日本初で最古の海員養成学校『粟島海洋記念館』、『漂流郵便局』に、海ほたる。
瀬戸内海に浮かぶ『粟島(あわしま)』は、なんだかノスタルジックでずっと興味をそそられていた島のひとつ。
今回はそんな粟島へ念願のショートトリップ。
レトロでフォトジェニック『粟島』
三豊市の須田港から約15分ほど船に降られると、見えてきました粟島!
港ののんびりした風景と、粟島海洋記念館の淡いブルーがお出迎え。
一棟貸しゲストハウス『Art Canvas Awashima』
今日お邪魔するのは、粟島にできたばかりのアートなゲストハウス『Art Canvas Awashima』。
古民家をリノベーションした、一棟貸しの宿泊施設です。
今回宿の前で出迎えてくれたのは、オーナーである寺下さん(写真左)と矢野さん(写真右)のお二人。
早速ですが、この蟻の壁画はとてもインパクトがありますね!
「これはアーティストの小川貴一郎さんの作品です。ここを目印に来てもらえればわかりやすいでしょう?」
確かに、歩いていてすぐに目に入ってくる最高の目印……早速アートを感じます。
入り口に立つと、そこかしこで仄かに照る暖色の照明。
見上げると、ドライフラワーで飾られた玄関までの通り道。
早速素敵すぎて悶える……!
玄関前には、BBQなどが楽しめる気持ちがいいデッキスペース。
う〜ん、ヨガやのんびりティータイム、いやいやピクニック気分で朝ごはんもいいな……使い方を想像するだけでこんなにワクワクしてきました。
古民家をリノベーションしたアートなゲストハウス
室内に入ると広がる、なんとも趣のある空間。
一つひとつこだわって選ばれたのであろう照明や小物たちが部屋を彩っています。
そこかしこに散りばめられた小物の色や素材のチョイスによって古民家がより魅力的に見えるのは、さながらマジックのよう。
どこを見ても素敵すぎて、すべてを堪能するべく室内をくまなく探険する私。
まるで泊まれる美術館!
よく見ると、あちこちの壁やガラス戸などにもアートの香り。
「このゲストハウスの名前『Art Canvas Awashima』の通り、この古民家をキャンバスに見立てて、アーティストの方に作品を描いてもらっています。今年泊まりに来たお客さんも、来年来たらまた違う空間になっていると思いますよ」
現在観ることができるのは、先述した小川貴一郎氏を筆頭に、佐々木類氏、マユール・ワイェダ氏、INGRID氏や大小島真木氏など、今まで粟島にご縁があったアーティストによる作品たち。
ジャンルやスタイルも違う作品であるのに、どれも互いを邪魔することなく存在しているのがまた不思議なんです。
しかしなぜ古民家、しかも粟島だったのでしょうか?
「日本では、スクラップアンドビルドが主流ですよね。しかしそれでは、風情や古き良き街並みがなくなっていく。逆にヨーロッパなんかでは、古い建築物を残すことで、その土地ならではの雰囲気や空気感が守られています。僕たちがやりたいことは、そのように古い家に新たな役割や価値を与え、雰囲気を残したまま再生させることなんです。また、粟島は僕の母親の故郷。そのことから、粟島を元気にしたい、何か役に立ちたいという気持ちがあったのが大きいですね」と話してくれた矢野さん。
高齢化社会や地方の人口減少により年々増え続ける空き家は、今や日本の大きな社会問題。それはこの瀬戸内海に浮かぶ粟島でも同じこと。
このように生まれ変わることで、新しい役目を得ると同時に、多くの人に古い良いものと付き合っていく方法を教えてくれる、とても有意義で価値あるものになっているのだな、と感じました。
日が差し込むキッチンは、綺麗にまとめられ使い勝手も良さそう。
一棟貸しなので、誰にも邪魔されず思いのままこの空間を楽しめるのも嬉しいですよね。
こんな素敵な宿で自炊しながら滞在したら、気分はすっかり島の住人かも。
二階に上がると……わ!ハンモックがある寝室です。
こちらもアーティストの作品や、畳の下にあった古い新聞紙をあしらったテーブルなどにより、楽しんでくつろげるスペースが展開されています。
「粟島を含め、父母ヶ浜(リンク)や三豊の様々なスポットが一つの観光地として繋がるようになれば。それが三豊だけじゃなく、香川全体に広がれば素敵ですよね」
そう笑顔で話すお二人を見て、ますます三豊のファンになった私でした。
アートなレンタカーも予約可能!
写真:オーナーである寺下さん(写真左)・喜田さん(写真真ん中)・矢野さん(写真右)は三豊の仲良し三人組
このどこにいても目立つ個性的な車は、アーティスト・INGRID氏がペイントしたもので、宿泊時にレンタルが可能。
こちらの宿のオーナーもお気に入りの車で粟島ドライブはいかが?
きっと何度訪れても、毎回違った顔を見せてくれるであろうゲストハウス『Art Canvas Awashima』。
「古いものをいかに守り伝えていくか」ということも、改めて考えさせられた一日でした。
こんな表情豊かなアートキャンバスに生まれ変わった粟島の宿で、きっと忘れられない時間を過ごしてみませんか?
Art Canvas Awashima
住所/香川県三豊市詫間町粟島1430-7
電話/080-7201-8369(10:00~18:00)
フェリー運賃/須田港ー粟島港間 大人330円・小人170円
始発便(須田港〜粟島港)6:20 ・最終便(粟島港〜須田港)19:30
https://ac-awashima.wixsite.com/website
瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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