三大酒処として名を馳せ、観光地としても知られる広島・西条。
JR西条駅から徒歩圏内に8つの酒蔵があります。
50以上の蔵が存在する広島県は、南に瀬戸内海、北に中国山地という立地から、同じ県内でも甘口~辛口、淡麗~濃醇まで多彩な味わいの酒が造られているというのが特徴です。
中でも甘口の多い広島の酒の中では『最たる辛口の酒』として根強いファンを持つ『亀齢酒造』にて、その人気の秘密を探ってみました。
亀齢酒造は、未だに杜氏※制度を保っており、蔵の伝統を受け継ぐ手造りの技法で酒を醸しています。
※杜氏とは蔵の長のこと。杜氏は農村などから蔵元へ出向いて、農閑期となる晩秋からの早春の頃にかけて酒造りを行います。
現代は正社員制度が主となり、杜氏制度を持つ蔵は少なくなっています。
亀齢酒造の名物杜氏、西垣さんは春~夏場は故郷である兵庫県にて農業を営んでおり、酒造りの時期になると酒蔵にやってきます。
西垣さんが徹底的にこだわる、美味しい!と、喜んでもらう酒造りとは?
この味わいを醸し出すには、低温での発酵が決め手とか。
低い温度でゆっくり時間をかけて発酵させ、米の旨みを引き出すそうです。
低温発酵は時間がかかります、つまり効率的に生産数を増やせないデメリットがありますが、美味しい!と喜んでもらう為に、このやり方を貫いているのだとか。
この日の西垣さんは、今年の造りを終え兵庫に帰る前日でした。
声はガラガラです。日々蔵で大きな声を張り上げ、真剣に酒造りに向かっている姿が想像出来ました。
生活を共にする蔵人達の強い団結心の中で、丁寧に育成されたこだわりの酒なのですね。
古き伝統を守り抜くことの美学を感じるひとときとなりました。
全ては一杯の美味い酒、そして心に沁みる味わいに、西垣さんのこだわりが凝縮されている様に感じました。
西条の酒蔵の周辺には、広島の地酒と地元料理を楽しめる人気店が沢山あります。
観光で酒蔵を訪れた後は、蔵のストーリーと共に感じる奥深い味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
亀齢酒造株式会社
〒739-0011東広島市西条本町8-18
TEL 082-422-2171
https://kireikireikirei.jimdo.com/
瀬戸内Finderフォトライター/江崎誠・菅波葉子(㈱Rainbow Sake)
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この記事を取材したフォトライター
Rainbow Sake
菅波葉子 ㈱RainbowSake 菅波葉子(広島県出身) 2011年ハワイから帰国後、広島県に帰郷。 日本国内&ハワイの広告会社勤務の後、日本酒を海外に普及するPR会社㈱Rainbow Sakeを立ち上げました。 『SAKEで世界を笑顔で繋ぐ』その架橋になりたい!という想いで、日本とハワイ・シンガポールを中心とした海外を行ったり来たりしています。 帰国する度に地元の魅力を再発見し、瀬戸内海の心安らぐ穏やかな景色、新鮮で素朴な海の幸&山の幸に癒されています。 ㈱Rainbow Sake http://www.rainbowsake.com
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