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徳島有数の観光スポット“鳴門の渦潮”満喫コース/徳島県鳴門市

徳島有数の観光スポット“鳴門の渦潮”満喫コース/徳島県鳴門市

徳島県の観光名所といえば、真っ先に名前が挙がるのが“鳴門の渦潮”。

孫崎と淡路島との間にある鳴門海峡は幅が約1.3kmと狭く、海底の地形が複雑になっているため、中央と両岸付近では潮流の速度が大きく異なることから、満潮時と干潮時のそれぞれに渦が発生するのだそう。

今回は“鳴門の渦潮”をさまざまな角度から満喫できるコースをご紹介します。

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鳴門海峡を含む付近一帯は瀬戸内海国立公園に指定されていますが、そのなかでも鳴門山を中心とするエリアが“鳴門の渦潮”の鑑賞にぴったりの鳴門公園。

園内には絶好のビューポイントや施設が点在しており、そこを回るだけでも楽しい時間を過ごすことができますよ。ちなみに鳴門公園の駐車場は500円で1日駐車できるため、周辺の海岸などを散策する際にも便利です。

全長68メートルの観光用エスカレーター(エスカヒル・鳴門)

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最初に向かうのは、鳴門公園の第1駐車場のすぐ前、横断歩道を渡ったところにある観光施設「エスカヒル・鳴門」。鳴門山の山頂へ向かうシースルー・エスカレーターが有名で、1989年の開業当時には東洋一の長さだったそうです。

1階にはアイスクリームショップのほか、特産品売り場があり、地元の名産「鳴門わかめ」など、いろいろな土産物を購入することができるようになっています。

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1階の奥にあるエスカレーター乗り場から上を見上げてみましたが、目を凝らしてもまったくゴールが見えません……。

それもそのはず。全長が68メートル、高低差が34メートルもあり、観光用エスカレーターとしては日本第2位。ちなみに第1位は香川県丸亀市の「ニューレオマワールド」にある「マジックストロー」と呼ばれるエスカレーターだとか。四国に1位、2位があるのもすごいですね。

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シースルー・エスカレーターを下りて階段で向かう屋上は、鳴門公園の展望台でもっとも高い位置にある「屋上360°パノラマ展望台」です。写真のように天気が良ければ、大鳴門橋や“鳴門の渦潮”だけではなく、和歌山県の方までくっきりと見えるそう。

すぐ裏にある無料の「鳴門山展望台」の眺望は抜群ですが、タイミングによっては、渡り鳥の写真を撮影するアマチュアカメラマンの撮影スポットになっているため、こちらの方がゆっくりできるかもしれません。

大鳴門橋と渦潮を楽しく学ぶ体験型ミュージアム(大鳴門橋架橋記念館エディ)

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続いて向かうのは「大鳴門橋架橋記念館エディ」。
こちらは“鳴門の渦潮”のメカニズムや大鳴門橋の歴史や構造などを、わかりやすい展示やアトラクションで教えてくれる3階建ての体験型ミュージアムです。

円形の特徴的な建物の中は、渦を模したらせん状の順路を進んでいくようになっています。2018年に大規模な改修が施され、より魅力的な施設として生まれ変わりました。

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たとえば、円形劇場「4K360°シアターawa」では、直径約9メートルという大きな全周囲スクリーンに6台のプロジェクターから美しい映像を投影。迫力に満ちた映像で徳島県各地の代表的な観光地や風物を体感してください。

特にこのスケールで映し出される“阿波おどり”は必見。そのほか、VRゴーグルでバーチャル観光体験ができる「VR観光体験とくしまTrip」やプロジェクションマッピングによる双方向型デジタルアトラクション「Play the Eddy!」などもおすすめです。

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鳴門海峡を探索する映像に連動して機体が動く16人乗りの空飛ぶ潜水艇「うず丸」は、子供たちから大人気の体感型アドベンチャー・シミュレーター。上空から見る鳴門海峡や海中から見る“鳴門の渦潮”など、楽しみながら勉強になるとあって、何度も繰り返して乗る人もいるとか。

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「大鳴門橋のできるまで」と題した展示では、豊富な映像資料や実物大のパーツ模型などで、1985年に開通した「大鳴門橋」について深く知ることができます。

この周辺で暮らす人々にとって「鳴門海峡に橋を架けたい」という願いは、とても強かったといいます。大正年間には衆議院に架橋議案が提出されたそうですが、当時は実現できる技術がありませんでした。建設に携わった人々の思いや努力を「大鳴門橋架橋記念館エディ」で楽しく学んでみてください。

橋の下につくられた海上遊歩道“渦の道”(大鳴門橋遊歩道 渦の道)

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「大鳴門橋架橋記念館エディ」からトンネルのある坂道を下っていくと、やがて見えてくるのが「大鳴門橋」。

実はこの橋は神戸淡路鳴門自動車道になっている上部と、鉄道(四国新幹線)を通すことも考えられてつくられた下部の2層構造になっており、下部の空間を活用して2000年にオープンしたのが「大鳴門橋遊歩道 渦の道」です。

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こちらが「大鳴門橋」の下部空間。車道の下にもう一つの空間が存在しているのがわかるでしょうか?

「大鳴門橋遊歩道 渦の道」は、全長約450メートルの海上遊歩道と展望室がある観潮施設。一番奥の展望室までは15分ほどかかります。海風の吹き抜ける構造の海上遊歩道は、晴れていても肌寒さを感じることがあるため、何か羽織るものを持っていくといいでしょう。

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展望室の大きな窓からは“鳴門の渦潮”や、そこへ近づく観潮船などを見ることができます。園内広しといえども、この角度からの光景は「大鳴門橋遊歩道 渦の道」でなければ、おそらく見られないはず。ガラスの映り込みも多少ありますが、フォトスポットとしても見逃せません。

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そして、展望室のガラス床からは、約45メートルの高さから真下に“鳴門の渦潮”を見ることができるんです。ワイヤーの入った大型強化ガラスは約1.2トンまでの重量に耐えられるそうですが、高所恐怖症の方にはおすすめしづらい光景です。

それでも、真上からの“鳴門の渦潮”は、本当にここからしか見ることができません。勇気を出して覗いてみてくださいね。

大迫力のうずしおクルーズを体験しよう(うずしお観潮船)

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最後はやはり海の上や海の中から“鳴門の渦潮”を見に行きましょう!
車で海沿いの道を走って亀浦観光港までは数分の道のり。「うずしお観潮船」と書かれた長方形の建物とバス停のある広い駐車場が目印です。基本的には一本道なので、迷ったりすることはないと思います。

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こちらの「うずしお観潮船」で乗船できるのは、大型の「わんだーなると」と小型の「アクアエディ」の2種類の観潮船。定員が399名と大人数が乗船できる「わんだーなると」は一日に12便が就航し、予約は不要となっています。

一方の「アクアエディ」は、一日に15便が就航する完全予約制。こちらは船底に水中展望室を持ち、何と海中からも“鳴門の渦潮”を眺めることができる小型水中観潮船なんです。

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潮の流れが激しい鳴門海峡では船酔いも心配です。2基の1000馬力エンジンを搭載した「わんだーなると」は、大型船だけあって揺れが少ない点もポイントの一つ。渦の真上まで接近するため、きっと忘れられない思い出になるでしょう。

2階には別料金の一等船室があり、専用の展望デッキからは、混雑する心配なく、大迫力のうずしおクルーズを楽しむことができます。

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そして、こちらが小型水中観潮船の「アクアエディ」。高速航行が可能で、より小回りが効くため、大型船「わんだーなると」とはまた違った“鳴門の渦潮”体験が待っています。定員が46名と少ないことから、大きな渦が発生しやすいシーズンは予約が難しいときもあるとか。

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まるでプラネタリウムのような「アクアエディ」の船内。水面下約1メートルの光景が見える水中展望室を備えているため、渦の中に入ったときには、水流の中で美しい泡が竜巻のように動く様子を眺めることができるでしょう。もちろん、デッキから“鳴門の渦潮”を見ることも可能です。水上と水中の両方を体験できるのは「アクアエディ」だけなので、ぜひ予約してみてください。

いかがだったでしょうか。
イタリアのメッシーナ海峡、カナダのセイモア海峡と並び“世界三大潮流”と呼ばれる“鳴門の渦潮”。一年のうちでは春と秋の大潮のときが狙い目で、直径が20メートルに達することもある世界最大の渦潮です。

一日のうちで見頃となるのは満潮と干潮の2回。たとえば、最初のタイミングは「大鳴門橋遊歩道 渦の道」、次に「うずしお観潮船」に乗る予定を立てておき、その間に「エスカヒル・鳴門」や「大鳴門橋架橋記念館エディ」を回るコースがおすすめです。見頃となる時間帯は、各施設やウェブサイトの「潮見表」などで確認してください。

瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志

※感染症対策に配慮した上で撮影を実施しています。

関連地域

徳島県

四国八十八ヶ所のスタート地点となる徳島県。東西を山に囲まれ、扇状に広がる徳島平野、その先に広がる瀬戸内海。海の幸、山の幸に恵まれ、新鮮な食材を楽しむことができます。また目を楽しませてくれるのは本場の「阿波踊り」。見て楽しむだけでなく、観光客も参加して楽しむことができるのも魅力の一つです。瀬戸内海が魅せる鳴門の渦潮や、秘境祖谷のかずら橋、大歩危峡の川下りなど、徳島の自然も満喫してください。