“うどん県”だけじゃない! 3年おきに『瀬戸内国際芸術祭』が、さらに今年(2019年)は初めて『SETOUCHI ART BOOK FAIR』が開催されるなど、“アート県”として確実に存在感を増しつつある香川県。国内はもとより世界が熱視線を送るこの香川県高松市で、インディペンデントな個性派本屋さんをたくさん見つけました。
#1秘密基地のようなブックカフェ『solow(ソロー)』
瀬戸内国際芸術祭2019の公式カメラマンも務める写真家・宮脇慎太郎さんが東京からUターンしてオープンしたのがブックカフェ『solow(ソロー)』。アートブックやサブカル系の古書約3,000冊が天井までぎっしり並べられています。
宮脇さんが「絶対置きたかった」という高いハシゴはお店のシンボル的存在。飾りではなく、お客さんも実際によく使われるそう。
営業は夕方から。カフェもありタイ珈琲やチャイ、ハーブティーなどがいただけます。フードは置いていないのでのですが、パンやドーナツなど軽食なら持ち込みも可能だとか。
最近は宮脇さんの作品や瀬戸内国際芸術祭での活動を見て訪れるアジア圏からの観光客も増えているとのこと。また土地柄お遍路さんがふらりと立ち寄って、ソファで仮眠をとることもあるとか。この独特な雰囲気が醸す自由な感じがきっと居心地いいんですね!
写真のツートンカラーの建物は宮脇さんの奥様の絵画教室として使用されており、右横にあるガレージの奥に『solow』の入口があります。ちょっと奥まった感じが秘密基地みたいで冒険心くすぐられちゃいますね。
solow(ソロー)
住所/香川県高松市太田上町1036
電話/080-3927-4136
bookcafesolow@yahoo.co.jp
営業時間/平日夕方〜22:00くらいまで。
定休日/土日祝(+不定休)
※OPEN情報はTwitterもしくはFacebookでアナウンスします。来店前になるべくご確認・ご連絡ください。
#2 多ジャンルの新刊が揃う『本屋ルヌガンガ』
大きな通りや賑やかな商店街から少し外れた路地裏にある『本屋ルヌガンガ』。香川県はインディペンデント系=独立系といわれる個人が営む本屋さんが本当に多い街なのですが、そのほとんどを古本屋が占めるなか『本屋ルヌガンガ』は新刊をメインに扱う希少な本屋さんです。
取材に訪れたのは夕暮れ時。それでも一人またひとりとお客さんが途切れなく訪れます。店主の中村勇亮さんによると、お客さんの層が老若男女とにかく幅広いのだとか。同じ通りには若者や海外旅行者に人気のゲストハウスもあり、高松を訪れた旅行客がふらっと訪れることも多いようです。
奥行きのある空間の突き当たりには、本屋さんとしては珍しい階段状のスペースがあります。ここはちょっとした休憩スペースとしてはもちろん、トークイベントなど催しの際には客席としても利用されるそう。本屋の中にこんなスペースがあるだけでワクワクしますね。
店内奥にはドリンクを注文できるカウンターも発見。コーヒーやビールをいただきながら、買ったばかりの本をゆっくり読むなんてことも可能。旅の途中の情報収集にもぴったりです。
本屋ルヌガンガ
住所/香川県高松市亀井町11-13 中村第二ビル1F
電話/087-837-4646
営業時間/10:00〜19:00
定休日/火曜日
https://www.lunuganga-books.com
#3 一人でふらっと立ち寄れる古本屋『YOMS(ヨムス)』
『本屋ルヌガンガ』と同じ通りにもう1軒、『YOMS(ヨムス)』という本屋さんがあります。こちらは映画、民俗学、サブカル関連などの古書を中心に扱う古本屋さん。夜21時まで営業しているので、仕事帰りらしきサラリーマンの姿もちらほら。
地方を旅行していて、夜遅くまで開いている街の本屋さんを見つけると得した気分になりませんか? 店内でコーヒーやチャイ、ビールなどドリンクも注文できます。注文したドリンクはこんな風に1人ずつで区切ってあるスペースで本を読みながらいただけます。ほどよくプライバシーを確保できるので、一人旅にはもってこいかも。
コンパクトな空間に天井まで本がぎっしり。棚はほとんど夫婦でDIYしたそう。右も左も本、本、本! 本好きにはたまらない空間です。
店主の斎藤祐平さんが力を入れて収集しているZINE(ジン=個人が自由なテーマで発行する少量部数の雑誌)やリトルプレスの棚も充実。ここでしか出会えない1冊を旅の思い出に手に取ってみてはいかがでしょう?
YOMS(ヨムス)
住所/香川県高松市田町1-7
電話/090-1850-9482
営業時間/12:00~21:00
定休日/火曜日
http://caccokari.blogspot.com
#4 完全予約制の古本屋『なタ書』
栗林公園からも近い琴電瓦町駅西口から歩くこと4分。『菊池寛通り』の一つ隣の路地にある、完全予約制の古本屋『なタ書』。退廃的な雰囲気を漂わせつつ、「何かおもしろそうだ」と思わずにはいられない不思議な佇まいは相変わらず。
取材したのは1年前。あれから店内をリニューアルしたと聞き再び訪れてみると…なんと空中に「流れる本棚」が出現していました。天井付近で美しい曲線を描く本棚は、店主・藤井佳之さんの友人である舞台美術家が作ってくれたそう。藤井さん曰く「本屋業界としては初の試み」だとか。
予約制というと敷居が高いイメージですが、そんなことは全然なく予約さえすれば深夜でも自分のためだけに店を開けてもらえるという特別感がなタ書の魅力の一つです。
この記事でも書いた通り、ユニークなキャラクターでファンの多い藤井さん。最近は海外からのお問い合わせが急増中で、特に台湾からのお客さんが激増しているとか。今後はますますグローバルな活動が増えていきそうな予感!?
>予約制の本屋!?シュールでアートで居心地のいい小さな書店『なタ書』/香川県高松市
#5 海辺の倉庫街にあるアートな本屋『BOOK MARÜTE(マルテ)』
JR高松駅から海沿いを徒歩10分、おしゃれスポットとして県内外から注目される海辺の倉庫街『北浜アリー』の中にブックカフェ『BOOK MARÜTE(マルテ)』はあります。敷地内には『BOOK MARÜTE』以外にも雑貨やカフェなど素敵なお店が集まっています。
店主の小笠原哲也さんは、冒頭でもご紹介した瀬戸内アートブックフェアを始め、数々のブックフェアを主宰する人物。海外との接点も多く、店内にはグローバルなアートブックや写真集、センスのいい古道具が並びます。
店の奥にはカフェスタンドもあり、ここでコーヒーなどを飲みながら、お客さんどうし、時にはスタッフと、ひと時の団欒が楽しめます。ここでしか出合えない本、ここでだから出合えた人、そんなふうにつながっていく場所が本屋さんなのだと改めて気づかせてくれる場所です。
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
Hashtags
旬のキーワード