『素麺』といえば夏の風物詩というイメージが強いかもしれませんが、冬が生産の最盛期だということをご存知ですか。
今回、ご紹介するのは『小豆島の手延べ素麺』。
小豆島の素麺は、『揖保乃糸』・『三輪そうめん』に並ぶ、日本三大素麺の一つといわれており、起源は約400年前の江戸時代初めに遡ります。
小豆島の池田地区の人がお伊勢参りの帰りに奈良県の三輪に立ち寄った際、そうめんの製造方法を学び、小豆島に持ち帰ったのが始まりだと言われています。
取材に訪れたのは『真砂喜之助製麺所(まさごきのすけせいめんじょ)』。
小豆島で約100年続く歴史ある製麺所で、現在は3代目真砂博明さん、4代目淳さん、それぞれの奥さんの計4名で切り盛りされています。
小豆島の製麺業は、昔から家内工業が中心で、現在もご家族で経営されている製麺所が多いのだとか。家族の誰かが用事などで手が足りなくなる日は、丸1日素麺がつくれなくなることも。
素麺作りは、夜明け前の午前3時頃からはじまり、夕暮れ前に終わる長丁場。
製粉した小麦粉と塩と水で練り上げる最初の工程から、乾燥させた麺の裁断の工程までを1日かけて行い、その翌日に麺の結束・箱詰めまでの最終工程を行います。
製麺所に取材でお邪魔した時には、熟成させた麺が引き延ばされ、『ハタ』と呼ばれる器具に掛けられる『ハタづけ』の工程にさしかかっていました。
こちらは、くっついた麺をはしを入れてはがす『はしいれ(はしわけ)』の工程。
職人さんによる機械ではできない、丁寧で細かい作業が続きます。
ハタに掛けられた素麺は天日で乾燥させます。
小豆島は比較的雨が少ないため、天日干しには最適の土地なのだそう。
太陽の光をたっぷり浴びた素麺。幾重にも連なる姿は美しいオブジェのようにも見えます。
素麺にそっと近づくと、小麦粉と胡麻油の香りが。
小豆島の素麺の特徴は、島の特産品でもある胡麻油が使われていること。
じっくり天日干しで乾燥させた麺は、仕上げ乾燥の後、裁断・結束の工程を経て、私たちにもおなじみの姿にたどり着きます。
こちらは、『真砂喜之助製麺所』の三兄弟と呼ばれる製品ラインナップ。
『細口』、『太口』、『ふしめん』です。
おしゃれなパッケージは、4代目の提案で3年前にリニューアルしたもの。
従来の箱入りの素麺ではなく、もっと手軽に買えるサイズとパッケージを意識してデザインされたのだそう。
製麺所からの帰り道、『真砂喜之助製麺所』の素麺が小豆島で食べられる所があると聞いて、少し寄り道しました。
小豆島の池田港の近くにある、『ポンカフェ』で太口素麺を使った『豆乳坦々お素麺』をいただきました。
お肉、お魚を一切使わず、胡麻ペーストや豆乳、中味噌でコクを出したスープと太口がよく絡み、とても美味しかったです。
小豆島に取材に訪れた日は、まだ気温も低く少し寒かったのですが、職人さんの丁寧な手仕事によって作られた素麺をいただいて、心も体もぽかぽかと温まることができました。
■真砂喜之助製麺所
住所:香川県小豆郡小豆島町池田2484-2
TEL:0879-75-0373
http://www.kinosuke.net/
瀬戸内ファインダー 小林有美
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by 瀬戸内Finder 編集部