今日やって来たのはこちら、香川県丸亀市にある『中津万象園(なかづばんしょうえん)・丸亀美術館』。
私が以前から訪れたいと思っていた場所の一つです。
池泉回遊式大名庭園『中津万象園・丸亀美術館』
『中津万象園』は、貞享5年(1688年)に丸亀京極藩二代目藩主である京極高豊公によって築庭された15,000坪の池泉回遊式大名庭園で、栗林公園とともに『香川の二大名園』と称される大名公園。
元々は海辺の防風林を生かした茶亭を中心とする庭であったと考えられ、藩主代々愛されてきた庭園でしたが、明治維新以降に荒廃した後、地元の企業の手により修復され今の状態になったのだとか。
さあ、早速中に入ってみましょう。
平日の早朝ということもあり園内は静かで人気も少なく、まるで独り占めしているかのよう。
綺麗に整備された歩道が歩きやすいし、空気も澄んでいて気持ちがいいなあ。
たくさんの花や植物が植えられている中津万象園。
この日は可愛らしい紅白の梅や椿、山茶花が出迎えてくれ、肌寒いながらもほっこりした気持ちに。
こういった季節を感じることができるのも庭園散策の魅力ですよね。
万象園の顔『邀月橋』を眺める
朱塗りの太鼓橋『邀月橋(ようげつばし)』は園内の顔。
この名前には「月を迎える」という意味があり、中秋の名月にはこの橋の上から鶺鴒渓(せきれいけい)上方に浮かぶ見事な月を見ることができるそう。
緑に囲まれた朱色が、燃えるようで美しい……
橋の上から西を臨むと見える、池に浮かんだ八つの島々。これは京極家の故郷である近江の近江八景を模して造られたものなのだとか。
先述したように、万象園はその中心に八景池を置き、そこの浮かぶ島々を橋で結ぶことで周遊できる、という池泉回遊式の庭園。
島に立ち周りを取り囲む池や景色を眺めるのが楽しくて、ついつい時間を忘れてしまいそうになりました。
名松百選!『千代の傘松』
こちらは、実は私が今回一番楽しみにしていた『千代の傘松』。
樹齢600年・直径15mにわたって大きく傘を広げたような形をしているこの松は、なんと300年の年月をかけ傘型に仕立てたもの。
傘松を下から見ると……なるほど、放射線状に伸びた木の支えによってこの形を保っているのか!
上から見た傘松も素敵なのですが、苔むしたこの空間もまたなんとも趣があって魅力的。
枝葉の刈り込みには、なんと年間30人もの庭師を要するのだとか。
う~ん、見に来れてよかった!
傘松のすぐそばには、商売繁盛の神様として厚い信仰を集めている京都伏見稲荷の分社が。
昨年32基の鳥居が増えたそうで、フォトジェニックなスポットとして人気を博しているというのも納得。
日曜日には、『母屋(茶室)』でお抹茶を楽しむこともできますよ。
お土産でも一番の人気商品だという、梅が丸ごと入ったお饅頭もこちらで味わえるのだそう。
傘松を眺めながらいただくお抹茶はどんな味がするのでしょうか。
日本最古の煎茶室『観潮楼』
池のほとりにひっそり佇む『観潮楼(かんちょうろう)』は、現存する中で日本最古の煎茶室。
江戸時代に建てられた茶室で、室内からの眺望をよくするために高床建築とし、名前の通りここから潮の満ち干きを見ることのできる茶室だったのだとか。
室内は見学することができませんが、実際に煎茶席として使用されまた様々な詩も詠まれたのだという時代に思いを馳せてみます。
願い事が叶う?!『石投げ地蔵尊』
こちらの『石投げ地蔵尊』には十種の福徳があるそうで、なんでもその昔は霊験あらたかな地蔵菩薩として漁師・農民・商人等の信仰を集めていたという話。
白い石に願いを書いて投げ入れ礼拝すれば、その願いは叶うのだとか。
こういう楽しみ方も園内でできるとは!
実際願い事が叶ったという報告も多々あるそうで、私も例に漏れず「ムンムン」とお祈り。
願い事、叶いますように。
歩き疲れた足を休めるのなら、休憩ラウンジ『中津会所 海望亭(かいぼうてい)』で。
美しい庭園風景や穏やかな瀬戸内海を眺めながら、しばしリラックス。
ラウンジ内では現代美術家・川島猛の『ドリームランド』の展示や、常設されている書籍コーナーもあり、居心地の良いスペースとなっています。
この他にも、敷地内にはフランス・バルビゾン派の絵画を堪能できる『丸亀美術館』や、イラン・イラクを中心としたペルシア陶器を展示している『陶器館』など、美術鑑賞好きには堪らない施設がたくさん。
今回園内を2周し、初めての中津万象園を思う存分満喫した私。園内の広さもちょうど良く、ゆっくり散策するにはぴったりの場所だなと感じました。
今度は違う季節に訪れて、また違った景色に出会いに来ようかな。
中津万象園・丸亀美術館
住所/香川県丸亀市中津町25-1
電話/0877-23-6326
営業時間/9:30~17:00(最終受付16:30)
入園料/庭園+陶器館+うちわの里 大人700円・小中生300円
絵画館常設展 大人500円・小中生200円
※絵画館特別展開催時は別途料金
定休日/水曜日
駐車場/有(バス30台・乗用車100台)
http://www.bansyouen.com
最寄り駅/JR四国予讃線讃岐塩谷駅
JR讃岐塩谷駅までのアクセスはコチラ
瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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