金沢の兼六園、水戸の偕楽園とならび、『日本三名園』とたたえられる岡山後楽園は、江戸時代を代表する回遊式の大名庭園。岡山を訪れたら、必ず足を運ぶ価値のある名所です。
旭川にかかる風流な鶴見橋を渡ると、岡山後楽園の正門が見えてきます。
ここは、今から約300年前に岡山藩2代藩主池田綱政がやすらぎの場として作らせた庭園。ゆっくりと散策すると、四季の移り変わりが間近に感じられます。
園内に入ると中央に沢の池という庭園内で一番大きな池があります。園の池はかつては旭川から引いていたそう。
園内の景色はどこをとっても絵になります。木々の向こうには外観が黒いことから『烏城』とも呼ばれる壮麗な岡山城が見えます。
小高い丘のような築山(つきやま)は、唯心山(ゆいしんざん)。唯心山は池田綱政の子、継政の時に築かれました。唯心山ができてからは、それまで座敷から眺めるだけだったものが、小高い場所から広く園内を見渡したり、斜面に植えられた花木を眺めたりすることで立体的な景色を楽しめるようになったそうです。斜面にはツツジやサツキが植えられており、季節には紅白の花で彩られます。
唯心山に登ると、園内がぐるっと見渡せます。沢の池には趣の異なる三つの島が浮かんでいます。向かって右から島茶屋のある中の島、釣殿のある御野島(みのしま)、白砂青松が美しい砂利島(じゃりじま)。
そして流店(りゅうてん)と呼ばれるこの珍しい建物は、藩主の休憩所として使われていたそうです。中央に水路を通し、風が通るように建物の壁を取り払った全国的にも珍しい建築様式で、戦災を免れた数少ない建物のひとつです。藩主になった気分で、板の間に腰を下ろして休憩するのもいいですよ!
こちらの廉池軒(れんちけん)も、流店同様、戦災を免れた貴重な建物。藩主が休息場として食事や茶を飲むのに利用したといわれます。こちらもお見逃しなく!
ゆっくりと見て回っていると、ここが市街地のすぐ近くであることを忘れてしまいそうなほど。約4万坪の広大な園内を散策して目に入ってくる風景は、春は桜、初夏は藤や花菖蒲、秋は紅葉など、四季折々の花、また天気や時間帯によっても見え方が異なるため、何度訪れても飽きることはないのが魅力です。
秋から冬にかけては、落ち着いた色合いの景色が多くなってしまいますが、春から夏にかけては、ピンクに染まる桜や芝生のまぶしい緑、色とりどりに咲き誇るサツキやツツジが園内を明るく彩ります。四季のさまざまな景色を見つけに、岡山後楽園にお越しくださいね。
岡山後楽園
住所/岡山県岡山市北区後楽園1-5
TEL/086-272-1148
開園時間/3月20日~9月30日 7:30~18:00(入園は17:45まで)
10月1日~3月19日 8:00~17:00(入園は16:45まで)
休園日/無休
入場料/大人400円・小人(小中学生)140円・シニア(65歳以上)140円
アクセス/岡山電気軌道東山線城下駅より徒歩10分
瀬戸内Finder編集部
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