JR高松駅から海沿いを徒歩10分、おしゃれスポットとして県内外から注目される『北浜alley』の一角に『BOOK MARÜTE(マルテ)』はあります。
錆びたトタンの倉庫の2階、木の階段をのぼりきったすぐ左手です。
こぢんまりとした店内には、見渡すだけでもセンスの良さが伝わってくる書籍がずらり。
古道具や雑貨などもテンポよく配置されていて、すっきりとしていながら濃密な一室となっています。
販売している書籍は、大型書店では手に入らないような少部数のプレミア本ばかり。
個性あふれるラインナップです。
店主の小笠原さんは、持ち前のセンスと様々な経験を経て培った知識でグローバルに働く仕事人。
主に古道具の輸入、販売を行っています。
世界、日本中を仕事場にする小笠原さんは、多くのアーティストとのつながりもあります。
その縁から、『BOOK MARÜTE』では様々なアーティストのイベントが開催されています。
取材日直近では、写真家の浅田政志さんの写真展が併設のギャラリーで行われました。
また、会期中の、東日本大震災を通して感じた写真の大切さを浅田さん本人が語るトークショーも大盛況でした。
『BOOK MARÜTE』はちいさな本屋さんです。
そのため、イベントではゲストととても近い距離で接することができるのです。
都心で活躍するアーティストたちと、一対一で話すことができる貴重な場となっていて、県外からやって来るお客さんがとても多いそうです。
そんな『BOOK MARÜTE』ですが、実は台湾にも店舗を持っています。台湾は親日国であり、ぐんぐん伸びる未来のある土地です。
お店の場所は、ちょうど『北浜Alley』のような、新旧が入り混じりつつも発展の目覚しい土地。
そしてその背景には、「若者の活躍の場を増やしたい」という、店主小笠原さんの思いもあります。
『BOOK MARÜTE』のスタッフは若く、そして叶えたい夢を持った人ばかりです。
日本の店舗でも台湾の店舗でも、日々小笠原さんの仕事ぶりを身近で学ぶことで、独り立ちの第一歩として欲しいのだそうです。
また、その思いが高じて、2016年3月には高松市に『book & travel ゲストハウス まどか』をオープン。
香川に旅してきた人たちには宿を、香川で夢を追う若者には仕事を、「いいこと尽くめでしょう」と小笠原さんは子どものような笑顔で笑います。
本屋が営むゲストハウスということで、こちらでは様々な旅に関する書籍と出会えます。
また、瀬戸内芸術祭2016に合わせて、特製マップなども作成する予定だそうです。
ちなみに2016年3月現在、『BOOK MARÜTE』いちばんのおすすめは『APRON CAFE』のニュースペーパー、その名も『APRON PAPER』。
瀬戸内に浮かぶ島のひとつ、直島にある『APRON CAFE』が発行しているこちらのペーパー。
海外でも活躍しているアーティストやエディターが、『APRON CAFE』が好きだという気持ちを込めて作ったそうです。
全国でも置いているところが少なく、稀少なペーパーです。島の魅力を切り取り、紙面を大胆に使ったデザインにはハッとさせられます。
気になった方はぜひ『BOOK MARÜTE』を訪ねてみてくださいね。
人と人とを結ぶ、港のちいさな本屋さん『BOOK MARÜTE』。
店の奥にはひっそりとカフェスタンドもあり、ここではコーヒーなどを飲みながら、お客さんどうし、時にはスタッフと、ひと時の団欒が楽しめます。
ここでしか出会えない本、ここでだから出会えた人、そんなふうにつながっていく場所なのです。
すてきな出会いを求めて、いざ北浜へ。
BOOK MARÜTE
住所/香川県高松市北浜町3-2 北浜alley-j
営業時間/12:00〜19:00(土日祝は10:00〜)
定休日/不定休
電話/090-5755-0246
http://book-marute.com
瀬戸内Finderフォトライター
文章:川井 知子(ドリームネットワークアクティビティ)
写真:柳沢 高文(ドリームネットワークアクティビティ)
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
この記事を取材したフォトライター
瀬戸内Finder 編集部
地元の皆さんからの写真や、在住ライターの記事で発信する、瀬戸内地域の観光情報サイト、「瀬戸内ファインダー」を作る編集部です。 瀬戸内海を囲む兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、香川県、徳島県の7県に関わる旬な情報を日々更新しています。 お問い合わせは下記まで Email : staff@setouchifinder.com
Hashtags
旬のキーワード