岡山県倉敷市。
ここは、国産帆布の約7割の生産量を担う一大生産地で、倉敷市周辺で生産された帆布は一般に『倉敷帆布』と呼ばれています。
もともと、温暖な気候と豊富な水源が綿花栽培に適した環境であったこと、真田紐や小倉帯などによって糸を撚り合せる技術が磨かれたことから、明治時代以降、この地域での帆布づくりが発展していったそうです。
今回は、株式会社バイストンが運営する『倉敷帆布本店』を訪ねました。
『倉敷帆布本店』は、倉敷市中心部から車で約20分。
瀬戸内中央自動車道の水島インターから降りてすぐの所にあります。
大正時代より使われてきた帆布工場の蔵を改装した店舗は、どこか懐かしく温かみのある雰囲気です。
店内には、倉敷帆布を使ったカバンや、雑貨・小物類が並びます。
帆布というと、白のイメージが強いですが、カラーバリエーションも豊富で思わず目移りしてしまいます。
お店のご厚意で、併設されている帆布工場を見学させていただくことに。
こちらは、2〜8本の原糸を一本の糸にあわせていく『合糸(ごうし)』とよばれる工程。
スタッフが機械のそばに立ち、糸のロールがなくなると素早く次の糸を結びつなげます。いかに糸と糸の結び目を小さくできるかで仕上がりに差がでるそうです。
こちらは、『整経(せいけい)』とよばれる工程。
『経』はタテの意味で、タテ糸を織機用に整えます。約1200〜2000本のタテ糸を機械で、約200〜300本ずつ数回にわけてドラムに巻き取ります。
『経通し(へどうし)』とよばれる工程を経て、いよいよ平織りの段階へ。
『製織(せいしょく)』とよばれる、平織りの工程。
60台のシャトル力織機が自動で、せわしなく動き続けます。1日8時間のフル稼働で約50〜70メートルの帆布が織り上がるそうです。
こうして仕上がった帆布は、国内最高品質の一級品として様々な用途に使われます。
再び、お店へ。
『倉敷帆布本店』の一番人気は、トートバッグのセミオーダー。
トート型(4型)、色を選んでオリジナルトートを作ることができます。
イニシャルも入れることができるので贈り物にも喜ばれそう。
こちらは、クラッチバッグ。
フォーマルな印象のクラッチバッグも、帆布を使うとどこかカジュアルに。
もともとは、船の帆やトラックの幌(ほろ)に使われている丈夫な布なので、普段使いに長く愛用できるのがうれしいですね。
倉敷帆布本店
岡山県倉敷市曽原414-2
TEL:086-485-2112
営業時間:10時~17時(定休日 : 年末年始)
http://www.baistone.jp/
瀬戸内ファインダー 小林有美
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
この記事を取材したフォトライター
瀬戸内Finder 編集部
地元の皆さんからの写真や、在住ライターの記事で発信する、瀬戸内地域の観光情報サイト、「瀬戸内ファインダー」を作る編集部です。 瀬戸内海を囲む兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、香川県、徳島県の7県に関わる旬な情報を日々更新しています。 お問い合わせは下記まで Email : staff@setouchifinder.com
Hashtags
旬のキーワード