広島にもあった!源泉掛け流し温泉スポット巡り/湯来・湯の山温泉郷(広島市佐伯区)

温泉が少ないとされる広島県ですが、広島市中心部から車で50分も走れば行くことができる希少な源泉掛け流し温泉を発見!豊かな自然に恵まれ、潤沢な湧出量を誇る源泉に恵まれた「湯来温泉」と「湯の山温泉」をご紹介します。

江戸時代から湧き続ける霊泉
「湯の山温泉館」

広島市内から車を走らせること約50分。まずは、5代目広島藩主の浅野吉長が1750年に創建した湯治場として知られる「湯の山温泉館」へ。この地に湧き出る源泉は不思議な効能がある霊泉として大切に祀られており、地元民も足しげく通う温泉です。高台にあり、レトロな外観もあいまって秘湯感が半端ありません。

「湯の山温泉館」の右隣奥に見えるのが湯の山明神社の鳥居。ここに滝登りする鯉の彫り物があることから、2018年から広島では「若鯉」と呼ばれる広島東洋カープの新入団選手が参拝するようになったそう。

そばに建つあずま屋のある広場には、選手たちが植樹した桜の木があるそうで、春はここでお花見を楽しめます。連なる山々が織りなす峡谷の景色は壮観の一言です。

さて、神社のお参りを済ませたら、さっそく温泉館へ。入り口には看板猫なのか、たまたま居ただけなのか、人慣れした愛らしい猫がお行儀よく出迎えてくれました。

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泉質は世界有数のラドン含有量とされる単純弱放射能泉。写真は湯の山温泉館名物の地上4m上の岩盤から流れ落ちる打たせ湯。23.5度の源泉そのままなのでちょっと冷たいのですが、内湯で体がしっかり温まった後、冷たい打たせ湯を浴びる、というように交互に入ると気分も爽快。肩こりが楽になると評判です。


湯の山温泉館
住所/広島市佐伯区湯来町和田471
営業時間/9:00~21:00(札止め20:30)
定休日/不定休
日帰り入浴料
大人(12歳以上)1回430円、1日780円
小人(4歳以上12歳未満)1回150円、1日400円
https://www.yuki-lodge.jp/yunoyamaonsenkan.html

大浴場で源泉掛け流しを堪能
『国民宿舎 湯来ロッジ』

次にご紹介するのは、湯の山温泉館から車で10分ほどの場所にある「国民宿舎 湯来ロッジ」へ。宿泊はもちろん、日帰りで温泉を楽しむ観光客や地元民が多く訪れます。

大浴場は檜風呂と大理石風呂の2種類(日替わりで男性、女性と入れ替え)。無色透明無味無臭の単純弱放射能泉を、贅沢な加水なしの掛け流し(加温)で堪能できます。ジャグジーやサウナも完備、大人から子どもまでゆっくり湯浴みを堪能できます。

2つの大浴場のいずれにも雄大な山景色を望む露天風呂が設けられています。喧騒から逃れ、風の音や鳥のさえずりに耳をすませながら湯に浸かれば、身も心もときほぐされていきます。

館内にはレストランもあり、湯来ジビエといわれる猪肉を使ったジビエ料理も味わえるんです!私は猪肉のメンチカツが入っている「猪肉と厚切り茄子のグランドバーガー」(1,280円)を注文。目の前に現れたバーガーは、メニューの写真よりもずっと豪華でボリューミーでびっくり!

猪肉のメンチカツの食感はふわっとやわらかくてクセもなく、肉の味をしっかり感じます。厚切り茄子のフライとチーズ、そして新鮮な生野菜もたっぷり入って、満足感のある一品。スタッフの皆さんもとてもアットホームで居心地のいいレストランでした。


広島市国民宿舎 湯来ロッジ
住所/広島市佐伯区湯来町大字多田2563-1
電話/0829-85-0111
日帰り入浴/10:00~21:00( 最終受付は20:30 )
日帰り入浴料金
大人(12歳以上)/1回750円、1日1,000円
小人(4歳以上12歳未満)/1回300円、1日500円
https://www.yuki-lodge.jp

有志によって再生した名湯スポット
『誠の桧湯(まさのひのきゆ)』 

最後は、打尾谷川沿いの温泉街にある「誠の桧湯」へ。湯来ロッジから続くノスタルジックな小径をお散歩気分で歩いたら、4分ほどで到着します。

打尾谷川は国民宿舎湯来ロッジ裏手にある水内川とともにホタルの生息地として有名な川です。6月中旬頃になるとホタルの乱舞する姿をひと目見ようと、県内外から観光客が多く訪れます。ちなみにここではゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの3種を見られるそうですが、それは全国的にもとっても珍しいそうです。

今回の温泉巡りをアテンドしてくださったのは湯来ロッジ、湯の山温泉館、湯来交流体験センターの3施設の運営母体である東洋観光グループの中曽さん。地元湯来の出身という中曽さんによると、打尾谷川沿いの湯来温泉街はかつて「広島の奥座敷」として栄え、最盛期には10軒以上の旅館や民宿が立ち並んでいたそうですが、現在はこの「誠の桧湯」と「河鹿荘」という旅館1軒を残すのみとなったそう。

「誠の桧湯」も元は、「湯元」という共同運営の無料露天風呂でしたが、ニーズの変化や老朽化により2000年に閉鎖されてしまったのを、この地に惹かれ移住してきた若者や地元の有志が集まり、クラウドファンディングなどで支援を呼びかけ、予約制の貸切露天風呂としてリニューアルしたそうです。

扉を開けるとふわっと檜の香りが鼻腔をくすぐります。なんと浴槽や木桶、脱衣所まですべて湯来町産の檜が使われているのだそう。もちろん、ここも源泉掛け流しの温泉。なんとも贅沢!

ご覧のとおり超開放的な空間ですが、外からは絶対見えない造りになっているのでご安心を。頬を撫でるひんやりした空気が心地よく、制限の1時間たっぷり使って湯浴みを堪能しました。「体の芯まで温まるんですよ」という中曽さんの言葉通り、帰りは着て来たコートもいらないほど、全身ぽっかぽかでした。

そしてこの「誠の桧湯」の数軒先には、人気漫画『スラムダンク』に登場した温泉旅館「みどり荘」があります。漫画の中で、この橋に登場人物たちが立っているシーンが描かれていて、聖地巡礼に多くのファンが訪れています。「みどり荘」は残念ながら2013年に閉館してしまいましたが、復活の道を探る動きもあるとか。ぜひ、「誠の桧湯」のように蘇って、また賑わいを生み出す場所になってほしいですね。


誠の桧湯
住所/広島市佐伯区湯来町多田2563-1
電話/0829-40-6016(湯来交流体験センター受付時間 9:00〜18:00)
営業時間
①10:00∼ ②11:30~ ③13:00∼ ④14:30 ⑤16:00~
定休日
12月29日〜1月3日
料金/4,000円 ※6名様まで
https://yuki-yumoto.com※原則予約制です。ホームページまたは電話で予約できます。

 
瀬戸内Finderフォトライター イソナガアキコ

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イソナガ アキコ

イソナガ アキコ

約10年のWEBディレクター業ののち、2014年よりフリーライター。 撮影を含む仕事も増える中、カメラ熱も上昇中。 2019年、インディペンデントな本屋さんを応援する「あいだproject」を創立。 本や本屋を起点にしたイベントをあれこれ妄想しては実行中。 URL/https://isonaga.wixsite.com/aidapress

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