世界的ホテリエが手掛ける旅館で、しまなみ海道・瀬戸田の魅力を体感/Azumi Setoda&yubune(広島県尾道市)

瀬戸田港から徒歩2分の旅館『Azumi Setoda』

しまなみ海道の中心に位置する瀬戸田町・生口島(いくちじま)。全国No.1のレモン生産地としても知られている島です。

そんな生口島の玄関口である瀬戸田港から徒歩2分の場所に2021年、築140年の屋敷『旧堀内邸』を改装した旅館が誕生しました。かつて製塩や廻船問屋として財を成した堀内家。往時の雰囲気に現代の感性が加わった上質な宿をご紹介します。

レトロな商店街の入口に建つ、築140年の屋敷

瀬戸田港から始まる、レトロな商店街『しおまち商店街』。この入口にオープンしたのが、旅館『Azumi Setoda』です。
世界的なラグジュアリーホテルを手掛けるエイドリアン・ゼッカ氏が立ち上げた旅館ブランド〈Azumi〉。同ブランドの第1号目となる『Azumi Setoda』は、瀬戸田の豪商・堀内家が明治9年に建てた『旧堀内邸』を日本の伝統建築手法で改装した宿です。

ずっしりと重厚な佇まい。この地で長い歴史を刻んできたことが伝わってきますね。

まずはフロントでチェックインを。ここでひときわ存在感を放っているのが、瀬戸内海をイメージした壁面。「大津磨き」という伝統的な左官技法によって作られたものだそうです。

食事は、かつて広間だったダイニングルームで

フロント横に広がるのは、庭に臨む広々としたダイニングルーム。ゲストは皆ここで、夕食・朝食をとります。
元々この空間は、親族や客人が集まる広間だったそう。同じ日に宿泊する人々とともに、宿主のおもてなしを受けながら食卓を囲む…。100年前もこんな風に、皆でなごやかに食事を楽しんでいたのかなと、なんだかノスタルジックな気持ちになります。

フレンチの技術を取り入れた料理は地元野菜が主役

夕食ではフランスの星付きレストランで修業したシェフによる、野菜を主役にした料理が楽しめます。
料理には、できる限り宿から半径50km圏内で育まれた食材を使用。シェフが生産者のもとに直接足を運び、作り手のこだわりなどを聞いて理解を深めた上で、「この土地ならではの風味」をお皿の上に表現します。

供されるのは、フレンチの技法を用いて、一つの野菜が秘める多彩な魅力を活かした品々。どの部位も極力無駄にせず、さまざまな調理法を駆使して食感や香り、甘み、苦みなどの持ち味を余すところなく引き出しています。瀬戸内海の魚介とともに、この土地で育まれた美味を深く堪能できます。

堀内家でかつて実際に使われていたお皿や調度品に盛り付けられているのも素敵。

ダイニングルームの他にも、館内には小さな子ども連れのファミリーや小人数でのお祝い会などに最適な2つの個室と東屋があります。
夜は食事だけの利用も可能です(1人18,150円、3日前までに要予約)。
予約利用のないときは、宿泊客用にラウンジとして開放されています。

「蹴鞠の庭」をイメージした風流な中庭

ダイニングから見える中庭は、蹴鞠をするための庭「鞠庭(まりば)」をイメージしているそうです。
四隅に4種類の木を植栽する鞠庭の伝統様式にならい、河津桜、いろは紅葉、しだれ柳、黒松が植えられています。風流な景観が心を落ち着けてくれます。

そして中庭の周りを囲う高い垣根は、伝統的な「鞠垣(まりがき)」を模して作られています。スタイリッシュな垣根の向こうには宿泊棟が建ち、その客室に入る自然光や風をこの垣根がほどよく調整するとともに、プライバシーを守る役目も果たしています。日本の伝統建築のデザイン性と実用性に驚かされますね。

特に間仕切りなどもなく、吹き抜けになっている屋敷内はゲストが自由に行き来できます。
建築当時の立派な梁などが活かされ、堀内家に伝わる骨董品がさりげなく飾られた空間でコーヒーを飲んだり、読書したり…思いおもいに過ごしてください。

新設の宿泊棟には3タイプのゲストルーム

ゲストルーム22室を備える宿泊棟は新設。部屋のタイプは『庭』『涼』『空涼』『庭涼』の4種類があります。
宿泊棟のエントランスから、プライベート感&リラックス感が増す空間に切り替わっていきます。

こちらの客室は『庭』。周囲の喧騒がシャットアウトされた、おこもり感ある空間です。
『庭』タイプは全室に箱庭があり、秋は紅葉、梅雨時期はアジサイなど、四季折々の表情が楽しめます。

『涼』の部屋。こちらは天井が高くて開放的な空間です。どの部屋もそうなのですが、シンプルで洗練されたデザインとふんだんに使われた天然木の温かな雰囲気、それから寝心地抜群のベッドが心と体をふっと解きほぐしてくれます。

『涼』の部屋には夕涼みできるバルコニーが備わっています。海からの心地よい風に当たりながら、いつまでも寛ぎたくなりますね。

部屋のタイプを問わず、全客室にヒノキ風呂を完備。ヒノキの凛とした香りに包まれ、箱庭や情緒ある景観を眺めながら入浴する時間はまさに至福のひととき……。
入浴は向かいに建つ銭湯『yubune』を利用することもできます。

各部屋に備わるミニバーサービスのドリンク。「地元」にこだわったラインアップです。

ぐっすり眠った翌朝は滋味深い和朝食を

翌日は朝7時から朝食が味わえます。6時間かけて魚のアラからとった出汁と大崎上島(広島県)の麦みそで作る味噌汁をはじめとした滋味深い和朝食は、起き抜けのカラダに染み込んでいくよう。

瀬戸田らしさを五感で味わうアクティビティ

瀬戸田や瀬戸内の風土を満喫できるアクティビティが充実しているのも『Azumi Setoda』の魅力。

例えば、世界中のサイクリストを魅了するしまなみ海道をガイド付きで駆け抜けるサイクリングツアー。
レモン栽培で有名な島内の『レモン谷』を登り、生口島と大三島(愛媛県)を繋ぐ『多々羅大橋』を渡れば、爽快感を全身で感じられるはず。

淡いオレンジ色に染まる海や島を眺められる貸し切りのサンセットクルーズや、船体と海との距離が近く冒険心をくすぐられるカタマランヨット(双胴船)でのセーリングなどもオススメです。


Azumi Setoda(アズミ セトダ) 
住所/広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269
電話/0845-23-7911
駐車場/宿泊者専用あり
https://azumi.co/setoda/ 

センス抜群の泊まれる銭湯『yubune』

『Azumi setoda』の真向かいに作られた『yubune』。ここは「泊まれる銭湯」なんです!

入館してまず目に入るのが、おしゃれな雑貨。『yubune』オリジナルグッズをはじめ、瀬戸田の素材を取り入れた天然由来の石鹸や、しまなみ海道沿い・向島の『向島東製陶磁所』が作る「塩壺」などが販売されています。どれもお土産にぴったり。

館内奥には癒やしの植栽も。

日帰り利用OK!壁画が可愛い浴場&サウナ

館内にはデザインの異なる2つの浴場があり、毎日、男湯と女湯が入れ替わります。美術家・ミヤケマイさんが手掛けた壁画は、それぞれ瀬戸田の昼の海(写真上)、夜の海(写真下)を表現しているそうです。悠々と泳ぐ海の生き物たちの可愛らしいこと!

日帰り入浴ももちろんOK。タオルや化粧品などの有料貸し出しもあるので、手ぶらで行けちゃいます。
天井が高く、自然光が差し込む大浴場での昼風呂は最高に気持ちよかったです!

専門家が監修したサウナも、サウナ愛好家に人気だそう。「整いたい」人はぜひ利用してみてください。

旅の目的に合わせて選べる3種類の客室

2階には、全14室の客室があります。
部屋のタイプは、一人旅やワーケーションにも最適な『小間』、部屋の入口から床が地続きになっていて自転車や釣り道具を持ち込みやすい『土間』、座椅子と堀りごたつを備えた『居間』(写真)の3種類。

ちなみに『yubune』でもアクティビティを用意していて、サイクリングツアーや近隣のお寺での禅体験などが楽しめますよ。

おしゃれなラウンジではマルシェイベントも

2階には宿泊者専用の『yuagariラウンジ』を併設。瀬戸内海の歴史や文化に関する本を読みながらゆったり過ごせます。

ちなみ『yubune』は月に1度、このラウンジと屋外の一部を開放して、マルシェイベント『yuagari marché』を開催しています。瀬戸内海域で活動している生産者や販売者が出店するそう。
お風呂に入って、地元の出店者さんと交流しながら地産のものを買って…。そんな、ローカルに溶け込んだ過ごし方を楽しんでください!


yubune(ユブネ) 
住所/広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269
電話/0845-23-7911
営業時間/7:00〜22:00 ※日帰り入浴は10:00〜20:00
入場料/日帰り入浴…大人:平日900円、土日祝1,200円、子ども:平日450円、土日祝600円、幼児:平日270円、土日祝360円 ※宿泊者無料
定休日/不定休
駐車場/宿泊者専用あり ※日帰り利用は市営駐車場を利用
https://yubune.co/

しまなみ海道・生口島を訪れるなら
瀬戸田の『Azumi Setoda』『yubune』へ

瀬戸田の自然や食、ゆったりとした空気感を満喫しながら、上質なステイが愉しめる2つの宿。大切な人ととの特別なひと時や、気ままな一人旅など、どんなシーン・目的で訪れてもリフレッシュできるはずです。

瀬戸内Finderフォトライター ヒロエ カナコ

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ヒロエ カナコ

ヒロエ カナコ

広島県福山市出身・在住。タウン情報誌の編集を経て、フリーライターとして広島県東部~岡山県西部の「備後地域」と呼ばれるエリアで活動中。 タウン誌時代から10年間、備後のグルメ・おでかけ・ものづくり・企業などを取材し続けています。 原稿を書くときのモットーは「魅力を過不足なく伝える」です。 好きなバンドのライブに行くことが生きがい。

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