世界唯一の美しい構造を持つ木造アーチ橋/錦帯橋(山口県岩国市)

山口県の玄関口、岩国市。
ここに世界でも珍しい木造の五連アーチ橋「錦帯橋(きんたいきょう)」が架かっています。

作ったのは岩国三代目藩主、吉川広嘉(きっかわひろよし)。
作られたのは江戸初期、今から約350年前のことです。

岩国藩は当時、石高3万石。
そんな小さな藩がどうしてこんな立派な橋を作ることができたのでしょうか?

不思議ですが、その理由はいたってシンプル!
「流されない橋を作りたかったから」です。

錦帯橋は豊富な水量を誇る錦川をまたいでいます。
川幅は約200mと広く、過去2度も洪水で流失しています。
そのたびに大幅な改良が施され、また江戸から続く定期的な架け替えで少しずつ構造が見直され、
現在のカタチになりました。

流されやすい橋だったからこそ、技術が継承され、
世界に類を見ない橋が完成したとも言えるのです。

錦帯橋は「口伝(くでん)」によって作られています。
というと秘技みたいですが、「口で伝える」というそのままの意味です。

中央の三連アーチは「カテナリーカーブ」といい、「紐の両端を持ち、ぶら下げた時のたるみを引っくり返した形状」をしています。
重力に逆らわない自然なカタチなので強度がとても高いのだとか。
この美しい曲線を生み出しているのが「口伝」です。

経年変化による木材の反りや劣化、長年の加重による沈降を考えてのミリ単位での調整。
使用する材によっても、また同じ種類の木材でもそれぞれ特徴が違います。
そのクセを見抜いての微調整は大工職人の経験と勘でしかできません。

こうした図面には落とせない、
錦帯橋大工に口から口へ継承されている数百年分の経験知が「流されない橋」を支えているのです。

自然なアーチを描く錦帯橋は、山や川などの自然の風景としっくり馴染みます。
春は桜、夏は鵜飼のかがり火、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々いつ訪れても飽きません。

季節ごとにイベントが開催されており、なかでも『錦帯橋まつり』は絵巻物からそのまま飛び出てきたような大名行列が繰り広げられます。
約350年もの間、受け継がれてきた錦帯橋がつむぐ岩国の原風景です。


【おいでませ!山口】
錦帯橋(国指定文化財・名勝)
住所/山口県岩国市岩国1
入橋券(往復のみ)/
中学生以上 個人300円・団体250円
小学生 個人150円・団体120円
※ロープウェー(往復)、岩国城とのセット券もあります。
営業時間/8:00~17:00
※観光シーズン中は18:00まで。夏期は19:00まで。
※料金所に人がいない時間は、夜間料金箱に料金を入れてお渡りください。
HP/http://kintaikyo.iwakuni-city.net/

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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