安芸灘に浮かぶ漁業の島『阿多田島(あたたじま)』。
瀬戸内海でも有数の漁場と知られ、フェリー内を見わたしても釣り客の姿が目立ちます。港につくと、乗客のほとんどが横づけされた渡船に乗り換え、海上に浮かぶ生け簀へと運ばれていきます。5年前にオープンした海上釣り堀『大漁丸』です。
思わず一緒に付いていきたくなりますが、ここは我慢。今回の目的は島あるきです。
といってもまったくアテはありません。第一島人にオススメを聞こうという腹積もり。ですが、いっこうに島人が現れません。港の待合所にふらっと入ると、島の子どもたちが作成した『ぶらり散歩 阿多田島』を発見!えらい、子どもたち!
なかでも興味を引かれたのは、地元の人が「ごめんなさい」と3回言ってから通るという『みしりのはな(通称、ごめんなさい)』。ですが、場所がとっても分かりにくいぞ、子どもたち!(笑)
ちょうど運良く目の前を通りすぎるおじいさんとおばあちゃん。
さっそく「ごめんなさいはドコですか?」と言葉にすると変な質問をぶつけます。小さい頃から島で暮らす阿多田っ子。すぐさま「あっちじゃ」と教えてくれました。お礼を言って歩き出すと「にいちゃん!ところで、なんぼくれんかいな?」と茶目っ気たっぷりに親指と人差し指で〇をつくります。その手を握ると「なんじゃ、握手だけかいな」とガッハッハ!そう、ここは漁業の島です。
しばらく歩いていると、それらしき穴が見えてきました。岩が波に削られてできたという大きな穴。「ごめんなさい」と3回言ってから通らないと岩が落ちてくるという言い伝えが残っています。
岩を目の前に言わずに通るのはかなりの勇気を必要とします。
島の最高峰、高山(標高204m)を中心に一周する山道は、森林浴をしながらの散策に最高です。木々の合間に見える海や島々、まるで養殖カキのプライベートビーチのような入り江など、ところどころに絶景が広がります。
道中、おじいさんと同じ手をつくるアカテガニに何度も遭遇。
そのたびに「なんぼくれんかいな?」と言われているようで微笑ましく、一人でニタニタ。ほかにも宮島ゆかりの『阿多田島神社』。灯台守が住んでいた『旧安芸白石挂燈立標施設』(国の登録有形文化財)など小さな島に見どころいっぱい!
帰りのフェリーで行きの釣り客と一緒に。大漁だったようで、自慢話に花が咲いています。遠ざかる阿多田島を眺めながら、「次は釣りに来よう!」と心に誓ったのでした。
【瀬戸内、島めぐり/阿多田島】
広島県大竹市に属する面積2.41㎢、人口約300人の小島。島民のほとんどが漁業に従事しており、伝統のイワシ漁をはじめ、近年ではハマチやタイ、カキの養殖が盛ん。
●定期旅客フェリーについて
広島県大竹市の小方港から約35分(阿多田島往復/1日5便)
http://atatakisen.jimdo.com/
瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史
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