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内と外が一体になった森の中の古民家で、素晴らしい宿泊体験/せとうち古民家ステイズHiroshimaこざこ森(広島県庄原市高野町)

内と外が一体になった森の中の古民家で、素晴らしい宿泊体験/せとうち古民家ステイズHiroshimaこざこ森(広島県庄原市高野町)

写真提供:Shuhei Miyahata [Setouchi Editorial Institute]

中国地方を代表する雪深い里山・庄原市高野町に建つ古民家

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2020年春、広島県庄原市高野町の神野瀬川に注ぐ小さな谷川の先に、古民家を改装した新しい宿泊施設『こざこ森』がオープンしました。場所は、尾道松江線(松江自動車道)・高野インターを降りて車で10分ほど。大変アクセスのよい立地ですが、建物の周りにはコナラなどの落葉広葉樹を主体にした美しい里山の風景が広がっている、とても自然豊かなところです。

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庄原市高野町は広島県内でも特に雪深い場所として知られています。山嶺を北に越えれば、すぐそこは島根県。特産品はりんご、大根、それにトマトといった農産物です。最近ではホップを栽培し、それを使用した地ビールを醸造している若い農家さんもいたりして、とてもクリエイティブで豊かな農村地帯という印象です。IターンやUターンといった移住者も多いとか。

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庄原市高野町を東西に貫く神野瀬川の川筋に沿って田畑が広がり、山裾には赤い石州瓦を屋根に乗せた家々がポツポツと立ち並んでいます。山々から流れ出る雪解け水が豊かな大地を潤し、人々はここでずっと農業を主体にして生きてきました。

開放感が素晴らしい、原初的な力強さの茅葺き古民家

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『こざこ森』の「こざこ」とは漢字で書くと「小迫」。この家のかつての屋号だそうです。「迫」は山間の小さな谷という意味で、おそらくこの場所を形容した言葉だろうと、地元の人が教えてくれました。

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建物は築およそ100年の民家。このあたりで伝統的な茅葺き屋根をもつ入母屋造の建物です。屋根は急勾配で、改修に先立ってここを調査した住宅医さんによれば、屋根に乗った積雪を効率的に落とすための、豪雪地方らしい家型であるとのことでした。

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玄関から入って見上げてみると、太い屋根梁と細い桁が荒縄で整然と結束されている小屋組が現れます。力強く、原初的な美しさです。この自然の中、この屋根の下で人々は脈々と生きてきたのだなあ、ということを実感します。この美しい小屋組を見せるために、『こざこ森』では多くの部分に天井を張らないリノベーション設計をしたのですね。

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迫力のある大屋根ですが、室内は不思議と軽やかでカジュアル。広いリビングから外を見やると、大きなガラス張りの窓から外の自然が迫ってきます。この窓はすべてまとめて引き込むことができ、ほぼフルオープンの状態に。室内と屋外の床の高さが揃えられているおかげで、内と外がより一体化して感じます。まるで大きなあずま屋の下にいるようです。季節のいい時にはこうして窓を全開にして過ごすのが、もちろんおすすめ。吹き抜けの高さと相まって、素晴らしい開放感です。

大屋根の下で、豊かな自然を楽しみながら

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土間には円形にソファが設えられ、その中心にはファイヤーピットが設置されています。外の緑と穏やかな炎を交互に眺めながら、ここに座ってコーヒーやビールを片手に談笑する宿泊者の姿が目に見えるようですね。この炎で料理などはできませんので、食事をつくる際には付属のキッチンをお使いください。

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リモートワークや最近流行りのワーケーションにもぴったりな環境です。Wi-Fi完備で快適にインターネット接続ができます。電話回線は室内では繋がりにくいですが、自由に使える固定電話が設置されているので安心です。
しかし、もしかするとここでは電話が繋がらないほうがいいかも? 突然鳴り響く着信音にとらわれない、非日常のワークスタイルを実現できそうです。

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小型犬に限られますが、ペットも同伴して過ごせます。日中は外で自由に走り回り、夜は土間で一緒に時間を共有しましょう(土間では用意してあるゲージに入れてあげてくださいね)。

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定員は最大8名。ベッドは2部屋に計5台あり、残りの方にはお布団が用意されています。

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キッチンにはIHクッキングヒーターとトースター、冷蔵庫が備え付けられているので、簡単な調理が可能です。朝食用には地元で焼かれたパン、庄原市高野産のフルーツを使ったジャム、ヨーグルトなどが準備されます。

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明かりの少ない山間部だから、夜は文字通り満天の星空。日が沈み暗くなって外に出てみると、南の空にひときわ明るくシリウスが輝いていました。運が良ければ流れ星も見つけられるかも。

『こざこ森』の周辺にも楽しみ方がいろいろ

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『こざこ森』の周辺には大鬼谷オートキャンプ場があります。キャンプのほか、木を利用したアスレチック「 ツリーアドベンチャー」も楽しめますので、お子さま連れの方はぜひ。

また周辺はりんごの産地。いくつかの観光りんご園があり、秋の収穫シーズンにはりんご狩りもおすすめです。外食する場合は、車で5分ほどのうどんとおむすびのお店『ふるさと茶屋』へ。地元のお母さんが切り盛りしています。庄原市高野産コシヒカリを使用した白おむすびは、この美しい旅の思い出になる素朴な美味しさです。

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洗練された一棟貸しの宿ですが、大人数で泊まると一人当たりはとてもリーズナブル。仲の良い数家族での利用、あるいは学生さんたちの合宿などにもぴったりです。ぜひこの良さを体感してみてくださいね。

関連地域

広島県

「嚴島神社(宮島)」と「原爆ドーム」という2つの世界遺産を有し、国内外から多くの旅行者が訪れる広島県。広島風お好み焼き、牡蠣、レモンといった定番グルメから、化粧筆の代名詞ともなった熊野の筆づくり、かつての軍港の姿を残す呉の街並み。根強いファンが多い地元球団やサッカーチームの観戦も見逃せません。また近年では、サイクリストの聖地「しまなみ海道」や、連なる島々を飛び石に見立て名付けられた「安芸灘とびしま海道」など多島美景観を実際に体験・体感できる観光も人気です。