和のエンターテインメント・人形浄瑠璃をもっと身近に楽しもう!/徳島県立阿波十郎兵衛屋敷(徳島県徳島市)

皆さん、人形浄瑠璃を見たことがありますか?
テレビなどでよく目にするあやつり人形との大きな違いは、1体の人形を主遣い、左手使い、足遣いの3人で動かしていること。細かい役割分担を行うことで、人間以上に人間らしい表現ができるのです。

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なぜそこまで人形にリアルな表現を求めるかというと、人形浄瑠璃で描かれるのが『情』の世界だから。義理人情や恋愛感情、忠義心など普遍的な日本人の心を描いた作品は、今もなお、見る人の心を揺さぶります。

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人形浄瑠璃の演目は外題(げだい)と言われ、『時代物』と『世話物』の2つのジャンルがあります。時代物の代表作は明智光秀が謀反をおこし、落命するまでの13日間を描いた『絵本太功記』。徳島県には、神社の境内に『農村舞台』といわれる野外ステージがあり、そこで人気を博したのが『絵本太功記』でした。

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遠くからでもよく見えるよう、文楽の人形と比べて人形も大きく、ストーリーとしても大きく派手な動きのある時代物が好まれたからです。

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こうした物語を独特の節回しで情感豊かに語る太夫(たゆう)、リズムやメロディだけでなく登場人物の心情を音色に託したり、情景や温度感まで表現するのが義太夫三味線です。浄瑠璃は日本独自の語りの音楽で、人気外題はみんなが口ずさむヒット曲のようなものでした。日本の三大古典芸能にも数えられる人形浄瑠璃ですが、江戸時代の人々にとっては人気ヴォーカルのライブか、ミュージカルのような感覚だったのではないでしょうか。

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そんな人形浄瑠璃を未来へ残そうと、阿波十郎兵衛屋敷では毎日2回、徳島県内の人形座が交代で公演を行っています。上演されているのは『傾城阿波の鳴門』。親子愛をテーマにした作品で、初めて見る人にもわかりやすいストーリーです。

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実はこの場所、『傾城阿波の鳴門』のモデルとなった板東十郎兵衛の屋敷跡。阿波人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

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会場は農村舞台の雰囲気を彷彿させるよう、窓を広くとり、庭を眺めることができます。

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展示室には人形浄瑠璃に使用される阿波木偶や道具を展示。実際に触って動かすこともできるので、体験してみてください。

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オリジナルグッズや藍染め製品、こだわりの美味をセレクトした『じょうるりショップ』にもぜひお立ち寄りを!お土産品もいろいろありますよ。イベントも定期的に行っていますので、詳しくはHPをチェックしてみてください。


徳島県立阿波十郎兵衛屋敷
住所/徳島県徳島市川内町宮島本浦184
電話/088-665-2202
営業時間/9:30~17:00(7/1~8/31は18:00まで)
休館日/年末年始(12/31~1/3)
入場料/一般410円、高大生300円、小中学生200円
定期上演/毎日11:00、14:00(12〜3月は毎日11:00)※上演時間は約30分間

毎月1~2回定期公演以外にも色々な演目を上演するイベント公演あり。
http://joruri.info/jurobe/

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飛田 久美仔

飛田 久美仔

飛田久美仔(とびたくみこ) 1973年生まれ。 徳島県在住。 徳島県の出版社で10年以上勤務し、月刊誌の編集長を務める傍ら、MOOKや企業のパンフレット、HPなどの制作に携わる。2014年12月よりフリーのライター兼編集者に。美味しいもの、楽しいこと、新しいものはいち早く知りたいタイプ。自分史や自費出版の編集、電子書籍なども気軽にご相談を! 2015年4月より地域おこし協力隊として、移住対策と地域資源の活用がライフワーク。

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