元郵便局の町屋を生かしたカフェ『道後の町屋』
道後温泉本館を起点に、直角に走る道後商店街(通称、道後ハイカラ通り)。年中、たくさんの観光客が行き交う通りには地元のおみやげ店、飲食店、銘菓が並ぶ和菓子店など、新旧入り混じって、立ち並んでいます。
その一角にあって、地元民に愛されるのが、今回ご紹介する『道後の町屋』さん。名物の『坊っちゃんカラクリ時計』がある入口から歩いて2分、レトロモダンな外観が目印です。
元郵便局だった町屋がカフェとして生まれ変わったのは2006年のこと。うなぎの寝床のように、表は狭いけれど奥行きがある構造を生かし、入口側は椅子席の空間、ガラス戸をはさんで、敷石をたどった先に広い和室があります。
ノスタルジックな雰囲気のなかに、アート作品(写真上のガラス面に施された図柄は、BAKIBAKI氏の作品)も散りばめられていて、空間だけでも見ごたえあり。
こちらが店奥の和室の景色。縁側のテーブル席に座れば、目の前に庭園が広がり、開放感たっぷり。
ハンバーガーが約10種類。おすすめの『瀬戸内の鯛カツバーガー』
道後の町屋のフードメニューは、ハンバーガーが中心。地元の食材をオリジナルのバンズではさむボリュームたっぷりの一品です。
おすすめは、『瀬戸内の鯛カツバーガー』(税込1,240円、ドリンク付き)。ここ最近は、刺身で味わう『宇和島風鯛めし』の人気がすさまじいですが、この鯛カツバーガーも観光客に人気のご当地グルメです。
ふわふわの鯛の身に、サクッと衣の好相性。バンズは厚みがありほおばる楽しみもありながら、軽やかな食感。食べても重たくならない、さわやかなハンバーガーです。
飲み物はブレンドコーヒーをセレクトしました。なんと、道後の町屋は『ウレシヤ珈琲』の屋号で、自家焙煎もしているのです。もちろん、焙煎豆も買うことができますよ。
オーナーはロースター。自家焙煎のコーヒーも堪能。
こちらが、店主で焙煎士の三好康さん。南アフリカでNGO活動していたワールドワイドな三好さんは、実家だったこの建物で、「道後のために何かできないか」と地元民と観光客がゆっくりできるカフェをはじめました。
ロケーションとフードのおいしさで、たちまち道後の人気カフェに。もともと、深く追求する思考の持ち主の三好さん。「何かで自分自身、極めたい」と思っていたところ、たどり着いたのがロースターの道でした。松山市の焙煎所からアドバイスを受けながら1年かけて焙煎を学び、2017年、焙煎所をつくりました。
「コーヒーにこだわっていますが、コーヒー好きなひともそうでないひとも両方楽しめるカフェでありたい。顔が見える食材をできる限りつかい、大切に提供したいと考えています。食と、それを媒介にすごす時間を味わってほしいです」と三好さん。
通りと日常の喧騒から放たれる、町屋の空間でぜひゆっくりと過ごしてくださいね。
道後の町屋
住所/愛媛県松山市道後湯之町14-26
定休日/火曜日、第3水曜日
営業時間/10:00~21:00(フードL.O.20:00、ドリンクL.O.20:30)
電話/089-986-8886
http://www.dogonomachiya.com/
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
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この記事を取材したフォトライター
ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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