食べ合わせや、温度、酒器の違いにより、さまざまな顔を見せてくれるのが日本酒の魅力。
相手(料理)の長所を活かしながら調和する奥ゆかしさが持ち味です。
日本酒独特の〝ゆるやかな酔い心地″を楽しみながら、自分好みの味わいを探ってみませんか?
そんな『日本酒遊び』は、笑顔広がる時間になること間違いなし!
家飲みマリアージュは、 国内外述べ1万件の飲食店で飲み歩いてきた唎き酒師・菅波葉子が、瀬戸内の地酒と肴を独自の視点で紹介していくコーナーです。
【今日のお酒】
今回は岡山県から絶対飲むべきお酒をセレクト!
嘉美心酒造『特本醸造 秘宝』
※グラフの説明
日本酒に含まれる主な4つの味わい要素①香り度②旨み度③酸み度④甘み度に、使用している米や酵母の地元産使用度(瀬戸内度)を加え表現しました。
岡山は温暖な気候で日照時間が長く、豊かな水に恵まれた米どころ。
また『備中杜氏』とよばれる優秀な技術集団があり、古くから全国的にも定評があったそうです。
備中流の特徴は、“米の旨味を活かした酒造り”。
そんな備中造りの発祥の地である、海辺の町『寄島町』に蔵を構える『嘉美心酒造』を訪れました。
杜氏さんから興味深いお話をお聞きしながら、色々なお酒を試飲させて頂きました。
その中から今回は『特別本醸造酒 秘宝』をセレクト!
備中流のお酒を存分に堪能してみたいと思います。
爽やかなメロンの香り、甘く感じる米の旨みがたっぷりあって、それでいて軽快感があり最後はスッキリとキレ味のあるお酒。
旨味があるけど、雑味がなくて飲みやすい!ひとことで言い表すと、『濃厚だけどスッキリ』したお酒。
【料理とのマリアージュ】
『カルビチム』
旨口でボディがあり且つキレのあるこちらのお酒には、甘旨辛の味をきかせた一品を用意しました。
脂身があり濃厚でコクのあるカルビを、醤油・酒などで煮立て、旨味を足します。
更に甘味のある人参を入れることで味全体を柔らかく仕上げ、最後に唐辛子をピリっと効かせます。
「では、いただきます!」
お酒単体ではお米の旨みとコクが広がりしっかりした味わいで個性を感じますが、料理との組合せでは名脇役に大変身です!
お肉と出汁から出る旨みと濃厚なコクに対し、お酒が旨みをふくらませてくれます。
お酒のコクの成分が料理に上手に協調していくという感じです。
料理の甘辛部分の余韻が口に残るところを、お酒の爽快さがスッキリとさせてくれます。
カルビチムは甘旨辛味で個性際立つお料理ですが、エッジのきいた味わい部分に対して、お酒はとっても対応性高く、常に名脇役を演じてくれました。
食べごたえ、飲みごたえ満載の組み合わせとなりました。
エネルギッシュに盛り上がりたいときにおすすめのコンビです!
【おすすめ温度】
旨味をしっかり味わいたいので、常温~花冷え(はなひえ)の10度位がおすすめです。
【器選び】
海辺の酒蔵をイメージしたブルーのお猪口で。
噛む様にじっくり旨みを堪能したいので、口が広がり過ぎない小さなお猪口を選びました。
日本酒と共に旅をすると、その土地の食文化や歴史そして人を知ることにも繋がります。
瀬戸内へ、酒蔵巡りの旅に出かけてみませんか?
自分好みのお酒や肴、素敵な酒器探しをしてみると、日本酒の新しい味わいにたどり着くはずです。
◆今日のお酒
嘉美心酒造株式会社
http://www.kamikokoro.co.jp/
瀬戸内Finderフォトライター 菅波葉子・江崎誠(㈱Rainbow Sake)
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この記事を取材したフォトライター
Rainbow Sake
菅波葉子 ㈱RainbowSake 菅波葉子(広島県出身) 2011年ハワイから帰国後、広島県に帰郷。 日本国内&ハワイの広告会社勤務の後、日本酒を海外に普及するPR会社㈱Rainbow Sakeを立ち上げました。 『SAKEで世界を笑顔で繋ぐ』その架橋になりたい!という想いで、日本とハワイ・シンガポールを中心とした海外を行ったり来たりしています。 帰国する度に地元の魅力を再発見し、瀬戸内海の心安らぐ穏やかな景色、新鮮で素朴な海の幸&山の幸に癒されています。 ㈱Rainbow Sake http://www.rainbowsake.com
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