徳島県鳴門市大麻町は、ドイツと深い縁のある場所。
その縁は、1917年(大正6年)に遡ります。
当時、世界は人類史上初の世界戦争『第一次世界大戦』の真っ只中。
その戦いに敗れたドイツ兵の俘虜(ふりょ)が収容された施設『板東俘虜収容所』があったのが、鳴門市大麻町(当時は板野郡板東町)です。
しかし、俘虜とはいえ、彼らの暮らしは自由で快適なものだったそうで、収容所近辺に住む日本人とも大変仲が良かったと言います。
そのようなドイツとの友好の証として、この地にはその記念館である『ドイツ館』が建てられています。
館内には、当時の板東俘虜収容所がどのようなものであったか、ドイツ人俘虜兵がどのような暮らしをしていたのかなどの展示がされています。
こちらは板東俘虜収容所の模型。
完全にひとつの街として成立しており、所内にはレストランや印刷所、図書館、音楽堂、公園、さらには商店街まであったそうです。
俘虜とはいえ、そこには穏やかで平和な暮らしがあったのですね。
当時彼らが住んでいた部屋も、実物大に近いスケールで再現されています。
食卓にはトンカツやパン、チーズ、ビールなどドイツグルメが並んでいます。
本来囚われの身のはずですが、なかなか楽しそうです(笑)。
また、当時彼らは収容所内で音楽団を結成しており、日本人を招いて演奏会を行っていました。
そのとき演奏したのが、ベートーヴェンの『交響曲第九番』。
なんとこれが、『交響曲第九番』がアジアで初めて演奏された瞬間だったのです。
ドイツ館では、30分おきに当時の演奏を再現したシアターが開演されています。
日本とドイツの間に生まれた、奇跡の歴史に触れてみてください!
ドイツ館の外に出ると、併設するように道の駅があります。
その一角には、ドイツビールとドイツソーセージのお店が。
そうです、今日はこれを食べに来たんです(いや、ドイツ館も十分楽しんだんですけどね)!
店内には何種類ものドイツビール。
持ち帰りできるソーセージも売っています。
ソーセージも何種類かありますが、今回はドイツの白ソーセージ『ブラートヴルスト』のホットドック(353円)をチョイス。
ヤバイ、ドイツビールと相性最高。ドイツ最高。
あなたも目と耳と舌で…、いや五感全部でドイツとの友好を感じてみてください!
ドイツ館
所在地/徳島県鳴門市大麻町桧字東山田55-2
開館時間/9:30~17:00(最終入館16:30)
休館日/第4月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)、12月28日〜12月31日
入館料金/大人400円、小人(小・中学生)100円
電話/088-689-0099
http://doitsukan.com
瀬戸内Finderフォトライター 千葉大輔
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この記事を取材したフォトライター
千葉 大輔
千葉大輔/フォトライター 1985年生まれ、徳島県三好市出身、徳島市在住。 大学卒業後、徳島の出版社にて様々なMOOKの編集長を務め、2014年4月フリーランスのフォトグラファーとして独立しました。 写真と同時に、コピーライター、エディターとしても活動してます。つか、他にも商品開発やなんやら、いろんなことやってます。求められれば何でもやる、徳島人のくせに阿波踊りドヘタ、そんな僕です。よろしくどうぞ。 http://www.quareal.net/
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