松山市から車で約1時間半。にょきっと細長い佐田岬半島の根元に広がるまち八幡浜市。九州へ向かうフェリーの発着港を擁する四国の西の玄関口です。交通の要所であり、漁業・農業も盛んなこの町で、半世紀以上前から親しまれてきたご当地グルメが「ちゃんぽん」です。
市内で「八幡浜ちゃんぽん」を提供するお店は50店舗以上。その特徴は「長崎ちゃんぽん」が豚骨ベースの白濁したスープに対して、八幡浜のそれは鶏ガラで透き通った黄金色のスープ。具材はたっぷりの野菜に豚バラ肉が基本で、店によっては特産品の蒲鉾などを加えることもあります。
数あるちゃんぽん提供店の中で今回チョイスしたのは、昭和25年創業の老舗食堂「ロンドン」。八幡浜ちゃんぽん発祥店のひとつとして知られる店でもあります。
現在お店は2代目の菊池公佐・ヒデご夫妻を中心に、息子さん、お孫さんも加わり、家族総出で切り盛りしています。老舗食堂として古くから通う地元客をはじめ、観光客も数多く足を運んでいるとのこと。
さてここのちゃんぽんは、創業当時に初代が中国人から教わったレシピをそのまま継承してきた伝統の味。とはいえ調理方法や味付けはいたってシンプル。まずはラードで豚肉と野菜を炒めます。軽く火が通ったら鶏ガラスープを加え煮立たせ、さらに塩、旨み調味料、醤油を加えて、味を調えたら完成です。
テーブルに出されたその一杯を早速味わってみましょう。透き通ったスープをズズッとすすれば、あっさりした醤油風味と鶏ガラの旨みが広がります。鶏ガラを煮込むのは、ほんの1時間。長く煮すぎないことで、このあっさりとした味わいを実現しました。モヤシ、タマネギ、ネギ、ニンジン、タケノコなど野菜はシャキシャキの歯応え。そしてモチッとした太めの中華麺のボリューム感も楽しめます。なにせ1杯580円という大衆的な価格もうれしいですね。
「年越しもそばではなく、ちゃんぽんを食べる人が多い」とヒデさん。そんな港町で愛されてきた味をぜひ味わってみてください。
ロンドン
住所/愛媛県八幡浜市新町1
営業時間/11:30~20:30
定休日/水曜日・毎月8日
電話/0894-22-1234
駐車場/あり
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瀬戸内Finder 編集部
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