おしゃれな街に洒落たお土産があるのは、言ってしまえば当たり前。
特に開港150年を超える港を擁する神戸に、おいしい洋菓子がないわけがありません。
今回は、そんな洋菓子は少し脇に置いておいて、神戸のローカル民が「ちょっとつまみたい」または「お腹をすかせた家族に持って帰りたい」定番テイクアウトグルメにフォーカスします。
神戸っ子の日常に溶け込みすぎていて『神戸土産』として意識すらされない “究極” の地元グルメ案内、スタートです!
1.本神戸肉森谷商店の「コロッケ」
どこにでもあるコロッケと、あなどるなかれ。
味付けはシンプルで特段驚きがあるわけではありません。
しかし、この薄くてサクサクの衣にほくほくのじゃがいも、玉ねぎの甘味、国産牛のすじ肉のこりっとした食感がたまりません。
『森谷(もりや)商店』は明治6年に神戸で創業し、当時は外国人の通うレストランやホテルに牛肉を納めていたという老舗精肉店。
牛肉を知り尽くしています。
休日にはコロッケや土・日限定販売の『神戸牛串カツ』を求めて、大行列ができる人気ぶりです。
毎日2,000個、多い日には3,000個売れるというコロッケは、自宅に持ち帰って温めれば夕食の立派なメインディッシュになります。
コロッケのほかにも、ミンチカツ(合いびき肉たっぷりで肉の旨味が溢れ出す!)やハムカツなど、森谷の惣菜はどれも試してみる価値のあるおいしさです。
特に、カレールーをそのまま揚げ物にしちゃった『カレーフライ』は食べなきゃ損。カレー味のコロッケではなく、カレー味のミンチカツでもなく、「カレールーをど直球におかずにしたよ」というロックなお惣菜です。
きっとハマりますよ。
本神戸肉森谷商店 元町本店
住所/兵庫県神戸市中央区元町通1-7-2
電話/078-391-4129
最寄駅/神戸市営地下鉄旧居留地・大丸前駅、JR元町駅、阪神電車元町駅
営業時間/10:00~20:00(揚げ物は10:30~19:30)
定休日/なし
https://www.moriya-kobe.co.jp
2.老祥紀の「豚饅頭」
大きな蒸し器いっぱいにぎっし詰まった豚饅頭(豚まん)。真っ白な湯気の向こうに見える蒸したての味に胸が高鳴ります。
皮が黄色っぽいのは、自然発酵と手練りによる効果だそう。
プリッと歯ごたえがあって、ふわふわの豚まんとは毛色の違う、“本場感”の強いのがこの豚饅頭です。
『老祥紀』は、大正4年の創業から変わらない味を神戸で守り続けている老舗です。
現在は元町商店街にお店を構え、落ち着いた店の雰囲気と飽きの来ない醤油味の豚饅頭が地元の人たちに愛されています。
注文の基本単位は3個1皿。店内でアッツアツをいただくもよし、蒸したてを包んでもらって急ぎ足で持ち帰るもよし。
最後の『紀』の字が1字違いの有名店(老祥記)が南京町(中華街)にあるので、時間のある人は食べ比べをしてもいいかもしれません。
元祖豚饅頭 老祥紀
住所/兵庫県神戸市中央区元町通5丁目4-16
電話/ 078-341-0434
最寄駅/阪急電鉄花隈駅、阪神電車西元町駅、神戸市営地下鉄みなと元町駅、JR元町駅
営業時間/10:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日/水曜日
https://www.kobe-motomachi.or.jp/shop-search/217
3.トミーズの「あん食」
パンの消費量が多く、パン激戦区とも言われる神戸で愛されるパン屋のひとつが『トミーズ』。
観光のついでなら、神戸三宮の繁華街に近い高架下の店舗が便利です。狭い対面型店舗にひっきりなしにお客さんが訪れます。
トミーズといえば、なんと言っても食パンに粒あんを混ぜ込んだ『あん食』が人気です。
生クリームを入れて焼き上げた食パン生地と北海道産小豆を使った粒あんの相性は、言うまでもなく抜群。
あんパンと食パンのいいとこ取りができちゃうって、幸せですね。
ただ、あん食には、あんこがずっしりと入っているぶん重みがあります。食パン1.5斤分をお土産に持ち帰るのは難しい場合があるかもしれません。
そんなときは、『あんトースト』がおすすめです。あん食をスライスして、こんがりきつね色にトーストした商品で、買ってすぐに食べられるのがうれしいですね。
カリッとした歯ごたえと、マーブル状に粒あんの入った部分のしっとりした味わいが楽しめます。
次の旅行まで待ちきれないあんこ好きさんには、通信販売もありますよ。
トミーズ 三宮店
住所/兵庫県神戸市中央区北長狭通1-31 高架下35
電話/078-333-8820
最寄駅/阪急電鉄神戸三宮駅、JR三ノ宮駅
営業時間/8:00~20:00(日曜は19:00閉店)
定休日/なし
https://www.tommys-kobe.com
>1日1000本の売り上げ!?パンの激戦区、神戸から焼きたてパン『あん食』をお取り寄せ/トミーズ(兵庫県神戸市)
4.ユーハイムの神戸牛の「ミートパイ」
ドイツ人夫妻が中国・青島、横浜を経て神戸に本場のドイツ菓子を販売する『ユーハイム』を創業したのは大正12年のこと。
創業者カール・ユーハイムは、ドイツ菓子の王様と呼ばれるバームクーヘンを初めて日本で焼き上げたといわれます。
お菓子の専門店でありながら、当時から隠れた人気を誇ったのがユーハイムのミートパイでした。
神戸の本店ではアップルパイや季節のパイとならんで神戸牛のミンチを使った『神戸牛のミートパイ』を販売しています。
第一のおすすめの理由が、パイがおいしいこと。空気の層を含んでまさにサックサクです。
神戸の誇る老舗菓子専門店の腕の見せどころですね。
バターの香りが高く、一口目は上品に小さくかじって、パイ生地だけを楽しみたいほどです。
半分に切ると、神戸牛のミンチ、玉ねぎとともにゆで卵が覗きます。具のバランスも最高です。神戸牛のジューシーな旨味と玉ねぎの甘さ、そして生地のバター風味、それをまとめ上げているのがゆで卵です。
神戸の歴史が詰まった豊かな味わいをぜひあなたの舌で確かめてください。
ユーハイム 本店
住所/兵庫県神戸市中央区元町通1丁目4-13
電話/078-333-6868
最寄駅/神戸市営地下鉄旧居留地・大丸前駅、JR元町駅、阪神電車元町駅
営業時間/1階ショップ10:00~20:00
定休日/水曜日
https://www.juchheim.co.jp
※写真内の商品価格はすべて撮影時のものであり、変更される場合があります。
瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか
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この記事を取材したフォトライター
堀 まどか
堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328
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