『道後温泉本館』工事中も元気に営業中
愛媛県の観光地といえば道後温泉。そのシンボル的存在の『道後温泉本館』は、2019年1月から2024年末までの予定で保存修理工事を開始しました。でもご安心を。工事中でも入浴可能。さらに今だからこその楽しみ方があるのです。
火の鳥到来!『道後REBORNプロジェクト』
道後温泉本館は、公衆浴場として日本で初めて重要文化財に指定されました。その建物を営業しながら工事を行うというのも日本初。ただの工事現場ではない特別な姿になっています。
手塚治虫氏のライフワークといえる『火の鳥』とのコラボレーションで『道後REBORNプロジェクト』を展開しています。工事現場を風雨から保護する素屋根は巨大なラッピングアートと化し、華麗な火の鳥が描かれ、まるで火の鳥に守られているかのようです。
足湯につかって火の鳥と対面
道後温泉本館南側の冠山にある『道後温泉 空の散歩道』からラッピングアートを一望できます。
足湯につかりながら眼下に火の鳥という贅沢なシチュエーションを楽しめますよ。
絵の中の世界を楽しもう
ラッピングアートの周りをぐるりと歩いて、じっくり見てみましょう。
着物姿で髷を結った大工さんたちが働いていますね。
窓辺にいるのは聖徳太子。道後温泉に来浴し、良質なお湯と椿の咲く美しい地を賞賛したと伝わっています。
傷を負った白鷺が道後温泉を発見したという伝説にちなんで、白鷺も飛んでいます。
大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の姿も。病にかかった少彦名命を、大国主命が手のひらにのせて道後の湯につからせると、たちまち元気になったという説話があります。
仮囲いの板塀には手塚プロダクション制作のマンガパネルなどのウォールアートが。実はこのパネルのほか本館周辺には動画やフォトフレームが楽しめるARコンテンツが隠されています。スマホに無料アプリをダウンロードして探してみて。
今だけの温泉体験を存分に
さあ、お湯に入りましょう。貴重な体験もできますよ。
工事前は西側が正面入り口でしたが、前期工事期間中は北側から入ります。明治時代から改築を重ねてきた建物の中でここが現存最古。明治期の改築当時も北側が入り口だったそうです。
館内も今だけ、男湯が女湯に
3階まである館内で前期工事期間中に利用できるのは1階『神の湯』だけ。工事前の男湯には東浴室と西浴室の2つがあり、今はこれを男女に分けています。過去にもこの使い方だった時代があったそう。
浴室の壁に貼られた『坊っちゃん泳ぐべからず』の木札は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の中のエピソードにちなんだもので、女性がこれを見られるのは男湯を使える今だけ!
これからの展開もお楽しみに
(企画演出/NAKED Inc.)
夜の姿も幻想的です。HPで公開中の手塚プロダクション制作のオリジナルアニメ『火の鳥“道後温泉編”』と連動したプロジェクションマッピングが彩ります。
今後も工事が進行するにつれて道後温泉本館はさまざまに変化し、新しいコンテンツも続々登場予定です。何度も訪れて、新しい発見をしてくださいね。
©️TEZUKA PRODUCTIONS
道後温泉本館
住所/愛媛県松山市道後湯之町5-6
電話/089-921-5141(道後温泉事務所)
営業時間/06:00〜23:00(札止22:30)
入浴料/12歳以上420円、2〜11歳160円
定休日/無休(12月に1回臨時休館あり)
駐車場/近隣有料駐車場利用(道後温泉駐車場は本館利用で1時間無料、以降30分100円)
https://dogo.jp
道後REBORN公式サイト https://dogoreborn.info
最寄り駅/伊予鉄道市内電車 道後温泉駅
瀬戸内Finderフォトライター 矢野智子
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この記事を取材したフォトライター
矢野 智子
1970年、愛媛県今治市生まれ。松山市在住。 大学時代を京都で過ごした後愛媛に戻り、システムエンジニアとして年の半分以上は県外出張という旅人のような生活を20年近く続けました。 退職後、愛媛を紹介する本を友人と作ったことをきっかけに、自分の「夢」と愛媛の魅力を再発見。地元出版社で編集のイロハを学び、現在は自らを「ことばのデザイナー」と称しフリーで活動中。書く、作る、伝えることに力をそそいでいます。
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