1955年に5つの村が合体して生まれた神山町は、日本各地から注目され続ける“限界集落”の一つ。面積の約83パーセントが山地でありながら、東京や大阪のような大都会から移住者が集まり、彼らがつくった魅力的なお店に多くの人が訪れる好循環が生まれています。
今回は徳島阿波おどり空港からレンタカーなどで行く、1泊2日の神山町おすすめプランを紹介。徳島旅行の参考にしてくださいね。
スポット 1
徳島阿波おどり空港
DAY 1
スポット 2
Yusan Pizza
DAY 1
徳島阿波おどり空港を車で出発し、国道438号線をひたすら西へ走って約1時間。『木のまち神山』と記された標柱の手前を右へ曲がり、奥にある小高い丘の上へ。そこに建っている築100年を超える古民家が、最初の目的地である神山町のピッツァ専門店『Yusan Pizza』です。
まずは、ここでしか食べられない石窯で焼き上げるピッツァで腹ごしらえといきましょう。一日につくる枚数が限られているため、必ず前日までに電話で予約しておいてください。定番と日替わり、どちらも美味しいので、カップルやグループであれば、最低2種類を頼んでシェアする頼み方がおすすめです。
>きっと、あなたもファンになる。素材を大切にした優しい味の絶品ピッツァ/Yusan Pizza(徳島県名西郡神山町)
スポット 3
KAMIYAMA BEER
DAY 1
国道438号線に戻って西へ進み、上角谷川沿いの十字路を右折。少し行って上角谷川を渡り、神山郵便局前を左折。そのまま道なりに進んだところに現れるのが、アーティスティックな外観が目立つマイクロブリュワリー『KAMIYAMA BEER』です。
オランダから移住したご夫婦が営む『KAMIYAMA BEER』では、神山の風土に寄り添ったオリジナルのクラフトビールが揃います。タップルームは土日のみの営業ですが、平日でもスタッフが在店していれば、ボトルビールの購入は可能。残念ながら閉まっていたら、この後で立ち寄る『かま屋・かまパン&ストア』でも買うことができます。随時、イベントなどの開催も予定されているため、Facebookページのチェックもお忘れなく。
>神山産クラフトビールで生み出す新たなつながりの場/KAMIYAMA BEER(徳島県名西郡神山町)
スポット 4
かま屋・かまパン&ストア
DAY 1
神山郵便局前まで戻り、今度は左折して再び国道438号線へ。しばらく走っていくと右側に出てくるのが、地域の農業と食文化を次世代へつなげていく『Food Hub Project』の拠点、町の食堂『かま屋』とグロッサリー(食料雑貨店)の『かまパン&ストア』です。“地産地食”を旨とする『かま屋』のモーニングやランチは絶品!もしも『Yusan Pizza』の予約が取れなかった場合は、こちらで食事をどうぞ。
同じ敷地内にある『かまパン&ストア』では、さまざまな種類のパンをはじめ、こだわりの調味料や神山に縁のある品々を買い求めることができます(もちろん『KAMIYAMA BEER』のクラフトビールも!)。知る人ぞ知る徳島市の雑貨店『遠近(をちこち)』の店主、東尾厚志さんディレクションの『かま屋』で使用されている器なども取り扱っています。
>いつもの「いただきます」を大切に。町を第一に考えた食堂とパンと食品のお店/かま屋・かまパン&ストア(徳島県名西郡神山町)
スポット 5
Buddha Cafe
DAY 1
さらに国道438号線を西へ進むと見えてくる『ショップかたやま21』も要チェック。駐車場にある小さなテイクアウトカフェ『Buddha Cafe』は、ヘルシーなサンドウィッチとグリーンスムージーがおすすめですが、営業時間が不定期のため、オープンしていたら立ち寄ってみてください。
カリフォルニア出身のマット・ローソンさんと奥さまのさつきさんが心を込めてつくる本場のアメリカンサブ風サンドウィッチは食べごたえ十分!お店が閉まっていても、サンドウィッチやピザ、サラダなどは『ショップかたやま21』で購入することができます。おやつや夜食にもぴったりだと思いますよ。
>わざわざ行きたい!神山町で食べる本場アメリカンサブ風サンドウィッチ/Buddha Cafe(徳島県名西郡神山町)
スポット 6
豆ちよ焙煎所
DAY 1
神山町でもっとも有名なコーヒーといえば、寄井商店街にある『豆ちよ焙煎所』。目印は屋根の上に突き出たロシア式の暖房設備「ペチカ」の煙突です。神山町の地方創生戦略の一つ『民家改修プロジェクト』で改修された古民家が店舗になっており、いつ訪れても居心地の良い空気に包まれています。
店主の千代田孝子さんが丁寧に焙煎するコーヒー豆は、どれも甲乙つけがたい美味しさ。どれでも試飲できるため、実際に味わってから購入できるのも嬉しいポイントです。毎週火曜日に入荷する焼き菓子はイギリスの小麦粉でつくられる本場顔負けの完成度。コーヒー好きはぜひ訪れてみてください。
>コーヒーがつなぐ縁を大切に、人が集まる場を優しい味わいでつくっていく/豆ちよ焙煎所(徳島県名西郡神山町)
スポット 7
雨乞の滝
DAY 1
寄居商店街から高根谷川沿いの道を走れば『雨乞の滝 駐車場』までは約6分で到着。そこから『雨乞の滝』までは徒歩で約20分の道のりです。途中には『うぐいす滝』『不動滝』『もみじ滝』『観音滝』など、個性的な渓流瀑がいくつもあり、神山町の豊かな自然を心ゆくまで満喫することができます。
雄・雌、二つの流れを持つ『雨乞の滝』は、それぞれ約27mと約45m。名前の由来は、かつて長い日照りで困った農民たちが、ここで蓑笠を着て鐘・太鼓などを打ち鳴らし、雨乞いを行った伝承に由来するとのこと。アーティストの横尾忠則さんも感銘を受けたという絶景は、特に新緑と紅葉の季節がおすすめです(※登り坂が続くため、歩きやすい服装と靴が必要)。
>終点の夫婦滝を目指して癒やしの渓流ウォーキング!/雨乞の滝(徳島県名西郡神山町)
スポット 8
WEEK神山
DAY 1 宿泊
神山町で宿泊できる場所は限られている上、それほど選択肢が豊富なわけではありません。おすすめしたいのは『Week神山』。築70年の古民家を再生した食堂棟を中心に、ツイン4室・ダブル2室・グループルーム2室を備えており、さまざまなスタイルの旅行者に対応できる宿泊施設となっています。
どの部屋にも大きな窓があり、鮎喰川を見下ろすことができる点も嬉しいポイント。川のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声などが身近に感じられ、いっそう旅が楽しくなること請け合いです。金・土・日の12:00から15:00は“週末カフェ”としても営業しており、シェフ特製の美味しいパスタも堪能できますよ。
>神山町で暮らすように過ごす宿/WEEK 神山(徳島県名西郡神山町)
スポット 9
こんまい屋
DAY 2
国道438号線を鮎喰川に沿って西へ向かい『馬崎商店』前を左折。国道193号線に入ってしばらく南下した先にあるのが、古民家を改装した雑貨店『こんまい屋』です。地域おこし協力隊として活動していた二人の女性がオープンしたお店は、可愛らしいアイテムがいっぱい揃っています。
店名の“こんまい”とは、徳島の方言である阿波弁で“小さい”を表す言葉です。ここでしか手に入らないオリジナルのデザイン雑貨や焼き物などもあるほか、地元の苔を使った『苔庭ワークショップ』なども実施。神山町に訪れた思い出として、ここでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
>その小さなサイズ感がたまらない!手のひらサイズの苔庭を自分で作ってみませんか?/こんまい屋(徳島県名西郡神山町)
スポット 10
四国山岳植物園『岳人の森』
DAY 2
さらに国道193号線を進み、二つの滝が一つの滝壺へと落ちていく『出会い滝』を越えていった先、土須峠(どすとうげ)の近くにあるのが、最終目的地である四国山岳植物園『岳人の森(がくじんのもり)』。入口は複数あるそうですが、こちらがそのうちの一つ。もちろん、歩きやすい服装と靴が必要です。
標高約1,000mの山岳を切り拓いてつくられた森のなかには、写真のヒメシャガをはじめ、シャクナゲやレンゲショウマなど、希少価値の高い高山植物が群生しています。園内にはオートキャンプ場や山荘などもあり、宿泊することも可能です。早朝の神秘的な雰囲気は泊まった人だけの特権。わざわざ足を運ぶだけの価値は十分にあります。
>希少な高山植物が群生する楽園『岳人の森』(徳島県名西郡神山町)
スポット 11
徳島阿波おどり空港
DAY 2
ここで紹介した神山町のスポットは、ほんの一部にすぎません。まだまだ魅力的な場所がいっぱいありますので、実際に訪れた際にはゆっくり散策し、そこで出会った地元の人たちに、おすすめを聞いてみてください。徳島旅行の思い出がひと味もふた味も変わってくるはずです。
瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志
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この記事を取材したフォトライター
重藤 貴志
徳島で暮らしているインタヴュアー/ライター/コピーライターです。屋号は“Signature”。新聞広告をはじめ、書籍や雑誌、ウェブサイトなど、幅広い媒体で仕事をしています。生まれ育ちは東京ですが、縁あって徳島に移り住みました。県外出身者の視点から見た徳島の魅力を中心に、瀬戸内のさまざまな情報を紹介していきます。 Twitter https://twitter.com/Siqoqtaq
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