シーパセオは『瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園』
2019年8月1日、広島・呉・松山の3都市を結ぶ定期航路に、新しいコンセプトのフェリーが就航しました。その名も『シーパセオ(SEA PASEO)』!
シーパセオのコンセプトは『瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園』。通常のフェリーとは一線を画する斬新なデザインを採用し、風光明媚な瀬戸内海の景色を眺めながら、船上自体が公園のように散策を楽しめる空間として設計されています。
船名の『シーパセオ』は、『SEA(海)』と『PASEO(スペイン語で遊歩道)』の組み合わせで、『海の散歩道』を意味します。船体の外観や空間デザインに“円”や“丸み”を大胆に取り入れ、思わず船内をお散歩してまわりたくなるような、魅力あふれるフェリー空間を実現しています。
記事の後半では360度動画によるシーパセオのリアルな乗船体験もできますのでお見逃しなく!
屋上デッキは瀬戸内海を満喫できる展望公園!
シーパセオの屋上にある『シャイン・デッキ』は、瀬戸内海に浮かぶ島々や水平線を展望できる海上の一等地!
船首近くにある人工芝のグリーンゾーン『しお風のグリーン・テラス』では、大空と瀬戸内の多島美を満喫しながらゆったりとくつろぐことができます。
日差しを遮る円形のあづまや『しお風のガゼボ』はデッキに6つ設置されていて、瀬戸内海の潮風と陽光を楽しむ憩いの空間となっています。
シーパセオだけでしか味わえないオリジナル・カクテル(ノンアルコール)も持ち込み可能で、島々を眺めながら極上の“せとうち時間”を過ごせますよ!
(※『そよかぜカクテル』は夏季限定メニューで、冬季は販売していません)
デッキ後方にある螺旋階段を降りていくと、開放的な半屋外空間『そよ風のパティオ(中庭)』があります。
前方客室と後方客室とをつなぐフォトジェニックなスペースで、心地良い瀬戸内海のそよ風と太陽の日差しの両方を感じることができる船上のパティオ(中庭)です。
客室も様々なシーンに対応するリラックス空間!
シーパセオは客室内も、ゆったりとくつろげる快適空間となっています。
船首側にある『パノラマ・ソファ』は、進行方向に広がる景色をゆったりと楽しめるように、階段状にレイアウトされた眺望席。もちろんモバイル用電源コンセントや無料Wi-Fiも利用可能。
一方で船尾側にある『ひき波のHANARE(離れ)』は靴を脱いで上がる展望リビング。円形に配置されたシートから後方にたなびく引波(航跡)の景色を家族やグループで楽しむことができる団らんスペースです。
通常のフェリーでは、客室内から後方を展望できることは珍しく、シーパセオ独特の客室デザインといえます。
船体の中央側面には海風を感じられるオープンスペースの座席も。
他にもリクライニング可能な『リラックス・シート』にはノートパソコンも置けるミニテーブルを完備。フェリーならではの『GORONE(ごろ寝)エリア』には、ごろ寝しながら海が見える小窓もついていたり、靴を脱いで座敷に上がる感覚でくつろげる『OZASEKI(御座席)エリア』、海に臨むカウンター席などもあります。
「瀬戸内海の眺望を楽しみたい」「家族で団らんを楽しみたい」「PCで作業をしたい」「仮眠を取りたい」といった、 様々なシーンに対応する多様なくつろぎ空間が設けられています。
船内中央部には売店・インフォメーション・カフェ・フードコートなど、船内に必要なあらゆるサービスが集約されています。
シーパセオでしか味わえない『シーパセオ そよかぜカクテル(ノンアルコール)』や『シーパセオ しおかぜレモネード』、『シーパセオ ひきなみパフェ』といったオリジナルのドリンク&スイーツメニューにも注目!
もちろん、うどんやカレーライス、オムライスといったフェリーの定番フードメニューもあります。
(※そよかぜカクテル、しおかぜレモネードは夏季限定メニューで、冬季は販売していません。)
売店では今治産プチタオルや砥部焼のマグカップ、デニム保冷トートバッグなど、瀬戸内の特産品をアレンジしたシーパセオ独自のオリジナルグッズも販売していて、乗船の記念品としてもオススメ!
以上でご紹介したように、瀬戸内海の自然を感じながら、ゆったりと過ごせるリラックス空間の充実が、シーパセオの最大の魅力なのです!
瀬戸内の魅力を満喫できる広島・呉・松山航路!
ここまでシーパセオの船内についてご紹介してきましたが、実はシーパセオの航路自体も瀬戸内海の魅力を存分に満喫できる極上のクルージングコースなのです!
今回は広島港から松山観光港まで、片道約2時間40分の航路上にある見所を簡単にご紹介します。
記事後半では360度動画によるシーパセオのリアルな乗船体験もできますのでお見逃しなく!
それでは、広島港を出航~!!
広島港を出航後、江田島の東側の海域を通って南下し、呉港へ向かいます。広島港から呉港までの所要時間は約45分。
序盤は広島湾に浮かぶ似島(にのしま)や峠島(とうげじま)、金輪島(かなわじま)といった多島美が満喫でき、呉に近づくと工業地帯や造船所の様子を間近に見られます。
呉港から再出航してさらに南へ約10分ほど進むと、名勝地『音戸の瀬戸(おんどのせと)』へ。音戸の瀬戸は本州と倉橋島を分かつ狭い海峡で、平清盛(たいらのきよもり)が開削したという伝説が残ります。
音戸の瀬戸には2本の橋が架かっていて、その真下を通り抜ける瞬間は、まさに広島-松山航路のハイライト!
海峡の北口に架かる『第二音戸大橋』は2013年に開通した全国で4番目の長さを誇るアーチ橋で、橋長は492m(アーチ部分は280m)。
海峡の南口に架かる『音戸大橋』は1961年に開通し、橋長は172m。音戸の瀬戸の南口は幅が約80mしかなく、そのもっとも狭い部分に架けられた橋なのですが、倉橋島側(写真右側)が螺旋状にループする高架橋となっているのが特徴です。
シーパセオが音戸の瀬戸を通過する際の所要時間はわずか2~3分ほどですが、連続して2本のアーチ橋の真下をくぐるという大迫力のシーンはここだけでしか見られません!
360度動画では音戸の瀬戸の通過シーンをノーカットで収録していますのでお見逃し無く!
音戸の瀬戸を通過した後も、しばらく幅約500mぐらいの狭水道が続くのですが、情島(なさけじま)が見えてくると広い海域へ出ます。情島を迂回するようにぐるっと転針した後は、ほぼ一直線に松山方面へ。
この海域でも、倉橋島や柱島群島、安芸灘とびしま海道などの多島美が楽しめます。
シーパセオの右手(西側)に忽那諸島(くつなしょとう)が見えてくると松山はもうすぐ。松山観光港のすぐ手前では“伊予のストーンヘンジ”として注目されている『白石の鼻巨石群』も眺められます。
こうして広島港から約2時間40分で松山観光港に到着!
360度動画でシーパセオのリアルな乗船体験!
今回は、シーパセオに乗船して広島港から松山観光港までの極上クルーズをリアルに疑似体験できる360度動画もあります。音戸の瀬戸の2本のアーチ橋の下を通過する迫力の瞬間もありますので、ぜひ以下の動画もご覧くださいね!
・スマートフォンでご覧の方は画面を上下左右に動かしてみてください。あるいは画面をタッチしながら指を動かすことでも見る方角を変えられます。
・PCの方は動画の画面をクリックしながらマウスを動かしてみてください。
※スマートフォン等で動画がうまく再生できない場合や、もっと大きな画面で動画を再生したい場合は、再生画面内の右下に表示される『YouTube』の箇所をクリックして、YouTubeアプリを起動して再生してください。
シーパセオのオススメ撮影スポット!
シーパセオの船体は紺色と白色のコントラストが映えるフォトジェニックな姿。瀬戸内の風景ともマッチして、被写体としても魅力的ですね!
そこで、シーパセオを美しく写せる撮影スポットをいくつかご紹介します。
白石の鼻巨石群
一つ目は先ほどご紹介した『白石の鼻巨石群』。松山観光港からわずか2kmほど北に位置する隠れたミステリースポットで、沖に浮かぶ『三ツ石』は5つの巨石が絶妙なバランスで積み重なっており、高さ約6m、総重量は推定約1,000トン!
『白石の鼻』の沖合海域はシーパセオなどのフェリー航路となっていて、空洞のある巨石群とシーパセオのツーショットなども狙えます!
>伊予のストーンヘンジ!?海辺の“ありえない”巨石ミステリースポット/白石の鼻巨石群(愛媛県松山市)
音戸の瀬戸
呉市にある『音戸の瀬戸』もシーパセオを写す絶好の撮影スポット!
この記事の冒頭写真は、倉橋島側にある『清盛塚(きよもりづか)』から撮影したもので、他にも本州側の『音戸の瀬戸公園』内にある『高烏台(たかがらすだい)展望台』からは音戸の瀬戸の海峡全体を見下ろせます。展望台の背後には平清盛像も立ち、記念写真スポットとしても有名です。
>音戸(おんど)の瀬戸と渡し船。音戸の町並み散策/音戸(広島県呉市)
以上でご紹介したように、シーパセオは『瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園』をコンセプトに誕生したクルーズフェリー。現在、シーパセオの2番船も建造中で、2020年の夏に就航予定です。
シーパセオが2隻体制になればダイヤ的にも乗船しやすくなり、2隻のシーパセオが海上ですれ違う瞬間も見られるかも!?
あなたもシーパセオに乗船し、“極上の瀬戸内クルーズ”を体験してみませんか?
クルーズフェリー シーパセオ(SEA PASEO)
住所/広島市南区宇品海岸1丁目13-13
電話/082-253-1212
運行時刻/瀬戸内海汽船株式会社のHPで「シーパセオ 運航予定表」をご確認ください
料金/瀬戸内海汽船株式会社のHPで「クルーズフェリー 運賃表」をご確認ください
駐車場/あり(有料)
最寄駅/広島電鉄広島港駅から徒歩約5分(※呉港・松山観光港からも乗船できます)
http://setonaikaikisen.co.jp/newferry
http://setonaikaikisen.co.jp/
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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この記事を取材したフォトライター
松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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by 瀬戸内Finder 編集部