茫然と立ち尽くす子どもたち。その向こうに見えるコバルトブルー。
ここは山口県のほぼ中央、美祢市にある『別府弁天池(べっぷべんてんいけ)』。
「一杯飲めば一年長生きする」と言われる湧水をたたえる伝説の池です。
その昔、辺りを開墾したものの水不足に悩む長者が「弁財天をまつり青竹をつえに水をたずねよ」とのお告げを受け、この清らかな水源を発見したとか。青く美しい池を眺めていると、そんな伝説も素直に受け入れられます。
湧水量は毎秒186リットル、毎分11トン!
飲料用、灌漑用のほか、隣接する養マス場に流れ込みます。
手のひらで掬ってひと口。どんなに暑い日でも常に14℃に保たれている湧き水の味は、その色と同じく静謐。身体だけでなく、スーッと心にも沁みわたるようです。『日本名水百選』に選ばれているのもうなずけます。
それにしても、この神秘的なブルーはどうして生まれるのでしょう?その理由は、ある成分にありました。
その理由は、弁天池の湧水に含まれるミネラル分です。
太陽光線は大きく分けて7色。この光がミネラル分を含んだ水に入ると、そのうちの6色は水に吸収され、残った青系の色だけが反射するのだそうです。
この神秘の水で育ったマス、食べてみたいですよね?
近くにある食事処でほぼどこでも食べられますが、ここはやはり自分で釣ったものを食すにかぎります。いざ、隣接する養マス場の釣り堀へ!
受付で竹の釣り竿と餌をもらい、格闘すること約10分。最初の一匹が釣れました。でかい!これを近くのお店に持って行けば、一尾300円で調理してくれます。
お願いしたのは、定番の塩焼き!
神秘の水で育ったマスを、神秘の水でいただく幸せ。ここでしか味わえないマリアージュを存分に堪能できます。
訪れたのは暑い真夏日。にもかかわらず、滞在中ずっと清涼感に包まれていたのは弁天池の水を飲んだから、と言ったら大げさでしょうか。
【おいでませ!山口】
●別府弁天池
別府厳島神社の境内にあり、水不足に悩む長者が夢のお告げにより発見したという伝説を持つ。摂氏14度の透明度の高い湧水をたたえ、昭和60年には「日本名水百選」に選定。毎年秋には神から授かった水に感謝をこめて、念仏踊りが奉納されている。
住所/山口県美祢市秋芳町別府水上
URL/https://karusuto.com/spot/beppubentenike/
瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史
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