海・自然
海に沈む夕陽と漁火が美しい絶景の棚田!/東後畑棚田(山口県長門市)
日本全国に海に面した棚田はいくつかあり、各地で人気を博していますが、ここもそのうちの一つです。
傾斜地にある棚田では農業用水の確保が重要ですが、東後畑地区を潤しているのが『深田ため池』。棚田のすぐ背後にあり、農林水産省の『ため池百選』にも選ばれています。
東後畑の棚田では約200枚の水田が連なり、巧みに水路やあぜ道が巡らされていて、農業用トラクターなども駆使して田植えの準備が進められます。
眼下にある港からは漁船が出航してゆきます。農業と漁業の様子が同時に見られるのも、この棚田の特徴です。
そして、ここの名物が夕景! 田んぼに水が入りだすのは5月上旬ごろですが、その頃から夕方近くになると大勢の見物客が訪れるようになります。
水田がミラーのように空や周辺の景色を映し、幻想的な光景が見られます。また、地形的に霧が発生しやすい場所なのですが、霧に包まれた棚田の夕景も美しいものです。
こちらは霧がない日の日没間際。ちょうど半島の先、川尻岬付近に太陽が沈んでゆきます。水田には上空の夕焼け雲も映っていて、まさにフォトジェニック!!
そして、この棚田のもう一つの名物が『漁火(いさりび)』。日没後にイカ釣り漁船の漁火が無数に輝く光景も美しく、特に日曜日の夜は漁に出る船の数が多いそうです。
付近には駐車場や展望台・休憩東屋・トイレも整備されていて、毎年田植え前後の時期になると夕陽と漁火を目当てに多くの人が訪れます。
田植えは例年5月中旬ごろ。稲が生長すると田んぼの水が見えなくなってしまいますので、5月上旬~6月中旬ぐらいが一番の見ごろです。
美しい棚田が映し出す春の幻想的な光景を見てみませんか?
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
関連地域
山口県
本州と九州を繋ぐ要の場所、山口県。城下町として栄えた地域も多く、日本の近代化にあたっては数多くの歴史や偉人がこの場所から生まれました。春は桜、夏は花火と季節毎に違った表情を魅せる錦帯橋、風情ある町並み、美しい庭園に寺社仏閣。またTVコマーシャルのロケ地としても有名になった角島大橋や、雄大なカルスト台、鍾乳洞はまさに絶景。ぜひカメラを片手に旅をしてみてください。