岡山駅西口からすぐのところにある「奉還町商店街」。下町レトロな商店街の中には、近年さまざまなクリエイターやアーティストがアトリエを構え、商店街を活気あるものにしています。
これからご紹介する「la luce dolce （ラ・ルーチェ・ドルチェ）」もそのひとつ。
岡山初の本格的なハンドメイドキャンドル専門のショップを併設したアトリエです。

まるでそこだけパリの一角のような、洗練された雰囲気が目を引く外観。

ドアを開けるとキャンドルの世界が広がります。
カーヴィングキャンドルやボタニカルキャンドル、アロマキャンドル、ケーキやスイーツをかたどったキャンドルまでがずらり！

ちょうど訪問したときは、プロフェッショナル養成コースのレッスン中。
ロウソクの芯をロウの中に何度も何度も浸けて、次第に太くしていく「ハンドディップキャンドル」を作っているところを見学させていただきました。
「意外と集中力のいる作業ですが、無心になって取り組めるのが楽しくて。だんだんとロウソクが太くなっていくにつれて達成感も味わえますよ」とレッスン生の川崎さん。

講師を務めるのは、さまざまな作品作りからオーダー品製作、イベントでのキャンドル装飾などを手掛けるキャンドルアーティストの小城レイコさん。
照明コンサルタントの勉強中に灯りの歴史を学んだのがきっかけで手作りキャンドルに興味を持ち、その暖かな光に惹かれキャンドルがもたらす癒しを生活に取り入れることに興味を持ったといいます。

「la luce dolce」では、キャンドル作りを1度やってみたいという人から家で趣味として楽しみたい人、プロとしてキャンドル作りを本格的に習得したい人まで、目的によってさまざまなレッスンが受けられます。
複数回参加のコースレッスンだけでなく、2時間程度で完成できる1回限りの体験レッスンやアトリエ隣にあるcafe ONSAYAのケーキセットがついたカップル限定のレッスンなどもあるので、旅の思い出としてトライしてみるのもおすすめです。

こちらのアトリエでは、小城さんが一つひとつ心を込めて手作りするのオリジナルキャンドルの販売も行っています。
小城さんの代表作「惑星シリーズTerra=テラ（地球）』（1,400円）は、ショップの一番人気キャンドル。
水の惑星・地球を表現した青と緑のグラデーションが美しいキャンドルです。

一輪ずつ花びらをかたどったバラとカーネーションのお花のキャンドルは、母の日のプレゼントとしても最適。
ほんのりと香りをまとわせたガラス細工のような質感のロウでできた花は、灯すのはもちろん、インテリアとしても、あるいは芳香剤としても使えます。

陶器やガラス、アイアンなど様々な作家の手によるキャンドルホルダーなど、キャンドル関連作品も販売しています。
写真は、単独では使用するのが難しい天然顔料「べんがら」を使った珍しいキャンドル。古代色ならではの味わい深い色合いが特長です。
キャンドルホルダーは、このキャンドルに合うように、備前焼の作家さんに製作してもらったのだそうです。

ふんわりとしたやさしい色のバラのキャンドルは、お祝いやギフトにもおすすめ。
ギフトラッピングコーディネーターでもある小城さんが、贈り物の目的に応じて美しくラッピングしてくれます。

また、岡山県内外で活躍するキャンドル作家によるオリジナルハンドメイドキャンドルも多数取り扱っているので、個性的なキャンドルや斬新なデザインのキャンドルなどさまざまな特徴をもったキャンドルにも出会えます。

「la luce dolce」とは、「優しく柔らかな光」という意味のイタリア語。現代は、マッチやランプを使う機会が減り、またIHなどの普及によって家で生の炎を見る機会が少なくなっています。しかし、火は古来より人間の暮らしに密接にかかわってきた存在。優しく柔らかなキャンドルの灯りを眺めるとなぜか懐かしい気持ちになるものです。キャンドルの灯りを日常的に楽しんで、心豊かな毎日を過ごしてもらえたら、と小城さんは語ります。

見ているだけでもワクワクするようなカラフルなキャンドルと、そのキャンドルを自分で作る楽しみ、そしてそれを灯す安らかで贅沢な時間。

さまざまなキャンドルの楽しみ方を教えてくれる「la luce dolce」。岡山に来たらぜひ一度アトリエをのぞいてみてください。