光る海中から現れた!? 『日見の大仏』が見つめる西方の極楽浄土/西長寺(山口県大島郡)

山口県は周防大島の西端にある、のどかな村里。

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ゆるやかに棚田が広がる、この美しい集落は『日見(ひみ)』と呼ばれ、
正面に夕陽が沈む絶景スポットです。

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この日見の高台に、今から約1200年前に開創された古い寺があります。

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名を『西長寺(さいちょうじ)』。もともとは西向寺という真言宗の寺院で、
文字通り、本堂、本尊の不動明王とも西を向いて立っています。
その境内にもう一体、巨大な仏像が西を向き安置されています。
高さ2.84メートルと県下一の大きさを誇る『日見の大仏』です。

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平安末期の作で、かつては秘仏。国宝に指定されていたこともある名仏(現在は国の重要文化財)です。
しかし、なぜこんな立派な大仏がこの地にあるのでしょうか。
寺の縁起によると、この大仏様、なんと光る海中から現れたというのです。
にわかには信じられません。が、もう一体海からやってきた仏像があるといったらどうでしょう?

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平成3(1991)年、日見近くの砂浜に仏像(写真)が漂着しているのを西長寺の総代が発見。
伝説の再来とすぐさまお寺に連絡が入り、奉納されたとか。
平成の世に起きたこの珍事は当時、新聞でも大きく取り上げられました。
同じ集落にニ体の仏像が海から流れ着く。これを偶然の一言で片付けていいものでしょうか?

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西長寺の川西恵史住職は「大仏が日見に流れ着いたのも偶然とは思えない」と言います。
仏教では西に極楽浄土があるとされています。
その世界観を表すマンダラの西方には阿弥陀如来が置かれます。
「日見の大仏様は島の西方、極楽浄土を仰ぎ見るこのお寺を選んでやってこられた。そんな気がするのです」

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西長寺を訪れるなら、ぜひ夕方に。
正面に沈んでいく夕陽はゾッとするほど美しく、その向こうには極楽浄土が広がっている。
そんな気さえしてくるのです。


【おいでませ!山口】
●西長寺
大同2(807)年、西向寺として開創された真言宗の寺院。明治3(1870)年、長楽寺と合併し西長寺と改称。周防大島八十八カ所霊場の根本霊場。境内には日見の大仏が安置されている『大仏堂』のほか、曼荼羅の世界観を顕現した『大マンダラ霊場』が一般公開されている。
所在地/山口県大島郡周防大島町大字日見973
大仏堂内拝観時間/9:00~17:00

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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