四国の愛媛県松山市にある道後温泉は、国内外から人気を集める温泉地。宿泊施設が林立する街で、どこに泊まるか迷っているかたに、国籍を超えて愛されるゲストハウス『どうごや』をご紹介。
飛鳥乃湯泉そばにある築80年の和風建築
『どうごや』は、2018年にオープンした道後温泉『飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)』から徒歩2分、坂道をあがった先にあります。路地裏にひっそりと、そこだけ時間軸が異なるたたずまい。
昭和初期につくられたという築80年の木造建築は、趣たっぷりの数奇屋門がお出迎えしてくれます。
国際人の番頭さん、お坊さんじゃないよ
『どうごや』のオーナーで“番頭”の清水久嗣さんは広島市出身。アメリカで日本語教師などをしながら、アメリカ暮らしを希望していたものの、ビザ取得が難しく、故郷・広島に戻ります。日本にいながら異文化交流ができるゲストハウスを広島・宮島ではじめました。
宮島では、ベッドを配置した西欧スタイルの宿でした。ところが、世界からゲストを迎えるうちに、日本らしい風景の宿をやってみたいと思うように。2010年、偶然知り合ったひとに紹介されたのが、道後で使われていなくなったこの建物。威風堂々とした和風建築に「一目惚れです。即決でしたね」(清水さん)。
和食・畳・布団と和尽くしがうれしい
その後、清水さんは愛媛へ移住。水回り、畳と屋根の修繕と最小限のリフォームを経て、2013年に『どうごや』を開業しました。建物だけではなく、冬はコタツを設置したり、朝食にはオプションでごはんと味噌汁を提供したりと、和を貫いています。
全室が畳仕様で、こちらはドミトリーの部屋。
襖に描かれたダイナミックなクジャクの図柄は、アメリカのNIKE本社で壁画制作をした実績もあるMON(本名・大山康太郎)氏の作品。
さきほどの番頭さんの背景にあった作品も含め、世界的に活躍するアーティストさんがここに滞在して作品を制作しています。
アーティストの筆と息遣いを感じる
リビングルームのアート作品は、MON氏と、独自の幾何学模様で知られるBAKIBAKI(本名・山尾光平)氏によるライブペインディングデュオ『DOPPEL(ドッペル)』作。
七福神をモチーフにした作品は、100人のオーディエンスに見守られながら、アウトラインを一発で仕上げたそう。いまにも神々が動き出しそうなほどの臨場感と迫力。インスタ映え必至です。
世界的に活躍する書道家 万美氏の作品も廊下に配置するなんて、どこまでぜいたくなんだ!
「アート好きとか、詳しいとかではないんです。ある地元のアーティストさんに出会って、たくましく生きる姿に感銘を受けました。それが縁でアーティストさんを呼んでここでパフォーマンスをしてもらうことをはじめたのです」(清水さん)
道後温泉の湯も接客も気持ちいい
ゲストハウスにはめずらしく、道後温泉の湯も引いています。
公衆で裸になるのが苦手なひとも、貸し切れば温泉の湯を体験できるからうれしい。
番頭さんをはじめ、接客もハートフルで道後の湯あがりのようにとっても気持ちいい。
和と湯のおもてなしのザ・ジャパンな『旅館』のエッセンスを取り入れつつ、最前線のアート作品やユニークな番頭さんにであえる『どうごや』。
愉しみ方無限のこの空間で、湯のまちのスペシャルな夜をお過ごしください。
どうごや
住所/愛媛県松山市道後多幸町6-38
電話/089-934-0661
宿泊費/プランによって変わるため、下記HPを参照
駐車場/無料駐車場は無(周辺のコインパーキングを利用)
最寄り駅/伊予鉄道・道後温泉駅
JR道後温泉駅までのアクセスはコチラ
http://www.dougoya.com(日本語)
http://www.dougoya.com/en(English)
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
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この記事を取材したフォトライター
ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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