明石海峡大橋の絶景も!淡路島の最北端近くに立つ歴史的灯台/江埼灯台(兵庫県淡路市)

淡路島の最北端近くに立つ『江埼灯台』

兵庫県明石市と淡路島の間に横たわり、大阪湾と播磨灘をつなぐ『明石海峡』。
1日に1,400隻もの船舶が行き交う海上交通の大動脈ですが、潮流の速さから古来より海の難所として知られてきました。

この明石海峡の安全を守るために明治初期に建造された日本最古級の洋式灯台が、今もほぼ同じ姿のまま現存していると聞き、灯台ファンのフォトライター松岡はいても立ってもいられず、さっそく訪ねてみることに。
今回の目的地は、淡路島の最北端近くに立つ『江埼(えさき)灯台』です!

明石海峡大橋を望む淡路島北部の県道沿いに『緑の道しるべ 江崎公園』があり、サイクリストやドライバーの休憩スポットとなっています。
ちなみに上の写真は灯台を模したオブジェで、江埼灯台ではありません! 念のため……
この灯台オブジェの近くに登り階段があり、そこを上がっていくと本物の江埼灯台に出会えます。

これが江埼灯台へ通じる約200段の石階段……
灯台は海抜約40mの高台に立っていますので、そこまで一気に登ることになります。

江埼灯台は日本最古級の洋式灯台!

階段を登りきると、江埼灯台がドーンと鎮座しています!
灯台のてっぺんにある風見鶏と方位板もユニークなデザインですね。

江埼灯台は、江戸時代末期に兵庫(神戸)開港に伴う外国船の安全航行を確保するため、徳川幕府がイギリスと締結した大坂条約に基づき建設された5つの灯台の一つで、歴史的に大変貴重なもの。
『日本の灯台の父』と呼ばれるイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により、明治4年(1871年)に完成・初点灯。海上保安庁が選定した『Aランクの保存灯台』の一つで、経産省の『近代化産業遺産』にも認定されています。

江埼灯台は参観灯台(内部が常時一般公開されている灯台)ではありませんが、毎年11月1日の灯台記念日前後に一般公開が行われます。
それ以外は敷地外から外観のみ見学できるのですが、柵の外側を海に向かって歩いていくと灯台の正面へまわり込めます。

明石海峡を見下ろす高台に鎮座する江埼灯台は、なかなか重量感のあるフォルム。
高さ約8mの石造りの灯台で、灯火標高(海面から灯火までの高さ)は48.5m。ここから約34km先の海上まで光が到達するそうです。

江埼灯台は明石海峡大橋と夕陽の展望地!

灯台前から眺める明石海峡はなかなかの絶景!
全長3,911mにおよぶ世界最長の吊り橋『明石海峡大橋』の展望もバッチリで、しばらく見ていると本当に多くの船舶がひっきりなしに橋の下を通過していきます。

また、江埼灯台は年間を通して播磨灘に沈む夕陽を見られる隠れた夕陽スポットでもあります。
この日は霞んでいますが、播磨灘に浮かぶ家島諸島や小豆島も展望できます。ちなみに、江埼灯台は家島産の御影石を使用して建造されたのだとか。

日没後しばらくすると、灯台に光が灯りました!
対岸に見える明石市街の夜景もキレイですし、江埼灯台は夕刻に訪問するのもオススメ。

江埼灯台が播磨灘や明石海峡を見下ろす淡路島北部の高台に築かれてから約150年。
現在も建造当時とほぼ変わらぬ姿で、明石海峡周辺を航行する船舶の安全を見守り続けています。

瀬戸内にある灯台スポットまとめ

>旧野﨑浜灯明台(岡山県):江戸時代の豪商が建てた木造灯台。1863年(文久3年)初点灯。

>御手洗・高灯籠(広島県):江戸時代に建造された大防波堤(千砂子波止)にあった石造りの灯台。1832年(天保3年)初点灯。
>大崎上島・中ノ鼻灯台(広島県):大崎上島の南東に突き出た中ノ鼻に立つ灯台。1894年(明治27年)初点灯。
>大浜埼灯台(広島県):しまなみ海道・因島大橋のたもとにある灯台。1894年(明治27年)初点灯。
>高根島灯台(広島県):『日本の灯台50選』に選定。しまなみ海道・生口島から橋を渡って行ける灯台。1894年(明治27年)初点灯。

>六連島灯台(山口県):江埼灯台と同じく大坂条約に基づき建設された5つの灯台の一つ。1872年(明治4年)初点灯。
>角島灯台(山口県):『日本の灯台50選』に選定。日本に2基しかない総御影石造り・無塗装の洋式灯台。1876年(明治9年)初点灯。
>特牛灯台(山口県):本州最西端近くにあり、瀬戸内海最北端の灯台。1912年(明治45年)初点灯。
>長門川尻岬灯台(山口県):山口県の北西に突き出した川尻岬の断崖に立つ灯台。1929年(昭和4年)初点灯。

>蒲生田岬灯台(徳島県):四国最東端に立つ灯台。1924年(大正13年)初点灯。

>男木島灯台(香川県):『日本の灯台50選』に選定。日本に2基しかない総御影石造り・無塗装の洋式灯台。1895年(明治28年)初点灯。
>小豆島・地蔵崎灯台(香川県):小豆島の最南端に立つ灯台。1951年(昭和26年)初点灯。
>引田鼻灯台(香川県):瀬戸内海を見下ろす引田城跡に立つ灯台。1954年(昭和29年)初点灯。
>女木島灯台(香川県):女木島(鬼ヶ島)の最南端に立つ灯台。1956年(昭和31年)初点灯。
>讃岐三崎灯台(香川県):瀬戸内海に突き出た荘内半島の先端に立つ灯台。1959年(昭和34年)初点灯。
>サンポート高松・赤灯台(香川県):世界初のガラスの灯台。1998年(平成10年)初点灯。

>佐田岬灯台(愛媛県):『日本の灯台50選』に選定。四国最西端の秘境に立つ灯台。1918年(大正7年)初点灯。


江埼灯台
住所/兵庫県淡路市野島江崎17
電話/0799-72-3420(淡路島観光協会・岩屋観光案内所)
駐車場/あり(無料)
https://www.awajishima-kanko.jp/manual/detail.php?bid=350

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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