海・自然

川と親しむ、川と遊ぶ。所要時間30分のお手軽クルーズ/ひょうたん島クルーズ(徳島県徳島市)

川と親しむ、川と遊ぶ。所要時間30分のお手軽クルーズ/ひょうたん島クルーズ(徳島県徳島市)

ユネスコ本部の庭園にも使われている護岸の青石にも注目!

徳島市でおすすめの観光スポットを聞かれた先に、真っ先におすすめするのが『ひょうたん島クルーズ』。中心部にある川に囲まれた約6kmの中州、通称ひょうたん島をクルーズ船(!?)に乗って1周するおすすめのアクティビティです。

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“クルーズ船”というより水上ボートみたいですが、実はこの船1隻、高級ハイヤー並のお値段だそう。それに300円で乗船できるというところに、徳島県民の酔狂さを感じます。

1周30分程度なので、観光や出張で徳島を訪れた際、バス待ちなどでちょっと時間が余ったというときにもおすすめ。何度も徳島に来ているという人も、川から眺める景色はまた違った魅力があるので、ぜひ一度は乗ってみて。

そのときにぜひ見てほしいのが護岸の阿波青石(緑色片岩)。徳島は良質な青石が採れる場所として知られ、徳島城の石垣にも使われている他、イサムノグチが作庭したパリ ユネスコ本部の庭園にも、阿波青石が使われています。

市民団体の郷土愛が活動の源

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『ひょうたん島クルーズ』の出発点は両国橋北詰。JR徳島駅から徒歩10分くらいの場所です。

『ひょうたん島クルーズ』を運営しているのは『新町川を守る会』というNPO法人。かつて新町川はドブ川といわれ、新町川を渡るときは鼻をつまんで駆け抜ける人もいるほど、悪臭漂う川でした。そんな川からゴミを拾いあげ、根気よく清掃活動を行った結果、今では寒中水泳大会も行われるほどに。エイなどの魚が泳ぐ姿も見えるキレイな川になりました。

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代表理事の中村英雄さんを始め、メンバーのみなさんは今でも台風の後など、瓦礫の処分など清掃活動を続けています。自分たちが暮らす街への愛情が原動力となり、『ひょうたん島クルーズ』もライフワークの一環となっているそう。

徳島初の水上タクシーとして運用スタート

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そんな『ひょうたん島クルーズ』を水上交通として活用し、県内の文化施設をまわり、徳島での観光をより楽しんでもらおうという取り組みが2021年、夏季限定で行われました。

プロジェクト名は『ひょうたん島Summer TAXI』。徳島初となる水上タクシーは、通常の『ひょうたん島クルーズ』の運航エリアにプラス、イオンモール徳島やアスティ徳島などの主要施設からも乗り降りできるようにし、船着き場も増設。

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中でも私のイチオシは阿波十郎衛兵屋敷のルート! 吉野川の河口を渡って行くのですが、穏やかな中州と違い、スピードもアップし、その疾走感がたまりません! 吉野川といっていますが、感覚的には海です、海! 水しぶきを上げて爆走する感じは、ちょっとしたアトラクションです。

『ひょうたん島Summer TAXI』は都市部にあるような水上タクシーと違い、天候や潮の満ち引きによって運航できないときがあるというのも、ご愛嬌。2022年は4月29日(祝・金)からの運航を予定しています。

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目的地となる阿波十郎衛兵屋敷は2022年2月に展示室や設備をリニューアルし、大型スクリーンが設置も設置。デジタル襖からくりの上映も始まりました。

襖からくりは農村の芝居小屋にあり、祭りのときなどに披露されていたもの。襖が回転したり、上昇して入れ替わりながら、巧に作品を構成します…… といってもイメージつきにくいと思うので、百聞は一見にしかず。水上タクシーを利用して、ぜひご来館ください。

瀬戸内Finderフォトライター 飛田 久美仔

※感染症対策に配慮した上で撮影を実施しています。

関連地域

徳島県

四国八十八ヶ所のスタート地点となる徳島県。東西を山に囲まれ、扇状に広がる徳島平野、その先に広がる瀬戸内海。海の幸、山の幸に恵まれ、新鮮な食材を楽しむことができます。また目を楽しませてくれるのは本場の「阿波踊り」。見て楽しむだけでなく、観光客も参加して楽しむことができるのも魅力の一つです。瀬戸内海が魅せる鳴門の渦潮や、秘境祖谷のかずら橋、大歩危峡の川下りなど、徳島の自然も満喫してください。