古くより陸と海から来た人が行き交い、いまも素敵なお店がたくさんある岡山の京橋エリア。30年続く京橋朝市が毎月開かれる川ぞいの、すぐ目の前にそのお店はあります。
自然、まるごと手づくり。
AOBAでは、新鮮な果物や野菜をまるごと使ったかわいいアイスを食べることができます。季節ごとに、完熟したいちご、食べたことがない甘さの金柑など。こだわりの地域食材とブレンドされたアイスは、香りが口いっぱいにひろがり、自然な甘さとゴロゴロ果肉感が癖になる一品です。
明るく、一見今どきの店内。
よく見ると、カウンターの下にはトタン屋根に使われる波板…?
入口は土の壁、真鍮の蛇口。なんだかおばあちゃん家に来たのような懐かしい気持ちになります。
土がついたままの野菜を洗えるように、お店の奥には流し場が設えてあります。そのまますぐに加工や試作調理を行うんだとか。
なんだか、アイス屋さんにしてはちょっと不思議な雰囲気ですよね。
『畑でとれるアイスのお店』ってどういうことなんでしょうか?
青葉からアイスになるまでのストーリー
「お店で扱う果物や野菜は、生産者さんの元へ訪れ、ていねいに取材をして仕入れをします。農家さんの代わりにお客さまへ食材のことをお伝えする仕事なので、食べる側の目線からできるだけたくさんお話を伺うようにしています!」と、店長の伊藤さん。
「本当は、毎日メニューを変えたいんです。夏だけでなく1年間通して、お天気や季節、お客さまの体調に合わせて『今いちばん美味しいアイス』をご提案できるお店にしていきたいです」
干拓地だから土のミネラルが豊富でトマトが甘い。金柑の皮にたくさん含まれるヘスペリジンは冷え性に良い。そんなお話を聞きながら食べるとより美味しく感じてきました。
いちごのアイスを注文してみました。
お客さんの目の前で一つひとつ丁寧に手づくりしてくれるAOBA。冷凍いちごをまるごとアイスに混ぜ合わせ、きれいにかたちを整えて、さらに!最後に冷凍いちごを削りかけて可愛く仕上げてくれます。手が込んでいて、見ていても楽しい!
このアイスのブレンダーも特別で、耕運機のモーターを使用しているから、カチカチに冷凍した食材も粉砕しながらアイスに混ぜることができるというシロモノなんです。
もちろんアイスだけじゃなく、あったかいスープやラテ、ピクルス、軽食などもあり、いろんな生産者さんの露地野菜や無農薬野菜をふんだんに使っているそう。
メニューの決まりは、とってもシンプル。その日ある食材をなるべく余すことなく使い、無くなったら次のメニュー。この日は安納芋をつかった優しい甘みのスープで、ホッと心温まりました。
また、不定期で夜営業『AOBAR』(AOBAのBAR)をやっていて、そこでも旬のメニューを味わえるイベントをしています。生産者さんが月替わりで一晩だけマスターになって一緒に飲めるなんて嬉しい。
アイスを食べる『時間』
お店だけでなく京橋や旭川の川ぞいでの時間をもっと愉しんでもらうために、季節に合わせて、お花見パック、ヨガマットの貸し出しや水上アクティビティなどの連携サービスを行っていく予定なんだとか。
瀬戸内の島を結ぶ船『京橋クルーズ』の就航など、何かと話題の京橋エリア。今後の展開が楽しみですね。
畑でとれたおいしい食材も、おいしい理由も、まるごとアイスに。
まさに『土の上から、スプーンの上まで』食べる人に届けてくれます。
アイスを食べる『時間』そのものを買いに行きたくなるような、ちょっと幸せになれるような、そんなお店です。
畑でとれるアイスのお店 AOBA
住所/岡山県岡山市北区内山下1丁目15-10
電話/086-206-4740
営業時間/2019.10.1以降
月火水木 12:00~17:00
金 18:00~22:00
土日祝 12:00~18:00
https://www.aoba-ice.jp
Instagram @aoba.ice
瀬戸内Finderフォトライター 乙倉 慎司/hiroe
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この記事を取材したフォトライター
乙倉 慎司/hiroe
乙倉慎司 岡山に18年、山口に6年暮らし、現在は広島の離島に仮移住中。建築・デザインの仕事をしています。日々、点々と移ろいながら、そこで見つけた素敵なひと・こと・ものを皆さんと共有していきたいです。 hiroe 福岡で環境分析研究員として働いた後、ロンドンへ留学。ヨーロッパを旅した後に住み着いたのは、瀬戸内海の美しい自然に囲まれた大崎上島でした。 気の向くままに島から島を渡り歩き、新参者ならではの視点で、瀬戸内特有の暮らし、文化、景色を伝えます。
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