近代の建築技術が結集。旧長州藩主・毛利家の大豪邸/毛利博物館・毛利氏庭園(山口県防府市)

近代和風建築の粋を結集した豪邸『毛利博物館』

『毛利博物館(旧毛利家本邸)』は大正元年(1912年)に着工し大正5年(1916年)に完成した旧長州藩主・毛利家の豪邸。現在は毛利家に伝わる歴史資料や美術工芸品約2万点を収蔵した博物館として公開されています。

毛利博物館の敷地入口となっている『表門』は欅(けやき)の厚板張りの豪壮な門で、11月下旬~12月上旬にはモミジが色付き、人気の紅葉スポットとなっています。

表門からしばらく通路を歩いていくと、毛利博物館と毛利氏庭園の入口(券売所)があります。
博物館となっている『旧毛利家本邸』は明治・大正期の建築技術の粋を結集した1,200坪の壮大な邸宅で、庭園も含めると着工から完成まで20年かかりました。
さっそく毛利博物館の中を見学しましょう。

玄関を入って右に折れると『応接室』があります。邸内唯一の洋風の部屋で、床には絨毯が敷かれ、椅子やテーブルが置いてあります。

応接室の奥にある『大広間(客室)』。合わせて42畳の三部屋からなり、天井は一段と高く格天井となっていて、当主は最奥の18畳の間に座して客を迎えもてなしたそうです。

大広間の北側には畳敷きの広い廊下があり、縁側の窓には当時のままのガラスがはめ込まれています。

大広間の南側には欄干付きの濡縁(ぬれえん)があり、ここから庭園を眺めたり階段から庭へ降りて散策したりすることができました。

さらに、段が檜(ひのき)の角材という贅沢な造りの階段を上がって二階に上がると……

二階南側の廊下から『毛利氏庭園』の全景を見下ろすことができます。

前景にひょうたん池を中心とする日本庭園、遠くに国府跡や防府市街、さらに三田尻湾・江泊の山・向島などが眺望できます。

二階の間も3部屋からなり、全部で32畳。一階と同様に最奥12畳の間は当主が座す間となっていました。

北側にはソテツなどが植えられた中庭、背後には多々良山の山容を望めます。

再び一階に下りて、大広間の奥にある『主人の間』へ。
控えの間や居間・書斎も含め4部屋からなり、大正5年に大正天皇が宿泊されたのをはじめ、その後も何度か天皇・皇后陛下がここに宿泊されました。

邸宅の細かい装飾も見所の一つ。内装や洋風照明器具などには、アールデコ風のモダンな意匠も見て取れます。

また当時の生活を垣間見られる『化粧室』や『洗面所』も見学できます。

こちらは『奥浴室』。その他にも発電設備や浄水設備、給湯設備、水洗トイレ、井戸水を利用した冷蔵庫など、当時の最先端の設備を整えていました。

旧毛利家に伝来する歴史資料・文化財を多数展示

旧子供部屋を改造した展示室では、毛利家に伝来する歴史資料・文化財を展示しています。毛利博物館が所蔵している文化財の総数は約2万点に及びますが、特に雪舟の『四季山水図(国宝)』は有名(上の写真)。

取材時には、他にも古今和歌集巻八(国宝)や毛利元就自筆の三子教訓状(重要文化財)、刀剣・書画・着物など多数の歴史資料・文化財が展示されていました。
なお、約2ヶ月周期で展示資料の入れ替えが行われており、雪舟の画巻などは毎年11月の特別展(国宝展)開催中のみ見られます。

国の名勝に指定された毛利氏庭園

次に国の名勝に指定されている『毛利氏庭園』へ。
ひょうたん池を巡る回遊式の庭園となっていて、その面積は84,000㎡におよび、四季折々の景観を楽しむことができます。

庭園に入ると、先ほど観覧した『旧毛利家本邸・毛利博物館』の建物を外側からじっくりと眺められます。

特にひょうたん池の南側が、毛利氏庭園で随一のビューポイント。
池の周りの広庭には、石組・植栽・芝生・回遊路・石橋・四阿屋などを配していて、その背後に旧毛利家本邸や多々良山が望めます。

お土産店や毛利邸の一部を改装したカフェも

毛利氏庭園の入口脇にはお土産店もあり、山口県名産の『ういろう』他、地元の特産品を販売しています。

毛利邸の一部を改装した『毛利ミュージアムショップ舞衣(まい)』には茶房があり、休憩スポットとしてもオススメ。

内装はハイカラかつレトロモダンな雰囲気。抹茶やよもぎ餅、軽食もいただけます。
店内には他にも毛利家の美術品・歴史資料なども展示されています。

いかがでしたか?
毛利博物館・毛利氏庭園は近代和風建築の粋を集めた豪邸・日本庭園で、四季折々の景観を満喫できる散策スポットとしてもオススメ。
3月下旬~4月上旬には庭園内の桜、5月中旬~6月上旬には表門から本邸に向かう道筋のさつき、11月中旬から12月上旬は赤や黄色に色づいたもみじが楽しめ、和風建築と自然の調和も見所の一つとなっています。


毛利博物館・毛利氏庭園
住所/山口県防府市多々良1丁目15-1
電話/0835-22-0001
営業時間/9:00~17:00 ※入場は16:30まで
休館日/12/22~12/31(庭園は無休)
入場料/庭園:大人400円 小中学生200円
    博物館企画展:大人700円 小中学生350円
    博物館特別展(国宝):大人1,000円 小中学生500円
    ※庭園・博物館の共通券もあります
駐車場/あり(無料)
アクセス/JR防府駅からバスで約6分
http://www.c-able.ne.jp/~mouri-m

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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