日本ジオパークに認定!六角形の柱状節理が見事な川床と淵/畳ヶ淵・龍が通った道(山口県萩市)

火山活動で形成された萩ジオパークと畳ヶ淵

『萩ジオパーク』をご存じですか? 『ジオパーク』とは地球(ジオ)を学び、楽しむことができる場所のことです。
山口県北部は約1億年前~約1万年前の活発な火山活動によって形成された大地で、そのダイナミックな地形を体感できるスポットを『萩ジオパーク』として整備しており、全国に44地域(2019年現在)ある『日本ジオパーク』の一つにも認定されています。

『畳ヶ淵(たたみがふち)』は、『萩ジオパーク』の見所(ジオサイト)の一つ。
約40万年前に付近の伊良尾山(いらおやま)が噴火し、溶岩流が河川に沿って流れ下った際にできたユニークな地形が見られます。

駐車場から歩いて5分ほど石段を下りていくと河原に出ます。その河床は六角形の石が敷き詰められたような不思議な空間となっています。

また、川岸には柱状節理(ちゅうじょうせつり)の断崖がそびえ立ちます。
柱状節理とは、岩体に入った柱状の割れ目のことで、火山の噴火で流れ出た溶岩が冷えて固まるときに形成されたもの。

河原をびっしりと覆うように規則正しく並ぶ六角形の岩石は、まるで亀の甲羅のよう。
これらは柱状節理が長い年月をかけて、水流によって削られたものです。

さらに下流に歩いていくと高さ2~3mほどの段差があり、小さな滝が流れ落ちています。
ここが『畳ヶ淵』で、柱状節理の壁に囲まれたエメラルドグリーンの大きな淵は、息を呑むような美しさ!

畳ヶ淵は水流によって溶岩が削られる最前線の場所で、実はこの滝は徐々に後退しています。

川の反対側の岸壁にも柱状節理が続いていて、小さな祠(ほこら)が安置されています。

河川の両岸にそそり立つ柱状節理の絶壁も、畳ヶ淵の見所の一つです。

亀甲状の石畳は上下流に2kmほど続いていますので、時間があれば上流の方も散策してみてください。
六角形の敷石の間を清流が流れ下り、他では見られない独特の河原の景色が広がります。夏には渓流釣りも楽しめますよ。


畳ヶ淵(たたみがふち)
住所/山口県萩市弥富下
電話/0838-21-7765 (萩ジオパーク推進課)
駐車場/あり(無料)
http://hagishi.com/search/detail.php?d=1100201

溶岩が流れたルート『龍が通った道』をたどる!

伊良尾山が噴火し、溶岩流が河川に沿って流れた際のルートが龍の形に似ていることから、畳ヶ淵を含む流域は『龍が通った道』と名付けられ、見学コースが整備されています。

『猿屋の瀧(さるやのたき)』は、畳ヶ淵から下流に2.5kmほど進んだ地点にある柱状節理の断崖。
約300mにわたって柱状節理が表出していて、見応えがあります。


猿屋の滝(さるやのたき)
住所/山口県萩市鈴野川2119
電話/0838-21-7765 (萩ジオパーク推進課)
駐車場/あり(無料)
http://www.city.hagi.lg.jp/soshiki/12/h9704.html

『龍鱗郷(りゅうりんきょう)』は、猿屋の瀧からさらに下流に約2.5km進んだ地点にある大規模な柱状節理。
農道工事の際に偶然発見され、山口県の天然記念物に指定されています。

これほど大規模に柱状節理の地層が露出しているケースは全国的にも珍しく、全体を見下ろせる位置に展望台が設けられています。


龍鱗郷(りゅうりんきょう)
住所/山口県萩市上小川東分
電話/0838-21-7765 (萩ジオパーク推進課)
駐車場/あり(無料)
http://hagishi.com/search/detail.php?d=1100254

萩ジオパークのジオサイト巡りの旅も!

『萩ジオパーク』は日本海沿岸部を中心に見所が豊富にあるので、ジオサイト巡りの旅もオススメ!

須佐ホルンフェルス』は山口県北東部にある絶景スポットで、白・黒のストライプ模様が入った断崖絶壁は必見!
白い部分は砂、黒い部分は泥が固まった層で、ここに高温のマグマが流れ込んで、その熱作用により変成岩の崖となりました。

萩市街の北東部にある『笠山』は標高112mの火山で『東洋最小の火山』といわれることも。
ダイナミックな噴火口に入れるほか、山頂展望台からは大島・相島など『萩六島』と呼ばれる平らな島々が望めます。安山岩でできた小さな溶岩台地が海に浮かぶ光景は世界でもここでしか見られません。

また、萩市街の中心部にある『萩・明倫学舎』の本館2階には『ジオパークビジターセンター』が設けられていて、『萩ジオパーク』について詳しく解説しています。萩エリアの地形が誕生したメカニズムを学べるので、現地へ行く前に萩・明倫学舎で予習するのもオススメ。

以上でご紹介したように、『畳ヶ淵』を含む山口県北部に広がるダイナミックな景色は、太古の火山活動によって形成された、まさに地球(ジオ)の鼓動を体感できる場所!
溶岩流の形跡を追える『龍が通った道』をたどったり、『萩ジオパーク』のジオサイト巡りの旅をするのもオススメです!

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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