愛媛に一軒だけ残る、老舗和蝋燭専門店『大森和蝋燭屋』/愛媛県喜多郡内子町

人々の生活に欠かせない『あかり』。
まだ電気がなかったころ、暮らしを明るく照らしていたのは蝋燭でした。
江戸時代の製法のまま、今も和蝋燭を作り続けている場所があります。
愛媛県内子町にある『大森和蝋燭屋』です。

のれんをくぐれば、そこは江戸時代さながら。
この道三十年になる六代目の大森太郎さんと、四年目になる七代目の亮太郎さん。
蝋燭職人として一人前になるためには十年はかかるといいます。

蝋燭と言っても、洋蝋燭と和蝋燭は原料が違うのを知っていますか。
洋蝋燭の原材料は主に石油系ですが、和蝋燭はハゼの実から採取したものを使います。和蝋燭は自然由来なのです。

約40℃~45℃に溶かした蝋を素手ですい上げて芯になすりつけて乾かす作業を、何回も繰り返して少しずつ大きくします。
蝋燭を大きくするには熟練の技が必要。蝋燭が大きくなるほど芯も太くなるので、炎も大きくなります。

そうして造られた蝋燭がこちら。
何回も繰り返して行われた作業が、年輪のようになっています。

店内に並ぶ和蝋燭は、サイズも様々。一番大きなものだと14時間も燃え続けます。
和蝋燭の特徴としてもう一つ言えるのは、炎の大きさと『ゆらぎ』。
洋蝋燭に比べ、芯が太いので炎は大きくなり、また手作りのために人工的なものには出せない炎の揺れがあります。

震災で電気が使えなくなった際、タンスの奥にしまってあったここの蝋燭で一夜を過ごし、その炎の美しさに思わず涙が溢れた。
そんなエピソードもあるそうです。

流行りのカラフルな洋蝋燭に比べて表面的な派手さはないかもしれません。
ですが、和蝋燭の素朴なあかりには、他には代えがたい良さがあります。
たまには電気を消して、和蝋燭を灯してみませんか?


大森和蝋燭屋
住所/愛媛県喜多郡内子町内子2214
TEL/0893-43-0385
営業時間/9時~17時
休館日/火・金曜日/お盆、年末年始不定休
町並駐車場/普通車60台(300円)、大型バス15台(1,020円)
駐車場/あり(1台)
https://omoriwarosoku.jp/

瀬戸内Finderフォトライター 大橋麻輝

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