕システム』が世界農業遺産に認定され、注目を集めている“にし阿波”地域。高低差390mにも及ぶ急傾斜に形成された西祖谷の『落合集落』や東祖谷の『奥祖谷観光周遊モノレール』など、数多くの観光スポットにも国内外から多くの人々が訪れています。

その一角である美馬市に一風変わったホステル&ゲストハウスが生まれたと聞き、取材にやってきました。それがこちらのナカガワ・アドが運営する『PLAY & WORKS AD LIV』。とても大きな建物ですが、内部がどうなっているのかも気になりますね。

扉を開けて足を踏み入れると、その広さと高さに圧倒されます。

中心に大きな吹き抜けの空間を持つ『PLAY & WORKS AD LIV』は、全国的にも珍しい印刷工場をリノベーションした複合施設。カフェ・ドミトリー・コワーキングスペースといった異なる要素を併せ持っています。11月からは冬バージョンとして屋内にテントやビニールハウスを設置。暖かく過ごすことができるようになっています。

1960年に活版印刷会社として創業したナカガワ・アドは2002年に広告代理店へ業態を変更しました。以来、広告のデザインや印刷をはじめ、農業や食に関わる「あど畑」や「ベジハッピー」といった個性的な事業を展開。地域の魅力をさまざまな形で発信しています。
多様性とゆるやかなつながりを重んじる『PLAY & WORKS AD LIV』の成り立ちには『ゲストハウスのどけや』のオーナー、柴田義帆さんの影響も大きかったとか。もしかすると“にし阿波”地域に面白そうなスポットが次々と増えているのは、こうした関係性が強まっているおかげなのかもしれません。

日常生活から離れる旅の醍醐味の一つは「どんなところに宿泊するか?」ではないでしょうか。

『PLAY & WORKS AD LIV』のコンセプトは「印刷工場に泊まる」。天井から下がるフラッグガーランドがポップなイメージですが、貴重な活字が並べられた大きな棚や重厚感のある加工機器などが点在する空間は、新旧の設備が入り混じった独特の雰囲気が感じられます。

「いずれは小さな活版印刷機を使った体験ができるようにしていきたいと考えているところです」と中川和也社長。2019年中には導入予定とのことですが、実際に自分の手で名刺やポストカードなどをつくるコンテンツができれば、さらに魅力的な場所になっていきそうですね。

カフェやコワーキングスペースも魅力

1階の活字が納められた棚の横にはカフェの厨房とカウンターが。ここではコーヒーや紅茶のほか、やまもも・すだち・いちごなどの天然シロップを使ったスカッシュや無農薬のにんじんジュースのほか、コーラやカルピスなどを注文することができます。

ドミトリーに宿泊しなくても、ワンドリンクでWi-Fiが無料開放されているコワーキングスペースが利用できるのも嬉しいポイント。お土産にぴったりの星型やハート型に切り抜かれた野菜を使った「ベジピクルス」などもチェックしてみてくださいね。

事前予約が必要となりますが、こちらのカフェでランチをいただくなら、ナカガワ・アド自慢の「AD LIVピザ」がおすすめです。
具材には抗生物質や抗菌剤ゼロのヘルシーな「阿波すだち鶏」をはじめ、地元の安心・安全な食材や自家農園の野菜を贅沢に使用。ピザ生地は美馬市の「実森ラボラトリー」がつくる小麦100パーセント、セルロース無添加のチーズなど、どこをとっても美味しい要素しかありません。徳島の食材のレベルの高さを味わってみてください。

『PLAY & WORKS AD LIV』の2階には、一人ひとりが仕事をするほか、ミーティングなども開催できる広いコワーキングスペースが2部屋あります。
既にオープンからさまざまな形で使用されており、起業家やデザイナー、エンジニアやイラストレーター、地元である美馬市の行政関係者など、多様な立場の人々が集い、それぞれがコミュニケーションを取ることで、新しい“ワクワク”を生み出そうとしています。

旅の拠点として活用したい複合施設

1階にあるドミトリーは男女混合の定員8名。一泊は4,500円です。それぞれのスペースはカーテンで仕切ることができ、枕元にはベッドライトとコンセントがあります。

冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などもあるほか、シャワーやトイレなども完備。メインの共有スペースからはガラス戸で仕切られているため、パーティーなどが行われていても、ゆっくり翌日からの旅に備えて身体を休めることができます。

もともと印刷工場だけあって、建物の中は本当に広い空間です。2018年にドリフトラジコンの愛好者が集まった際には、何と工場内にコースを設営して楽しむ姿が見られたとか。

また、そこかしこに集う場所がつくられているため、好きな場所を選んで過ごす楽しむことができそうです。たとえば、こちらはフォークリフトで大量の紙や印刷物を運ぶパレットを組んでつくったテーブル。大きな地図を広げても問題ないサイズですので“にし阿波”各地を巡る計画を立てるにはぴったりですね。

多種多様な取り組みと立場の人々が集う新たなスポットとして注目を集める『PLAY & WORKS AD LIV』。これからは一人旅で訪れたとしても、そこで出会った人々と一緒に巡っていくというケースも生まれるかもしれません。

2階には“にし阿波”地域の新しい観光の形を考える株式会社AWA-REもオフィスを構えており、こちらで旅に関する相談をしてみてもいいでしょう。海外からのゲストも増えつつあるという印刷工場をリノベーションした複合施設、ぜひ一度は泊まってみてください。


PLAY & WORKS AD LIV
住所/徳島県美馬市脇町大字猪尻字若宮南131-2
チェックイン16:00~18:00 チェックアウト10:00
電話/0883-52-1643
営業時間/コワーキングスペースの利用は要問い合わせ、カフェ11:00~17:00(※ランチは完全予約制、定休日はAD LIVのFacebookページにて確認)
宿泊/1泊1名4,500円
https://www.adliv-tokushima.com
予約サイト https://www.airbnb.jp/rooms/24187695

瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志

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重藤 貴志

重藤 貴志

徳島で暮らしているインタヴュアー/ライター/コピーライターです。屋号は“Signature”。新聞広告をはじめ、書籍や雑誌、ウェブサイトなど、幅広い媒体で仕事をしています。生まれ育ちは東京ですが、縁あって徳島に移り住みました。県外出身者の視点から見た徳島の魅力を中心に、瀬戸内のさまざまな情報を紹介していきます。 Twitter https://twitter.com/Siqoqtaq

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