鼻の奥まで広がる甘い香り。赤い姿が目の端にも入らないうちから、先っぽの尖ったところを口に入れたときの幸せを脳が先走って想像し始めてしまうその香り。
いちごの香りです。
淡路島で出会った空飛ぶいちごとは
いちごハウスでいちご狩りをすると、早めの春を感じられてうきうきしますよね。でも、グリナリウム淡路島で農家さんが始めたのは、いわゆる普通の“いちご狩り”という言葉では括れない『いちごピクニック』。
いちごピクニックとは、いちごハウスで、いちごの香りに全身包まれながら、文字通りピクニックをすることです。ここでは、いちごが目の高さより上を浮遊しながら育っています。
だから、ハウスの地面にレジャーシートを広げていちごを見上げることができるのです。
ミニチェアーに腰掛けて、青空のもとで輝く宝石のようないちごを愛でることもできるのです。
もぎたてのいちごをクリームたっぷりのパリ・ブレスト(リングシュー)にトッピングしていただくことだってできるのです。
白い花びらがひらひらと舞うなか、いちごのお花見だってできるのです。
あなたの抑えがたい“いちご欲”もきっと満足してくれるはず。
写真を撮影したのはいちごがようやく色づき始めた頃ですが、春に向けてハウス内はどんどんいちごの芳香で満たされていきます。
もうあなたの脳は淡路島のいちごを口に入れる瞬間を想像し始めていますね。いいですよ、この記事を読み終える前にいちごピクニック券の予約をしちゃっても。
トマト農家らしさの光るレストラン
グリナリウム淡路島は淡路島北部の山あいにあります。運営する『淡路の島菜園』の大森社長は12年前から淡路島でトマトを作る農家さん。
いちごじゃなくてトマト? ええ、トマト。
栽培農家としてデータ収集と科学的検証を繰り返して育て上げる15品種を超える熟れたトマトは、色や形がまちまちでとにかくかわいい。おいしさはもちろん折り紙つきです。いちごより甘いトマトだって、「余裕で」作れる技術があるんだそう。
ハウス内を見て回って、完熟トマトの収穫を体験できるプランもあります。ミニトマトをたくさん串に刺したトマト串も作れます。『おかめ』だったり『ひょっこり』だったり、トマトに付けられた愛嬌たっぷりの品種名にも注目です。
その新鮮なトマトを使ったお料理やいちごスイーツが味わえるレストラン&カフェがこちら。風車が回る雄大なパノラマが目の前に広がる淡路島の特等席で、農家さんが「この時期にこの品種をこんなふうに食べてほしい」と全力で勧めるメニューをいただけるんです。
かつての醤油蔵をいちごカフェに
大森社長(写真右)率いる島菜園チームは、農家発信で10年先も20年先も価値があるものを追求しています。5年前にいちご栽培を始めたのも、いちごという作物には大きなのびしろがあると考えてのことでした。
いちごピクニックの次に島菜園が仕掛けるのは『グリナリウム グレイナリー』。淡路島東岸の浦県民サンビーチ近くで100年以上続いた醤油製造工場の木造蔵を活用した新店舗で、トマトといちごの直売所といちごカフェを併設した店舗としてオープンしました。
レストラン&カフェでは「農家だからこそ」のバリエーション豊かなトマトメニューが大人気。
とまと串、とまとピクニックセット、7種の島とまとのカプレーゼ、淡路島魚介ととまとのアヒージョなどなど、ここでしか出会えないトマト料理が満載です。
淡路牛のステーキやハンバーグ、パスタ、カレー、見栄え抜群な島パフェ(ティラミスver.も!)などもありますよ。
夏にはBBQも楽しめます。
栽培農家だからこその「さすが!」の味に期待が膨らみますね。
GREENARIUM awajishima グリナリウム淡路島
住所/兵庫県淡路市野島常盤1550-10
電話/0799-70-5116(レストラン&カフェ専用)
駐車場/100台
https://www.greenarium.jp
瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか
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この記事を取材したフォトライター
堀 まどか
堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328
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