徳島県西部の大自然を舞台に繰り広げられるロングライド/自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波(徳島県三好市)

“にし阿波”を走り抜けるサイクルイベント

暗闇のなか、静かに夜明けを待つ無数の自転車たち――。これらはすべて徳島県三好市で開催されているサイクルイベント【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】第10回大会参加者の愛車です。もっとも早い受付時刻は午前4時からとあって、多くの方々が午前3時半頃からスタンバイ。翌朝のスタートに備えて整然と並べられたマシンの姿は圧巻の一言です。

初めて【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】が開催されたのは、ちょうど10年前となる2010年のこと。徳島県西部の雄大な自然を舞台に、自分の実力に応じたコースへチャレンジできるため、回を重ねるごとに参加者が増加。この10年間で述べ10,000人以上がエントリーしており、近年ではアジア圏を中心に、海外からのサイクリストの姿も目立つようになってきました。

2019年5月12日に開催された第10回大会では、平家の里、秘境・東祖谷を走る[東祖谷観光コース]や四国でもっとも高い落合峠を含む[落合峠チャレンジコース]に加えて、実力者向けの[剣山落合峠鬼脚コース]を設定。全国屈指の“酷道”を時間内に走破できれば“鬼脚”の称号が得られるため、国内外から多数の応募がありました。何とエントリー開始から約15分(!)で定員に達したそうです。

東祖谷や落合峠など、ここにしかない大自然が舞台

【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】最大の魅力は、何と言っても徳島県西部の美しい自然を自転車で堪能できることでしょう。地元のサイクリストたちが選定した各コースは、決して都会では味わえない素晴らしさ。新緑に包まれた祖谷渓谷や重要伝統的建造物群保存地区である『落合集落』など、自転車で三好市の誇る観光スポットを走り抜ける喜びは、まさにこのサイクルイベントならではのもの。

順位を競うレースではないため、一人ひとりが自分のペースで自転車のペダルを踏み、思い思いの走りでゴールを目指します。[東祖谷観光コース]は約94.5キロ、[落合峠チャレンジコース]は約95.6キロ、そして[剣山落合峠鬼脚コース]は約160.8キロ。毎年、少しずつコースは変わりますが、いずれも山岳コースらしいアップダウンが、ときに楽しく、ときに厳しく、参加者たちを迎えてくれます。

[剣山落合峠鬼脚コース]は、10周年を記念して設定された【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】史上、最難関の上級者向けコース。西日本の国道で最高標高となる1,450メートル地点を抜けた後、見ノ越と落合峠という二つのヒルクライムが、腕ならぬ脚に自信のある猛者たちを阻みます。それだけに標高1,519メートルの落合峠を上りきった達成感は、格別なものに違いありません。

地元の人々の協力と温かい応援を力に変えて

そして【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】が人気を集めるもう一つの理由は、地元の人々による手厚いサポートです。全国各地はもとより、海外から参加するサイクリストたちが全力で楽しめるように、ボランティアを含めた約200名ものスタッフが運営業務にあたっています。沿道では小学生たちも声を張り上げて一生懸命に応援。まさに地域密着型のサイクルイベントだといえるでしょう。

コースごとに何ヵ所か設けられたエイドステーションでは“にし阿波”らしい地域色あふれるメニューも登場。特に郷土料理である祖谷そばや祖谷こんにゃくの唐揚げは、ご当地グルメとしてもチェックしておきたいところです。想像以上に体力を使うロングライドでは栄養補給は非常に重要なポイント。地元のお母さんたちによる温かい手づくりフードは、ゴールへ向かう大きな活力となりそうです。

一つの節目となる10周年を迎え、ますます盛り上がりを見せる【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】。全力を出しきった参加者たちは、笑顔で互いの走りを称え合います。なかには、ここで意気投合して、かけがえのない友人ができたという話も。【自転車王国とくしま ツール・ド・にし阿波】は毎年5月の開催を予定。エントリーは3月からスタートします。自転車をこよなく愛する方、徳島県西部の自然を堪能したい方はぜひ。


NPO法人 ツール・ド・にし阿波プロジェクト
住所/徳島県三好市池田町マチ2512-1(大西方)
電話/0883-72-0213(大西方)
http://tour-de-nishiawa.com

瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志

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重藤 貴志

重藤 貴志

徳島で暮らしているインタヴュアー/ライター/コピーライターです。屋号は“Signature”。新聞広告をはじめ、書籍や雑誌、ウェブサイトなど、幅広い媒体で仕事をしています。生まれ育ちは東京ですが、縁あって徳島に移り住みました。県外出身者の視点から見た徳島の魅力を中心に、瀬戸内のさまざまな情報を紹介していきます。 Twitter https://twitter.com/Siqoqtaq

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