日本で最初に女帝とよばれた人を知っていますか?
それは、14代仲哀天皇の妻、神功皇后です。
仲哀天皇が急死し、夫の代わりに女帝となった神功皇后。
なんと、お腹の中に子供がいたにもかかわらず、戦いに出て新羅を攻め、新羅は戦わずして降伏したと伝えられています。
そんな神功皇后をモデルとした人形が愛媛県松山市にあります。
愛媛の伝統工芸品「姫だるま」。
まずは、工房をご紹介。
姫だるまは、全て職人の手で制作されています。
直径6cm、胴周18cm、高さ8cm。
小さくて可愛い姫だるま。手軽なお値段で、お土産にも最適です。
こちらの方は、この道50年の大勝(姫だるま伝統工芸士名)。
一つ一つ丹念込めて制作する姿がとても素敵です。
姫だるまには二種類あり、男女の対になっているように見えますが、実はこれ、両方とも神功皇后(女性)なのです。
この二種類の違いには諸説あります。
こちらでは、赤い着物の方が、お腹の中に子供を宿した姿。黒い方は、男装をして戦いに行った姿だとされています。
そこで、赤い着物の姫だるまは、安産祈願や縁結びのお守りに。黒い着物の姫だるまは、必勝祈願などに人気があります。
昔、愛媛では、姫だるまは福を呼び込む縁起のよい人形として、どこの家庭にも飾られていました。
神功皇后は、伊予の国でご解任がわかり、安定期を過ぎるまで、道後の湯に浸かりながら一番幸せな時期を過ごした―
その言い伝えを元に制作され、結婚する女性へのプレゼントや、安産のお守りとされていました。
江戸時代頃は、胴体と同様に衣装も木で制作されていましたが、昭和30年頃から、衣装は現在の金襴(金切箔または金糸などで紋様を織り出した美麗豪華な織物)になりました。
今上天皇がご成婚の際、美智子妃殿下のご実家におくったことが話題になり、大ヒットしたことも。
こちらは、姫だるまのニューバーション「あいちゃん」。
ストラップや、マグネットなど、あいちゃんグッズも人気。
また、願い事を叶えてくれる「あいちゃん願い札」が密かなブームになっています。
ネットショップでも購入できるので、全国から願い事が送られてくるとか。
神功皇后をお祀りする、道後伊佐爾波神社に奉納されます。
みんなの幸せを願って一つ一つ心を込めて制作される「姫だるま」。
神功皇后という伝説の女性のその生き方、想いが込められたお人形。
これからも、ずっと絶えることなく受け継がれていって欲しいですね。
姫だるまと和雑貨のお店「港や」
所在地:愛媛県松山市大街道3-8-1
(松山城ロープウェイ乗り場のすぐ前)
電話:089-932-5784
営業時間:9:30~17:30
休日:無休
HP:http://www.matsuyama-minatoya.jp/
瀬戸内Finder フォトライター 大橋麻輝
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瀬戸内Finder 編集部
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