ここが豊臣秀吉(羽柴秀吉)水攻めの舞台!/備中高松城(岡山県岡山市)

備中高松城と豊臣秀吉(羽柴秀吉)の水攻め

岡山県南部にある『備中高松城(びっちゅうたかまつじょう)』は、豊臣秀吉(羽柴秀吉)の水攻めで有名な城跡で、国の史跡に指定され、『続日本百名城』の一つにも数えられます。

戦国時代(1582年ごろ)、備中高松城は低湿地帯の中にあり、沼地が天然の堀となって行く手を阻み、鉄砲や騎馬戦法といった力攻めでは容易に破れない難攻不落の城でした。
そこで秀吉は軍師・黒田宮兵衛(くろだかんべえ)の献策を採用し、約3kmにおよぶ堤防を築いて城の周囲を水没させ、備中高松城は湖面の浮城となりました。
物資・食料の補給路を断たれた城主・清水宗治(しみず むねはる)は湖上に小舟を浮かべて自刃し、備中高松城は落城したのです。

現在の備中高松城は歴史公園として整備されていて、水攻め時の堤防の高さを示す表示板や、各武将の配置図などが設置されています。

公園の中央(旧二の丸)には資料館もあり、備中高松城の水攻めにまつわる資料を中心に、模型・パネル・古文書などが展示されています。

展示の中でも特に目を引くのが合戦時の様子を再現したジオラマ。秀吉傘下の武将たちは、いずれも歴史に名を残した豪傑ぞろいなのですが、そうそうたる顔ぶれで備中高松城を包囲していたことが分かります。

また、水攻めの真っ最中に秀吉の主君である織田信長が明智光秀に討たれる『本能寺の変』が起きたのですが、秀吉が毛利軍と和睦を結んだ際の駆け引きや、自ら切腹することで部下の命を救った城主・清水宗治のエピソードなどを紹介するビデオ映像も必見です。

資料館のやや北側には本丸跡があり、城主だった清水宗治の首塚や宗治自刃の碑が立てられているほか、湖面の浮城となった備中高松城を本陣から見下ろす豊臣秀吉を描いた絵図が設置されています。

本丸の周辺には沼地が復元されていて、花菖蒲や宗治蓮(むねはるはす)などの水生植物が茂ります。かつて備中高松城が低湿地帯の中にあったことを思い起こさせる景色が広がっているのです。

蛙が鼻に秀吉が築いた堤防の一部が現存!

備中高松城から南東へ約1km歩いた『蛙が鼻(かわずがはな)』には、秀吉が築いた堤防の一部が現存していて『高松城水攻め史跡公園・蛙が鼻築堤跡』として整備されています。

そして、現存する堤防の上に歩いて登れるのです!
歴史に名高い水攻めのために築造された、本物の遺構に自分の足跡を残せるなんて、歴史ファンでなくてもワクワクする体験ではないでしょうか?

高さ8m、上幅12m、ここ蛙が鼻から約3kmにわたって築かれたといわれる水攻めの堤防。
「歴史に名高い武将たちもここを歩いていたかも」と思うと感慨深いです。
今はほんの一部しか残っていませんが、実際に堤防の上から備中高松城の方角を眺めると、湖面に浮かぶ孤城をまざまざと思い描くことができます。

周辺の発掘調査も実施され、堤防の基底部の幅が約22~24mだったことが判明しており、築堤に際して崩れた土を止めるために使われた木杭や、土俵・むしろ等が見つかりました。

日本の戦国史上もっとも有名な合戦の舞台の一つ、備中高松城。
水攻めのために築かれた全長約3kmの堤防は、工事着工からわずか12日で完成し、おりしも梅雨の時期で川も増水していたことから、あっという間に200haもの人造湖が出現。備中高松城の周囲は水没して孤立、物資・食料の補給路も断たれてしまい、落城せざるを得ませんでした。

あなたも歴史に名高い合戦の舞台へ、足を運んでみませんか?


備中高松城
住所/岡山県岡山市北区高松558-2
電話/086-287-5554(高松城址公園資料館)
営業時間/24時間いつでも訪問可能(資料館は10:00~15:00)
定休日/月曜日、年末年始(高松城址公園資料館)
入園料・入館料/無料
駐車場/あり(無料)
https://okayama-kanko.net/sightseeing/sightseeing_area.php?id=24

高松城水攻め史跡公園・蛙が鼻築堤跡
住所/岡山県岡山市北区立田774-2
駐車場/あり(無料)
http://www.pref.okayama.jp/kyoiku/kodai/joukan-takamatu.html

最寄駅/JR備中高松駅から徒歩約10分
JR備中高松駅までのアクセスはコチラ

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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