大人も子供も大騒ぎ。聖徳太子ゆかりの鶴林寺で、新年の鬼追い/刀田山鶴林寺

どん、どん、どん、どん。

長い杖を床に打ち、リズムを刻むのは4匹のかわいい子鬼。それに合わせて、仏様の影から赤鬼と青鬼が登場し、本堂の熱気が一気に高まります。

兵庫県加古川市の鶴林寺(かくりんじ)で平安時代から続く修正会(しゅしょうえ)。この日は、悪い行いを悔い改めるための『悔過(けか)法要』に続き、保存会の人たちによって『鬼追い』が披露されます。修正会とはお正月に執り行われる仏教行事で、前年の反省をして新しい年の天下泰平を願うものです。

鬼は仏様の周りをぐるぐると鬼踊りでまわり、時折参詣者の中に飛び込んで暴れまわります!

赤鬼は激しく斧を振りまわし、怖いのなんのって。ひぇー、本物の鬼の形相ってこれなんですね。
一方、槍を持った青鬼は垂れ目でむっつり黙り込むタイプのよう。赤鬼のインパクトが強すぎて優しい顔に見えます。

鬼を追い払う方法はただひとつ。自らへの反省をこめて大きな声で「どぃやしょー」と叫ぶのです。『ど』が付くほどに卑しいという意味だそう。子ども達の元気な掛け声が響きます。

大人はというと…写真撮影に必死で赤鬼にもたじろぎません。

6周、7周、8周とまわるうちに、ようやく鬼は元気がなくなってきて、後ろに下がり始めます。「どぃやしょー」「どぃやしょー」やれやれ、仏様の力でやっと鬼が改心したようです。

鶴林寺は聖徳太子建創と伝えられる由緒ある天台宗のお寺で、『播磨の法隆寺』とも呼ばれます。本堂と太子堂は国宝に指定されています。

鬼追いの後は、ご住職や鬼追い保存会の人たちによる餅まき。



参詣者が必死に腕を伸ばす、その後ろに写る立派な鐘楼は国の重要文化財です。

帰り際に、列に並んで額に宝印を授けてもらいました。来年まで鬼に出会わずに済みますように!


刀田山鶴林寺(とたさんかくりんじ)へのアクセス
電車・バス/JR加古川駅、駅前3番のりばから「かこバス」で約8分
電車・徒歩/JR加古川駅から南西へ約25分
車/加古川バイパス 加古川ランプから10分。山陽自動車道 三木小野インターから30分。 鶴林寺公園無料駐車場約30台あり

修正会(鬼追い)
詳細/http://www.kakurinji.or.jp/
日時/毎年1月8日13時頃から
料金/当日は入山料無料

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

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堀 まどか

堀 まどか

堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328

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