伝統の石材技術が冴えわたる!? 瀬戸内に浮かぶ石の島/北木島(岡山県)

個性豊かな6つの島々からなる笠岡諸島。その笠岡諸島にあって最大の面積を誇る北木島は石の名産地!良質の花崗岩(かこうがん)が採掘され、昔から『北木石』として全国に名が知れわたっていました。

北木石が使われている建物は数知れず。主なものでは、大阪城、靖国神社大鳥居、日本橋、日本銀行本店など。どれもニッポンの根幹を担う歴史的建造物です。

「いったい、どんな島なんだろう?」
まったく想像がつきません。ということで、やってきました!北木島。

まず目につくのが、おもむろに置かれた石、石、石。
神社の灯ろうも鳥居と並ぶ高さ。島の暮らしのなかに空気のように石が同居しています。

かって100以上の石切場があったらしいのですが、今は2ヶ所だけとのこと。どうやって石を切り出しているのか?もっとも興味のあるところです。

カーン、カーン、カーン……

石の壁が反り立つ巨大な空間に3人の石切り職人の姿。岩のすき間にノミに突き立て、ハンマーを大きく振りかぶり叩きつけています。想像以上の光景です。
視線を上に移すと、移動用のはしごでしょうか?

『天空の城ラピュタ』のバズーなら走って駆け上がりそうですが、ここを行き来するなんて信じられません。

ここの石切場では今もノミとハンマーを駆使しています。
芝目ならぬ石目を読んでクセを把握。その境目にノミを入れ、ハンマーで叩く。すると大きな石がパカッとキレイに割れる。

時間のかかる昔ながらの手法ですが、これが石の強度を高めているのだとか。石の個性を把握し、無理のない状態で切り出す職人技が北木石を支えているのです。

石切場をあとにして、向かったのは干物の加工場。
なんでも石の島ならではの『灰干し』と呼ばれる干物があるとか。
なかに入ると、ゴツゴツした黒い岩がゴロゴロ。

これがコレに。

『灰干し』とは北木島の石材技術で加工した火山灰により、瀬戸内で獲れる旬な魚を冷温熟成させたもの。灰が魚の余分な水分と臭みを吸着し、旨味成分をぎゅっと凝縮。島が培ってきた伝統の技が、干物に魔法をかけた逸品です。島のお土産にぴったり!

瀬戸内に浮かぶ、石の島。こんな面白い島があったんだ!!


【瀬戸内、島めぐり/北木島】
岡山県の離島。古くから『北木御影石』で知られる”石の島”として有名で、江戸初期の大阪城修築の際には、大量の石垣石を送り出している。明治以降、石材の採掘が本格化し、多くの構築物に北木石が使用されている。http://www.pref.okayama.jp/kikaku/chishin/ritou/17kitagishima/

●定期旅客船
笠岡港⇄北木島 一日8便 ※普通船、高速船の2隻が運航
運賃(片道)/普通船790円、高速船1,410円
三洋汽船HP/http://www.sanyo-kisen.com/

大きな地図を見る>

この記事が役に立ったらいいね!してね

関連キーワード

関連記事

この記事を取材したフォトライター

藤本 雅史

藤本 雅史

藤本 雅史/フォトライター 東京の広告会社と編集プロダクションを経て、3.11をきっかけにルーツである山口県に移住。 はじめは地域おこしと意気込むも、人口約100人の島のばあちゃんから聞いた「無人島になっても、それが自然なことならええ。またいつか人が住みつくときが来ようね」の一言に感銘を受け、肩の力が抜ける。 以来、雑誌や広告の企画・編集・執筆と少しの農業を生業としながら、大きなスケールの小さな声を求めて瀬戸内をあるく日々を過ごす。

「アート」のランキング

「アート」の記事はまだまだあります

アート一覧

Features

特集

特集一覧
PAGE TOP