「大和で飲んだ珈琲は美味しかったなぁ」
戦後、昴珈琲店創業者が喫茶店を営んでいた頃、元戦艦大和の乗組員で、砲手をされていた常連さんから発せられた言葉だった。
その言葉に動かされ、「艦上で出されていた珈琲を再現したい!」その一心で、5年の歳月をかけ、当時の大和の補給記録をたどり、
実際に東南アジア諸国を回って豆を集め、何度も試行錯誤を繰り返した上、ようやく再現出来たのが『海軍さんの珈琲』なのだ。
「この一瞬」が最期かもしれない…そんな覚悟が余儀なくされた艦上で、ひとときの心の安らぎを与えてくれた「珈琲」なのかもしれない。
その珈琲を口に含むと、私達が今こうして生かされていることへの感謝の気持ちが、自然と沸いてくるのである。
昴珈琲店の代表的な『海軍さんの珈琲』と共に、店頭には30種類以上の珈琲が並ぶ。
2代目店主自らアフリカ、ブラジルなど、原産国の農場に直接足を運ぶ。農場で豆と向き合っている時に浮かぶ顔は、お店に来てくれるお客様達の顔。
「あの方達に喜んでもらえる珈琲を提供したい」
『海軍さんの珈琲』が誕生した時と同様、目の前の顧客を想う気持ちの厚みは、創業以来一貫して受け継がれている。
そんな気持ちで選定され、店頭にやって来た珈琲豆は、一粒々がまるで笑顔で話しかけてくるかの様に感じてしまうのだ。
音楽を選ぶ様に、珈琲を選ぶ。
世界中でも類をみないであろう昴珈琲店の店内製造「フレッシュバック」。
30種以上の味をそれぞれの原産国の味・香りをイメージしたデザインで包んだドリップ珈琲。
綺麗に包まれた出来立てドリップ珈琲がその場で購入出来る。
今はこのデザインの気分♪と、直感で選ぶのもいいし、味わいのマトリックス表で今求める味を選ぶのも楽しい。
1パック100円(税抜)で、心豊かな時間を過ごしてみる。自分に、そして大切な方へ、「珈琲時間」のプレゼントとしてもおすすめ。
決して変わらないものと、時代と共に進化するもの。
そのバランスがとても心地良い形で調和している『昴珈琲店』。
物語が大切に受け継がれている場所だからなのか、ここは何度でも戻ってきたくなる不思議な空間。
併設されたコーヒーハウス『1959店』では、淹れたての珈琲が楽しめる。
この空間で頂く『海軍さんの珈琲』、格別な味わいなので、その感覚を是非試していただきたい。
■呉昴珈琲店
URL:http://www.subarucoffee.co.jp/
瀬戸内フォトライター
写真/江崎誠(㈱RainbowSake)
記事/菅波葉子(㈱RainbowSake)
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
この記事を取材したフォトライター
Rainbow Sake
菅波葉子 ㈱RainbowSake 菅波葉子(広島県出身) 2011年ハワイから帰国後、広島県に帰郷。 日本国内&ハワイの広告会社勤務の後、日本酒を海外に普及するPR会社㈱Rainbow Sakeを立ち上げました。 『SAKEで世界を笑顔で繋ぐ』その架橋になりたい!という想いで、日本とハワイ・シンガポールを中心とした海外を行ったり来たりしています。 帰国する度に地元の魅力を再発見し、瀬戸内海の心安らぐ穏やかな景色、新鮮で素朴な海の幸&山の幸に癒されています。 ㈱Rainbow Sake http://www.rainbowsake.com
Hashtags
旬のキーワード