築100年を超える伝統的な日本建築が多くみられる松山市三津浜地区。
近年、そうした家屋を活かして飲食店やコミュニティの事務所を営むなど地域活性の動きがちらほらとみられるようになりました。
江戸時代から続く森家もそのひとつです。
8代目となる森直樹さんが、生家で『鯛や』を始めたのは2004年のこと。
ちょうど人生の岐路にあった森さんにとって、生家を開放して飲食店を営むということは、三津浜で生まれ育った先輩として「地域活性化のために動きだした若者たちの力になりたい」という覚悟の表れでした。
なぜ、鯛めしだったのか。それは森さんにとって、まさに母の味だったから。自分の舌がおぼえている母の味を見事に再現した鯛めしは瞬く間に三津浜の新しい名物となりました。
メニューは1日30食限定の『鯛メシ膳』(2,160円/税込)だけ。
お櫃にはいった鯛めしと、かぼちゃの煮物(季節によって異なります)・じゃこ天・ひじき・お漬物・トラハゼの甘酢煮・鯛の刺身、鯛のお吸い物が朱色のお膳に並んで出されます。どのお料理も素材の良さをしみじみと感じる、ココロとカラダが喜ぶ優しいお味でした
食べきれなかった鯛めしのお持ち帰りをお願いすると、こんなにかわいくラッピングしてくださいました。家族へのいいお土産になります、感謝!
『鯛や』の名物は鯛めしだけでありません。有形文化財にも指定されている建物自体が見どころ満載。
まずは石庭にある『連理の木』。2本の枝が合わさって1本の枝になっていることから、神木としてお祀りされており、縁結びのパワースポットとして注目を集めています。
そして、お食事をいただいたお部屋の壁に何気なく掛けてあったのは、あの正岡子規の直筆の句だとか。「こんなに普通に飾っていていいんですか?」と思わずのけぞってしまいました。
なんと森さんの曽祖父は、正岡子規の師匠であった大原其戎に俳句学んでいたそうで、そのつながりで正岡子規由来のものがたくさんあるそうです。
「あ~、うまいぞなもし」と正岡子規が言ったかどうかわかりませんが、鯛めしの美味しさはお墨付き。愛媛を訪れた際にはぜひご賞味あれ!
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◆鯛メシ専門『鯛や』
住所/愛媛県松山市三津1丁目3-21
電話/089-951-1061
営業時間/11:30~15:00
定休日/火曜日・水曜日(祝日は営業)
※年始は1月1日のみ営業・1月2日~4日は休み
1月5日以降は定休日を除く日より通常営業
URL/http://taimesi.net/
※『鯛メシ膳』は1日30食限定につき、前もってのご予約を推奨します
瀬戸内Finder編集部
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