朽ち果てたレンガ積みの煙突がシンボリックにそびえる犬島。
対岸の港、宝伝港(ほうでんこう)からもその姿が見て取れます。
犬島は、岡山市の中心地から車で約40−50分、宝伝港から船で約10分。瀬戸内海の島々にあって、ひときわ個性的。写真をたくさん撮りたくなるフォトジェニックな島です。
犬島は、古くは花崗石の産出で知られ、近代では銅の製錬の島として栄えました。
しかし、製錬所は1919年に廃止。最盛期は5000−6000人と言われた人口は、現在は50人程度にまで減ってしまいました。
島のシンボルである煙突は、かつての銅製錬所の跡地。栄華と衰退の象徴です。
その島が再び注目されはじめたのは2004年。
「犬島時間」というアートプロジェクトがはじまってからでした。
岡山県の写真家・青地大輔さんを中心にはじまったこのイベントは、空き家を活用したアートイベントの先駆けともいえるもので、毎年ゴールデンウィークに開催。今年で12回目を迎えました。
カラフルな頭蓋骨。観る角度によって色が変わります。不思議、欲しい。
古民家に人形が。ちょっと怖い…。
カニさん。アリさんもいます。
その後、直島などでベネッセホールディングスとともに『ベネッセアートサイト直島』の活動をする福武財団が、製錬所跡地を使ったアートプロジェクトを計画。
かつての栄華と衰退の象徴であった製錬所は、2008年に犬島精錬所美術館として生まれ変わりました。
2010年、犬島『家プロジェクト』として、企画展示をするギャラリーを公開。瀬戸内国際芸術祭の会場にも選ばれ、アートの島として新しい時代を歩みはじめました。
建築:妹島和世 アート:荒神明香『リフレクトゥ』2013
犬島『家プロジェクト』A邸。
透明なアクリルのギャラリーの中に花のモチーフが鮮やかです。
建築:妹島和世 アート:荒神明香『コンタクトレンズ』2013
レンズを通し、島の風景や家々を観ることができる犬島『家プロジェクト』S邸。
直島、豊島など瀬戸内海にはアートの島がいくつもありますが、犬島のいいところは、徒歩で島内を回れること。
犬島精錬所美術館、集落に点在する犬島『家プロジェクト』などの作品を、バスの時間を気にすることなく、自分のペースでゆっくり回ることができます。
島散策のあとは、やっぱりご飯。
こちらは犬島チケットセンターカフェのキッシュ。他にもたこ飯やスイーツもありますので、船の待ち時間にぜひどうぞ。
犬島のご案内(ベネッセアートサイト直島) http://benesse-artsite.jp/access/inujima/
犬島時間HP http://blue-works.jp/inujima/
瀬戸内Finderフォトライター アサイアサミ/浅井克俊(ココホレジャパン)
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ココホレジャパン
ココホレジャパンは、岡山を拠点に全国で「地域の魅力を広告する」インディペンデントでオルタナティブな広告会社です。 雑誌「TURNS」の企画制作、岡山を代表する魚「ままかり」の可能性を探すプロジェクト=「ままかRe:Project」の主催のほか、CMやグラフィック制作など、広告屋さんぽいこともたまにしています。 大都市のモノマネ・劣化版ではない、その地域・企業だけの魅力を掘り起こし、デザイン・編集して、「これ、いいでしょ!」と伝えていく。 それが私たちの仕事です。 ココホレジャパン http://kkhr.jp
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