ビギナーも常連も観光客も大歓迎!仏生山発・大衆演劇の世界/大衆劇場 仏生山(香川県高松市)

香川県高松市にある仏生山町は、仏生山温泉仏生山天満屋サンドなどでも知られ、今静かに観光客が集う人気スポット。
その商店街にあるこちらの『大衆劇場 仏生山』。
今日は昼も夜も楽しめる、日本を感じられるエンターテイメントを満喫してきましたよ!

毎日違う演目が楽しめる!『大衆劇場 仏生山』

『大衆劇場 仏生山』は、月ごとに劇団が変わるシステムの、大衆演劇劇場。
なんと同じ劇団でも、その1ヵ月で毎日違う演目が観られるのだそう。
聞くと、公演後に毎日深夜まで練習をこなしているのだとか。役者さんたち、すごすぎます……!!

大衆演劇に触れる!

『大衆演劇』とは、一般大衆向けの庶民的な演劇のこと。
現在おおよそ200ほどの劇団が全国に存在しているのだとか。

今回訪れた月は、『森川竜馬劇団』の旗揚げ公演ということで、お祝いの花輪がたくさん!
こちらの劇場で旗揚げ公演が行われるのは、オープン以来初めてのことなのだそう。

一番乗りの仲良し4人組。
場内では軽食をとることが可能なので、入場時間と共に来場するお客さんが多くみられました。

どんどん集まってくるお客さん。
中には55年も大衆劇場に通いつめる強者や、今日で連続3日目というご近所の常連さんも。

月に一度の『劇場祭り』は大人気のイベント

今日は月に1回の『劇場祭り』。
入場料金がいつもよりお得なほか、粗品贈呈・ママ特製赤飯サービス・劇団による特別舞踊が楽しめるスペシャルデーでした。
粗品の石鹸と、ママ特製劇団メモ帳を手にこの笑顔! ママの温かさを感じる瞬間です。

劇場では、一緒に販売していたおでんも堪能。このお出汁がまた美味しいんだー!
毎日あるメニューではないので、このおでんに巡り合えたあなたはラッキーかも。

いよいよ大衆演劇が開幕!

常連さんの方たちとお話していると、あっという間に開演の合図。

第1部は舞踊ショー。
キリッとしたメイクがサマになっている役者さんたちが次々に登場!

あ!目が合った! こっち見たよねっ?!(勘違い)

座長の上手すぎる歌にうっとりしながら時間が過ぎていきます。

感情移入必須の芝居

軽く休憩を挟み始まったのは、第2部の芝居。
今日の演目は『喧嘩屋五郎兵衛(けんかやごろべえ)』。
顔半分に火傷跡を持つ五郎兵衛に持ち込まれた、実は人間違いだった縁談がきっかけで起こる悲劇です。
私もお客さんたちと一緒に鼻をすすらせもらい泣き。

後から聞いてびっくり。大衆演劇の稽古は、台本がない『口立て稽古』。
原作も存在しないため、その芝居を会得している役者が口で芝居を教えるのだとか。……かっこよすぎませんか?

そして実は今日の演目、話のオチはその劇団によりけり、というものなのだそう。
他にも違った解釈のものがあるのか、と思うと他の劇団の作品も観てみたくなりました。

華やかな歌謡ショー!

第3部は歌謡ショー。
演歌から最近のJ-POPまで、バリエーション豊かな曲と共に舞い踊ります。

女形の妖艶な舞いは、表情、仕草、すべてが驚くほど艶やか……!!
どの役者さんも唸ってしまうほどのべっぴんさんです。

座長もさっきまで勇ましい男役を演じていたとは思えぬほどの凜とした美しさ。

最後に三本締めをして3時間の公演が終了しました。はー、むっちゃ楽しい。

劇場の外では役者さんたちが笑顔でお出迎え。
公演後には握手や写真、世間話(?!)など、役者さんと接することができますよ。
う~ん、これはファンにはたまらないサービス。
お客さんの車まで見送る役者さんを見て、「そりゃファンになっちゃうわ~」と一人納得。
余談として、私は緊張して話しかけることができませんでした……無念。

役者から劇場運営に!ドラマチックな人生

ママの阪野さんは、もともと彼らと同じ舞台役者でした。
阪野さんは以前勤めていたお店で旅役者の男性と出会い、その縁でたまたま観に行った彼の舞台に衝撃を受けたそう。
それがきっかけで全国を周る彼と一緒に生きることを決めた阪野さんは、彼の劇団に入り、同じ『役者』という道を歩むことに。
その後その彼と結婚し退団後、縁があったこの地に劇場を作ったのだとか。

「きっかけは、この仏生山という町を活気づけるひとつになれればいいな、という思い。若い人や大衆演劇を観たことがない人にも、どんどん来てほしいですね。一度観たらきっとその魅力に引き込まれるはずです」と話してくれた阪野さん。
貴方の底知れない大衆演劇への愛、確かに(勝手に)受け取りました!

 

地元の常連から県外の遠征ファンはもちろん、海外からの観光客や大衆演劇ビギナーの方だってこぞって大歓迎の『大衆劇場 仏生山』。
さあ、今度の休日は大衆演劇の扉を開けてみませんか?


大衆劇場 仏生山
住所/香川県高松市仏生山町甲834-2
電話/087-889-5260
営業時間/昼の部 12:30~15:30(開場11:00)
     夜の部 18:00~20:45(開場17:00)
料金/大人 1,600円
   小人 800円(小学生のみ対象・小学生未満は無料)
   シルバー(65歳以上) 1,300円
   団体割引(10名様以上) 1,000円
   ※月一度の『劇場祭り』は1,000円
定休日/第3金曜日(変更あり)・月末
駐車場/有
http://user.j-connect.net/bussyozan
最寄り駅/高松琴平電気鉄道琴平線仏生山駅

瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実

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山田 芽実

香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。

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