二つの海を知り尽くしたシェフがつくる瀬戸内料理/善文彦(湯本観光ホテル西京 総料理長)

瀬戸内を代表するシェフがいるという噂を聞きつけ、やってきたのは山口県長門市。
「日本海側に位置しながらなぜ瀬戸内?」という疑問はさておき、さっそくシェフのいる『湯本観光ホテル西京』へ。

室町時代、華やかな文化が花開いた山口県は『西の京』と呼ばれていました。
その名を冠した老舗ホテルの総料理長がその方、善文彦(ぜんふみひこ)シェフです。

「もの心ついたときから瀬戸内育ちです。高校を中退して16歳で料理人の道へ。広島、岡山、山口と瀬戸内の料亭やホテルを渡り歩き、37歳のときここ『西京』の総料理長になりました」

善シェフは現在48歳。
この若さですでに料理人歴32年、総料理長11年のキャリアを持ちます。大ベテランでありながら、「いま料理が楽しい」といいます。きっかけは、山口県が『西の京』と呼ばれていた頃の食文化に触れたことから。

「大学の先生と一緒に、約400年前の料理をつくる機会をいただきました。当時のレシピが300くらい残っており、そのうち100ほどを再現しました。調味料の作り方まで事細かに記してある。素材の味が生かされていて、じつに美味い!何より山口県の、その食文化の豊かさに感動しました。それから作る料理が変わった気がします」

南は瀬戸内海、北と西は日本海に面した山口県。
新鮮な旬の食材が両方の海から手に入る、とても恵まれた立地にあるのだとか。

「瀬戸内海には瀬戸内海の、日本海には日本海のそれぞれの良さがあります。青物やイカは日本海。鯛や小魚、アワビやサザエなどの貝類は瀬戸内のものが群を抜いて美味しい。言葉で説明するより、食べていただければ分かります」

では、さっそく!

まずは日本海の食材。長門市仙崎市場に水揚げされる『仙崎イカ』。
透き通るような美しい姿にほれぼれ。身が柔らかく味が良いため、そのまま刺身でいただきます。

そして、いよいよ瀬戸内食材!

渡り蟹とサザエ、そして真鯛をふんだんに使った『クリスタルタワー』です。

渡り蟹とサザエとパプリカが出汁入りジュレに包まれ、タワーに閉じ込められています。それを崩して真鯛にのせ、ゆずが香るオリジナルの調味料をかけていただきます。
口の入れた瞬間に、ふわっと瀬戸内海が広がります。

「瀬戸内の柔らかいサザエと、ぎゅっと旨みが凝縮した渡り蟹。栄養たっぷりの急流で育まれた天然真鯛。どれも惚れ込んだ瀬戸内の食材です。柑橘の酸味でそれぞれを引き立てつつ、全体のバランスを整えました」

二つの海の食材と、『西の京』の食文化を知り尽くした善シェフだからこその瀬戸内料理。
なぜこの場所に瀬戸内を代表するシェフが?…その理由は言葉で説明するより、食べていただければ分かります!

【おいでませ!山口】
●湯本観光ホテル西京
総料理長みずから腕をふるうのは、ホテルに10室ある別邸『離れ・西京亭』のみ。「私の遊び場です。瀬戸内でも、日本海の食材でも希望をおっしゃっていただければ、旬のものを使った創作料理でおもてなしさせていただきます」とのこと。ご予約は以下までお気軽に!
住所/山口県長門市深川湯本1051
TEL/0837-25-3111(代表)
URL/http://www.hmi-ryokan.jp/saikyo/

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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