愛媛県今治市(いまばりし)。
ここに日本を代表する漆器の一つ、桜井漆器があります。
桜井漆器独自の技法に、輪島、山中、越前、会津、海南から招いた職人たちの技法をミックスした、5つのルーツがある全国でも珍しい漆器です。
今回ご紹介するのは、そんな桜井漆器を展示販売する『伊予桜井漆器会館』です。
伊予桜井漆器会館は、今治市中心部から車で約20分。
湯ノ浦インターから降りてすぐの所にあります。
店内に入ると、さまざまな種類の漆器が展示販売されています。
商品をじっくり見る前に、作業風景を見学してみましょう。
今回取材させてもらったのは、この道27年、愛媛伝統工芸士の岡田博さん。
細い筆で描かれる繊細な絵。日本人ならではの作業です。
「時代が便利になるに連れて、伝統工芸品が無くなっていく」と岡田さん。
こちらでも岡田さんより若い職人は一人もいません。
一つひとつ、心が込もった制作風景を見せてもらうと、漆器の良さがよくわかります。
ずっとずっと受け継いでいって欲しいものです。
作業風景を見学したら、店内へ。
これほど手の込んだ漆器は高級品と思われがちですが、桜井漆器は比較的安価で買いやすい商品が多数あります。
例えばこのグラス。
普通のグラスと比べると少し高めですが、ちょっとした贈り物にもいいですね。
漆器には抗菌効果があります。
お重が漆器できているのは、中に入れた食品が腐りにくいからなんだそうです。
昔の人の知恵ですね。
と言うことで私が次に気になったのがこちら。
綺麗な色のお弁当箱。
漆器は昔から贈り物によく使われてきましたが、それは見た目以外にも意味があります。
漆には、接着効果があることをご存知ですか?
『くっついたら離れない』という意味から、”末永くお付き合いできますように”と願いを込め、昔からお祝いやお遣い物に使われていました。
次の写真は、漆器で作られた、三献の儀(さんこんのぎ)の時の三ツ重盃(みつがさねはい)、朱三宝(しゅさんぼう)です。
二度と離れることはないという漆器の意味にぴったりですね。
漆器の素晴らしさを再認識した後は、店の隣にある『喫茶花ぬり』へ。
桜井漆器をふんだんに取り入れた喫茶ルームです。
私がいただいたのは、オリジナルカレーと金粉コーヒー。
金粉が入ったコーヒーは、こちらのおすすめ。
カレーも、程よい辛さでとっても美味しかったです。
器はもちろん桜井漆器。とても優雅な気持ちになりました。
漆器は、お手入れが難しいと思われていますが、実は意外に簡単。
食器乾燥機にかけることはできませんが、普通に洗剤をつけて柔らかいスポンジで洗うだけでOK!
贈り物のほか、自分使いにも漆器を購入してみませんか?
伊予桜井漆器会館
所在地:愛媛県今治市長沢甲340-1
TEL:0898-48-0418
営業時間:10:00~18:00
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場有り
参考ホームページ
http://www.sakuraishikki.com/index2.html
瀬戸内Finderフォトライター 大橋麻輝
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
この記事を取材したフォトライター
瀬戸内Finder 編集部
地元の皆さんからの写真や、在住ライターの記事で発信する、瀬戸内地域の観光情報サイト、「瀬戸内ファインダー」を作る編集部です。 瀬戸内海を囲む兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、香川県、徳島県の7県に関わる旬な情報を日々更新しています。 お問い合わせは下記まで Email : staff@setouchifinder.com
Hashtags
旬のキーワード